氷の致死量 の商品レビュー
母親からの愛を求めて。 愛されていないと想ってしまったからこそ、誰か代わりになる人を探し求めてしまったのだろう。 穏便に済ませたい気持ちは分からなくはないが、命を奪った罪は償わせるべきではないか。
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すべては母から、母という存在が自分にとってはどんなものか…というのに行きつく気がした。 そして、アセクシャルというのも否定することはないし、少なくとも人に知られたくないだけで悩んでいる人もいるだろうとは思う。 悍ましいシーンも出てくるが、単なるシリアルキラーではなく、うちに潜むも...
すべては母から、母という存在が自分にとってはどんなものか…というのに行きつく気がした。 そして、アセクシャルというのも否定することはないし、少なくとも人に知られたくないだけで悩んでいる人もいるだろうとは思う。 悍ましいシーンも出てくるが、単なるシリアルキラーではなく、うちに潜むものがそうさせたのでは… そういうものが交錯して、驚愕の真実に辿り着く。 英語教師の鹿原十和子は、自分がアセクシュアルかもしれないと思っていた。 厳しい母の言いなりで、決して母を怒らせまいとして望む態度をとり、萎縮して育った。 八木沼武史は、ある日を境に殺すことを目的とし、次々と女性を殺しては、その内臓にママを感じていた。 鹿原十和子の赴任先の聖ヨアキム学院中等部の市川樹里は、母親からネグレクトを受け問題児であった。 鹿原十和子が、この聖ヨアキム学院に赴任してから自分と似ていたという教師・戸川更紗に興味を持つ。 彼女は14年前、学院で何者かに殺害されて未だ犯人は捕まってない。 この戸川更紗のことを知ろうとするにつれて、鹿原十和子の身の回りにさまざまなことが起こる。 すべての始まりは、14年前であった。 理想の聖母、つまりは性の匂いがしないことを望んでいた生徒にとっては、アセクシャルであることも少なからず影響があったのではと思う。
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マイノリティたちのお話。ありのままでよいということより、極端さと異常さが印象に残ってしまう。 十和子と樹里の交流に救われる。 新しいニックネームって何でしょうか?
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一気読みでした。面白かったです。 が、こんな異常者ばっか、集まるもんかなーと感じたのは にこが世間知らずだからなのでしょうか。
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初めての櫛木理宇さん。 アセクシャル(無性愛者)がテーマになっているのだけど、このテーマにあまりひかれなかったので、ストーリーにあまり入り込めなかったのだと思う。
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氷の致死量 櫛木理宇 2022年5月10日発行 シリアルキラー:連続殺人犯サスペンス 熱いコーヒーを淹れて、読み始める 寒さを感じる日が増えてくる10月も終わりに近い日 35才の独身女性で私立中学の先生が主人公 命を狙われるが、犯人の同僚美術教師は逮捕される スタートから犯人を...
氷の致死量 櫛木理宇 2022年5月10日発行 シリアルキラー:連続殺人犯サスペンス 熱いコーヒーを淹れて、読み始める 寒さを感じる日が増えてくる10月も終わりに近い日 35才の独身女性で私立中学の先生が主人公 命を狙われるが、犯人の同僚美術教師は逮捕される スタートから犯人を匂わせる記述をされた赤ちゃんプレイが大好きな殺人鬼に助けられる形で真犯人の魔の手を掻い潜る そして主人公のマザコンにも少しは自意識が芽生えたかなというところで終わる 性行為に関心を持てない アセクシャル の主人公 妊娠したら生徒たちは、先生を流産させる会を立ち上げ階段から突き落として本当に流産させられた LGBTをはじめとした性的マイノリティの人という設定で様々な性的嗜好者の話しが出てくる Xジェンダー、対物性愛者、半性愛者、被窃視症、ズーリフィア:動物性愛者、リスロマンティック、人形性愛者、フィクトセクシュアル などなど 誰かに理解してほしいと願ってる人々でもある どれだけの区別を理解している人がいるだろうか 人類の歴史でこれだけの区分を作り出したことは、これまでなかったんじゃないだろうか 区分して命名して他とは違う事に理解を求める人々の権利が認められている社会 背景には異常な親たちがいる まっとうに子供を育てていると主張できる親たちが、こうした子供たちに育て上げている この小説の様々な性マイノリティやら性嗜好や不器用な生活表現はマザコンに起因するものが殆どだ 著者も現代日本の精神病理はオイディプスではなくマザコンから来てると感じているのだろうか 描かれる毒親とか家族や兄弟やDVや自傷行為などの問題は日本国内のとてもローカルな話しに終始している 何か甘いものでも食べながら、緑茶でも啜りたくなってきた 気分転換は必要だな 楽しいと思える人もいるだろうから、まずはご自身の判断でどうぞ
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※ 星3としましたが、4にとても近い3です。 これまで読んできた櫛木理宇さんの小説は、 殺人や虐待など凄惨な場面が多くて、 読んでいて気持ちが塞いだり、時に少し 間を置かないと胸苦しい感じがありました。 自分本位に酷く歪んだ思考をもった、 狂気な主人公が起こす犯罪の物語は と...
※ 星3としましたが、4にとても近い3です。 これまで読んできた櫛木理宇さんの小説は、 殺人や虐待など凄惨な場面が多くて、 読んでいて気持ちが塞いだり、時に少し 間を置かないと胸苦しい感じがありました。 自分本位に酷く歪んだ思考をもった、 狂気な主人公が起こす犯罪の物語は とても印象深く、同時にどこかで誰かが 苦しんでいる可能性が強く示唆させられて 危機感を感じるほどです。 この『氷の致死量』は歪んだ欲求が事件を 引き起こす点は同じなのですが、どこか 悲しくて切ない。 理不尽なことは依然として世の中に きっとたくさんあるはずなのに、 主人公の受容と変容を根っこに感じるので、 人の再生力を信じたくなるお話でした。
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教師である十和子はその日、新たな赴任先へと着任した。自分とよく似ていると伝え聞く戸川更紗が殺された学校へ。 自分は何者なのか、自分とよく似ている更紗を理解することで探ろうとするうちに知らずと事件へと巻き込まれていた十和子は、ようやく自分とは何かをつかみ始めていた。 ただのサイコ...
教師である十和子はその日、新たな赴任先へと着任した。自分とよく似ていると伝え聞く戸川更紗が殺された学校へ。 自分は何者なのか、自分とよく似ている更紗を理解することで探ろうとするうちに知らずと事件へと巻き込まれていた十和子は、ようやく自分とは何かをつかみ始めていた。 ただのサイコミステリーかと思ってたら、すごく深く考えさせられるストーリーで、揺さぶられまくった。 親から受ける影響、性的な個性、そもそも個人とは何か。 加害者はなぜ加害者になってしまったのか、そこになんらかの酌むべき事情はあれど、起こしてしまってはいけなくてそれは許されるべきではない。 だから、どうにかして加害者にならない仕組みがあればいいんだろうけど。
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様々なセクシャルがあるのだと知ることができたが、理解が追いつかない。グロテスクな描写もあるので、ミステリの部分が入ってこなかった。
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