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古都 新版 の商品レビュー

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23件のお客様レビュー

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2024/04/14

これぞ壺中天。 「読む京都」といった趣の作品。  優しく細やかに、そしてそれぞれに悩みながら生きる登場人物たちを縦糸に織り込んで、京都の行事や祭、名所名物を描いている。  いつか行った早朝の清水寺や桜の季節の南禅寺あたりを思い起こして、しみじみと読めた。 北山杉の界隈は行ったこと...

これぞ壺中天。 「読む京都」といった趣の作品。  優しく細やかに、そしてそれぞれに悩みながら生きる登場人物たちを縦糸に織り込んで、京都の行事や祭、名所名物を描いている。  いつか行った早朝の清水寺や桜の季節の南禅寺あたりを思い起こして、しみじみと読めた。 北山杉の界隈は行ったことがないけど、表現描写が美しい。 久々に癒やされる小説を読んだ気持ち。 本物の京都は、今やオーバーツーリズムで人に溢れすぎているから、もうこの小説のような風景は難しい。 そう思えば、壺のなかに封じられた昔の京都に出会える一作だと思える。

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2024/03/20

育った環境が違うのだから、結局は別々で暮らす運命を辿る。果たして二人は幸せになるのだろうか、幸せの尺度はそれぞれ違うけど 不眠症に悩まされて薬漬けだったにも関わらず、ここまで繊細に書き上げる川端康成の精神力に驚きました

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2024/02/28

三島由紀夫さんの尊敬する川端康成さんの本。 初めて川端さんの言葉に触れましたが…。 ほほー、んー、んー? と言った感じです。笑

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2023/12/02

京都の呉服問屋の娘の千恵子は、祇園祭の夜、自分にそっくりの娘 苗子と出会う。幼馴染の真一やその兄の竜介、機織職人の秀雄などとの関わりなど絡ませながら、物語は進んでいきます。 京都の言葉が飛び交いますが、文章はすっきりして美しい。 千恵子と苗子が会う北山杉の凛とした姿がいいです。2...

京都の呉服問屋の娘の千恵子は、祇園祭の夜、自分にそっくりの娘 苗子と出会う。幼馴染の真一やその兄の竜介、機織職人の秀雄などとの関わりなど絡ませながら、物語は進んでいきます。 京都の言葉が飛び交いますが、文章はすっきりして美しい。 千恵子と苗子が会う北山杉の凛とした姿がいいです。2人の今までの違う人生を思わせながら、顔はそっくりだけど、人に流されやすい千恵子と自分の考えをしっかり持っている苗子との対比がいいです。 2023年12月2日読了。

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2023/10/31

初めての川端康成。 冒頭のもみじの木の幹に一尺ほど離れて2つのくぼみがあり、それぞれのくぼみに毎春すみれが咲く。近いようで交わることのないように見えるすみれが、千重子と苗子を表しているのだろう。 そのあとに描写される亀壺のなかで一生を終える鈴虫たち。この亀壺も盆地の京都という本作...

初めての川端康成。 冒頭のもみじの木の幹に一尺ほど離れて2つのくぼみがあり、それぞれのくぼみに毎春すみれが咲く。近いようで交わることのないように見えるすみれが、千重子と苗子を表しているのだろう。 そのあとに描写される亀壺のなかで一生を終える鈴虫たち。この亀壺も盆地の京都という本作の舞台を指しているのだろうなと思った。 『古都』というタイトルの通り、京都の有名な寺社やお店、年中行事がふんだんに作中で描かれる。京都の地理に詳しくない人でも楽しめると思うが、詳しい人はより楽しめるはず。伝統的な建物の中に、今も残る北山の植物園が京都にとって新しい場所として出てきてスパイスを効かせているような感じだった。 千重子と苗子の性格や人柄の違いが明瞭に書き分けられていて、その対照的な人物像が印象的だった。

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2023/10/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

双子の姉妹の話だと聞いて読みたくなった。初めての川端康成である。思っていたより読みやすかった。京の人に校正してもらったという京言葉は本当に美しく感じた。舞子さんが使っているイメージが強いが、一般の人でもこんな雅な言葉遣いだったんだなぁ。四季折々の京の描写があり行きたくなった。北山杉の森に行きたい。 苗子が千恵子を好きすぎて可愛い。尊い姉妹愛。 苗子千恵子、秀男、大問屋の兄弟の五角関係だと思うのだが、終わり方が良くも悪くもスパッと中途半端に終わるのでとても気になる。最後に姉妹2人の夜で終わらせたのはいいと思う。物語の完結が目的ではなく、京という箱庭の中で行き合う人々の物語…かな?

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2023/10/25

一文一文、一行一行が美麗で気持ち良し。 睡眠薬で頭がイカれた狂人が書いたものとは思えない程である。 著者本人が認める「私の異常な所産」意外なにものでもない。 読後は甚だ清涼感に包まれ、暖かさが胸に宿っている。 京言葉に少々難儀はするものの、双子の出会いから織り成す四季折々の情景は...

一文一文、一行一行が美麗で気持ち良し。 睡眠薬で頭がイカれた狂人が書いたものとは思えない程である。 著者本人が認める「私の異常な所産」意外なにものでもない。 読後は甚だ清涼感に包まれ、暖かさが胸に宿っている。 京言葉に少々難儀はするものの、双子の出会いから織り成す四季折々の情景は美しく描写され、京都民への羨望がでてくる。天才のセンスっておそろしい。

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2023/10/16

文学好きの友人に薦められた。 読み始めると止まらない。 すごく狭い空間で、限られた登場人物で、それでも気になる物語が進展していく。 味わいが深い。

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2023/09/25

美しい京都の街並みが静謐な文章によって描かれており、実際に旅をしているかのようだった。 始めは京言葉に慣れず読みにくく感じたが、途中から全く気にならなくなり、むしろ京言葉に親しみを感じるようになる。

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2023/06/08

景色は花の描写が多く、読みながら想像するのが楽しかった。ストーリーは昔の話なので今読むと逆に新鮮でした。 川端康成の他の本も読んでみたいです。

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