人は2000連休を与えられるとどうなるのか? の商品レビュー
息子が図書館から借りて読んでいたのを、横取りしたみたいに読みました。最初はフリーターのご託だろうと読み進めてみると、どんどんディープな世界に作者が、降りていって、最後は狂気ギリギリの世界まで行き着く。でもその読後感は爽やかで、今年一押しの本です。作者が同郷なのも読みやすさの一端か...
息子が図書館から借りて読んでいたのを、横取りしたみたいに読みました。最初はフリーターのご託だろうと読み進めてみると、どんどんディープな世界に作者が、降りていって、最後は狂気ギリギリの世界まで行き着く。でもその読後感は爽やかで、今年一押しの本です。作者が同郷なのも読みやすさの一端かも…と思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
めっちゃ面白かった。 もともとエッセイが読みたくて手に取った作品だが、その実中盤は自己啓発本、後半は哲学書みたいな本だった。 人間のデータベースを作るパートで十分病んでると思うが、そのへんは全然序章だった。 人間は人間関係の中で自己を意識するため、人と関わらないと自己の感覚が薄くなり肉体が強く意識されるようになる。 「自分を変える」ということは自己を再定義した上で自己を否定することであり、それゆえ再定義の過程でかりそめの自己が強く意識され、人は変わることが難しい。 ↑ この辺、自分が2000連休取ったとしてもたどり着けるとは思えない領域だな…と思った。 作者と杉松の退廃的な生き方に憧れる…と思った。 が、最終的に杉松がネコ6匹育てながら自分の家まで建ててて笑ってしまった。めっちゃちゃんとしてる。
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いっぱい付箋 ツッコミとは多数派の側に自分を置いてボケという異常を修正する行為である 104ページ
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これは哲学書だ。 読む前は途方もないニート生活の中での出来事を面白おかしく書かれたエンタテインメントだと思っていたが、読み進めるうちにそんなありがちで簡単に想像できる話ではないことを思い知らされる。 仕事を辞めて住むところがなくなり転がり込んだ先の同居人・杉松と拾い猫の毛玉とのコ...
これは哲学書だ。 読む前は途方もないニート生活の中での出来事を面白おかしく書かれたエンタテインメントだと思っていたが、読み進めるうちにそんなありがちで簡単に想像できる話ではないことを思い知らされる。 仕事を辞めて住むところがなくなり転がり込んだ先の同居人・杉松と拾い猫の毛玉とのコミュニケーションや、仮住まいとして与えられた物置に籠り、様々な方法で積み重ねた自身との対話を経て、最後に「知覚点」まで削ぎ落とし、人間の世界や生死へ向けられた考察には思わず引き込まれた。 絶妙な言葉選びや日常描写も秀逸で何度も思わず笑わされた。上質なエンタメとしての一面も持ったハイブリッドな一冊。おすすめ。
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途中までは、社会から離れていき、内省や自己観察を深めていく過程がとても面白かった。 後半は自己を離れて自己(あるいは社会的動物としての人間)を観察するという、仏教世界(よく知りませんが解脱という言葉を思い浮かべた)に通じるようなものを感じさせるが、自分に照らすと内容がちょっと遠...
途中までは、社会から離れていき、内省や自己観察を深めていく過程がとても面白かった。 後半は自己を離れて自己(あるいは社会的動物としての人間)を観察するという、仏教世界(よく知りませんが解脱という言葉を思い浮かべた)に通じるようなものを感じさせるが、自分に照らすと内容がちょっと遠すぎる感じがした。 全てを通り越して再び社会に繋がりを持つというところが難しいはずだが、 2000連休が終わる過程の説明が薄くて残念だった。
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[読了] タイトルに惹かれて購入。一読。 作家の心理の浮き沈みが素直に語られていて興味深い。 人と会わず、仕事もせず外部との接触を極力減らして生活すると、否応なく興味関心が内的に向かっていく。それが健康的活動なのか不健康的なのか。極限まで自己を分析していく作家の心理軌跡は異常スレ...
