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古都 新版 の商品レビュー

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25件のお客様レビュー

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2023/09/25

美しい京都の街並みが静謐な文章によって描かれており、実際に旅をしているかのようだった。 始めは京言葉に慣れず読みにくく感じたが、途中から全く気にならなくなり、むしろ京言葉に親しみを感じるようになる。

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2023/06/08

景色は花の描写が多く、読みながら想像するのが楽しかった。ストーリーは昔の話なので今読むと逆に新鮮でした。 川端康成の他の本も読んでみたいです。

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2023/05/13

美しくもままならない姉妹愛、親子愛。双子のくだりが出てきたところからページを捲る手が止まらなかった。 親子愛、姉妹愛の爽やかな美しさを描いている。身分の違いのままならなさを、身分が高い側の千重子の側から描いているのも面白い。京言葉が新鮮だけど、印象深くて頭の中でつい同じ言葉を使...

美しくもままならない姉妹愛、親子愛。双子のくだりが出てきたところからページを捲る手が止まらなかった。 親子愛、姉妹愛の爽やかな美しさを描いている。身分の違いのままならなさを、身分が高い側の千重子の側から描いているのも面白い。京言葉が新鮮だけど、印象深くて頭の中でつい同じ言葉を使ってしまう。 背景となる京の四季がメインテーマのようにも思えるくらい色んな姿が描かれている。杉山は3回描かれるが、どれも違った姿で、情景が浮かび上がってくるようで素晴らしい。 太吉郎の盆栽と日本論は面白かった。 身分違いとなってしまった双子の行く末がなんとなくわかってしまうんだけど、それでも先が気になって読むのがとても楽しみだった。

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2023/04/16

川端康成文学忌 1899.6.14 ー1972.4.15 川端忌 又は 康成忌 川端康成が、京都の風景・伝統行事・四季折々の木花を美しく描き、京都弁を文字で読めます。(京都弁に関しては、手が加えられているとのこと) 生き別れとなり、全く別の人生をたどった双子の姉妹の出会と別れの...

川端康成文学忌 1899.6.14 ー1972.4.15 川端忌 又は 康成忌 川端康成が、京都の風景・伝統行事・四季折々の木花を美しく描き、京都弁を文字で読めます。(京都弁に関しては、手が加えられているとのこと) 生き別れとなり、全く別の人生をたどった双子の姉妹の出会と別れの物語。 捨て子だが、大切に育てられ呉服問屋の一人娘となった千恵子。親元に残されたが、早くに両親を亡くし家も失い山仕事で生計を立てる姉・苗子。 二人は、祇園祭で偶然に出会う。二人は心通じ互いの幸せを願う。姉苗子は、自分の境遇が妹の幸せに影を落とすことを恐れて、一人山に戻っていく。 メインのストーリーは、姉妹の互いを思いやる心象ですが、着物産業の変化衰退が呉服問屋を家業とする千恵子の家庭事情を変えようとしていました。古都に寄せる波です。お嬢様として育てられた千恵子に、家業の経営を指南する若者が現れて、彼女がこれから変わるだろうと思わせるところです。貧しくても清らかに働き生きる姉は、おっとりと豊かに暮らしてきた妹に、違う生き方も見せたのかもしれません。 執筆時、睡眠薬を多用されていたことは有名ですが、古都は文書がシンプルでとても読みやすい小説だと思います。

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2023/03/09

"もみじの古木の幹に、すみれの花が開いたのを、千重子は見つけた。 「ああ、今年も咲いた。」と、千重子は春のやさしさに出会った。 シンプルで美しい書き出しですね。 京都の四季、自然の美しさ、祭りを背景にストーリーが進んでいきます。 セリフが全て京都弁なのも味があります。...

"もみじの古木の幹に、すみれの花が開いたのを、千重子は見つけた。 「ああ、今年も咲いた。」と、千重子は春のやさしさに出会った。 シンプルで美しい書き出しですね。 京都の四季、自然の美しさ、祭りを背景にストーリーが進んでいきます。 セリフが全て京都弁なのも味があります。 京都を訪れる前に読んでおくと、いいかなと思います。 川端康成は、この美しい文章の作品を 睡眠薬を常飲しており、自分でも何を書いたのかよく憶えていないと自身のあとがきに記しています。 天才は凄いな!