[読了] タイトルに惹かれて購入。一読。 作家の心理の浮き沈みが素直に語られていて興味深い。 人と会わず、仕事もせず外部との接触を極力減らして生活すると、否応なく興味関心が内的に向かっていく。それが健康的活動なのか不健康的なのか。極限まで自己を分析していく作家の心理軌跡は異常スレスレであると同時に、普段の我々が体験し得ない記録としてとても面白かった。 結構色々と考えさせられました。 知的な考察や文章も意外な点の一つ。
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いつも憧れていた生活を先にしていた人がいるなんて…と読み始めた。6年近く、理解ある異性知人の家の一畳半物置に住み、仕事をせず生きる。 こんなにも生きること真剣に考え、それに専念し、人間関係を極限まで断つ。この環境下で人間がどのような行動を取るのか。著者の行動と思考過程を通じて理解...
いつも憧れていた生活を先にしていた人がいるなんて…と読み始めた。6年近く、理解ある異性知人の家の一畳半物置に住み、仕事をせず生きる。 こんなにも生きること真剣に考え、それに専念し、人間関係を極限まで断つ。この環境下で人間がどのような行動を取るのか。著者の行動と思考過程を通じて理解する。
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すごく面白かった〜♪ 人は2000連休を与えられるとどうなるか?は、厳密に言うと間違いで、「上田啓太は2000連休を与えられるとどうなるか?」で、あろう。 上田啓太という人が面白いので、こうして本にもできるし、ネットで出会った女性宅の家に六年弱も居候しても、許されたのだろう。 ...
すごく面白かった〜♪ 人は2000連休を与えられるとどうなるか?は、厳密に言うと間違いで、「上田啓太は2000連休を与えられるとどうなるか?」で、あろう。 上田啓太という人が面白いので、こうして本にもできるし、ネットで出会った女性宅の家に六年弱も居候しても、許されたのだろう。 家や自室から一歩も出ない「ガチこもり」でもない。 ネットの大喜利の仕事で、家賃の半分と食費も払っている。 人間関係は居候させてもらっている杉松と猫の「毛玉」のみ。(猫は人間ではないが) 人によってはユートピアに感じるだろう。 果たして、その実態は―――? 有り余る空白の時間にどう対処するかで人間の個性が出る気がする。 上田さんは京大工学部卒の理系の人。 その空白の時間で、自分や人間を掘り下げ、実験し、分析。 大喜利で培ったのであろう感覚を生かし、ユーモアと比喩を交えながら言語化する。 後半に向かうにつれ、予感はしたが、やはり、といった本の着地点。 軽く読めるかというとそうでもなく、読み終わると、ハードパンチを喰らったような気分になる。 ある一例として、観察している人を観察するのも良いかもしれない。
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発売当初タイトルが気になって電子書籍で購入して、今回オーディブルで出ていたのでそっちも聴いてみた。何度読んでも聴いても興味深くて、どんな人なんだろうと思った。会って話してみたいとも思うし、会いたくないなとも思う。 鋭い観察眼と言語化する能力に長けていて、子どもの頃から私とは根っ...
発売当初タイトルが気になって電子書籍で購入して、今回オーディブルで出ていたのでそっちも聴いてみた。何度読んでも聴いても興味深くて、どんな人なんだろうと思った。会って話してみたいとも思うし、会いたくないなとも思う。 鋭い観察眼と言語化する能力に長けていて、子どもの頃から私とは根っこから違うセンスを持っている方のように感じた。こういう本をたくさん読んでみたい。
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Amazon audibleで読了。 2000日=およそ6年、仕事をせずに生活すると、人間はどうなってしまうのか?? 連休なんてウキウキわくわくなイメージがあったけれど、読み進めていくにつれて悠々自適な生活からは程遠く、どんどん内面を掘り下げていく哲学的な思考になっていく。過去に...
Amazon audibleで読了。 2000日=およそ6年、仕事をせずに生活すると、人間はどうなってしまうのか?? 連休なんてウキウキわくわくなイメージがあったけれど、読み進めていくにつれて悠々自適な生活からは程遠く、どんどん内面を掘り下げていく哲学的な思考になっていく。過去に読んだ本や見た映画、音楽、出会った人、出来事を書き連ねて、データベース化してみたり、離人症について考えてみたり。著者の記憶力の良さにも驚いた。 2000連休を取ってみたいけど、取るのが怖くもなる、実験的なドキュメンタリー。
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