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2023/03/06

川端康成の本は初めて読んだけど、想像してたより読みやすかった! 京都の風景、行事の描写が本当に美しくてその空気感に引き込まれた。性格が悪い人も出てこなくてとても気持ちよく読めた。

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2023/01/29

川端康成さんがノーベル文学賞を取ったときの作品。 京都を舞台に捨て子で呉服問屋の1人娘になっているヒロインとその双子で両親も亡く北山杉の村で奉公をしている娘さんの出逢いと交流を京都のお祭りや名所を舞台に描いている。 京都が舞台なので知っている寺社や食事処(先日行ったばかりの「い...

川端康成さんがノーベル文学賞を取ったときの作品。 京都を舞台に捨て子で呉服問屋の1人娘になっているヒロインとその双子で両親も亡く北山杉の村で奉公をしている娘さんの出逢いと交流を京都のお祭りや名所を舞台に描いている。 京都が舞台なので知っている寺社や食事処(先日行ったばかりの「いもぼう平野家」さんとか)が出てくるのは嬉しいのだけど、お話自体は最後にブチっと「え?それで?!」という感じで終わりました。 その後は読者に委ねる的な余韻もなし。 この時代の作品だと三島由紀夫さんの方が好きだな。 川端さんのお話は雰囲気小説ばかりな気がする。 「え?それで?!」っていうね。

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2022/11/29

たゆやかで美しき日本語。 後半「幻」にこだわるシーンがあったのは 川端康成が当時ゆめうつつであったからだろうか。 近くにいる。 されど、交わることはない2人。 それもまた美しいのである。

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2022/11/07

【裏書】 京都の呉服問屋の娘である千重子は、幼馴染の大学生、真一と平安神宮へ花見に出かける。夕暮れ時、彼女はある秘密を明かすが、真一は本気にしなかった。やがて夏の祗園祭の夜、千重子は自分とそっくりな娘と出会う。あなたは、いったい誰?運命の歯車が回り始めた・・ 。京都の伝統ある行事...

【裏書】 京都の呉服問屋の娘である千重子は、幼馴染の大学生、真一と平安神宮へ花見に出かける。夕暮れ時、彼女はある秘密を明かすが、真一は本気にしなかった。やがて夏の祗園祭の夜、千重子は自分とそっくりな娘と出会う。あなたは、いったい誰?運命の歯車が回り始めた・・ 。京都の伝統ある行事や街並み、移ろう季節を背景に、日本人の魂の底に潜む原風景を流麗 に描く。ノーベル文学賞対象作品。

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2022/10/16

 令和四年五月に新装発行となった名作。一卵性双生児と思われる、生き別れた姉妹の奇跡的な出会いと、生まれ育った環境の違いから生じるそのお互いの心境や生き方について京都を舞台として見事なまでに描いている作品。  祇園祭、葵祭、時代祭、北山杉、高雄の紅葉、鞍馬の竹伐り、南禅寺、京都植物...

 令和四年五月に新装発行となった名作。一卵性双生児と思われる、生き別れた姉妹の奇跡的な出会いと、生まれ育った環境の違いから生じるそのお互いの心境や生き方について京都を舞台として見事なまでに描いている作品。  祇園祭、葵祭、時代祭、北山杉、高雄の紅葉、鞍馬の竹伐り、南禅寺、京都植物園などなど他にも色々と京都の情景、風物を知ることができ、作品に深みを増すと同時に、この作品によって、さらに京都という都市自体が色彩を帯び、更なる歴史へと誘われる。  作品全体を通しては、登場人物の京言葉で、円やかで優美さに包まれており、これが睡眠剤を飲み、文章の狂いがあるという作品かと疑われるほどに明晰さすらも感じる。  また読みたい作品の一つである。  綿矢りさが解説を書いているも、文章の有り様や生きた時代があまりに異なるため、何処か軽さが浮き上がり気味と感じられた。  

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