六法推理 の商品レビュー

五十嵐律人(著者)

2022/11/12

法学部大学生の古城行成はゼミの１つである「無料法律相談所」に所属している。そこに相談に来た経済学部大学生の戸賀夏倫とひょんなことから、いろんな相談にペアで取り組むことになる。

一般的な推理小説とは違い、法律の知識を元に考えられる推論を組み立て、実証していくアプローチが珍しい。
法律という客観的思考能力を発揮する古城と、洞察や推理に優れた戸賀の組み合わせが、お互いを補填し合い、解決へ向かっていく。

一人狼の古城が少しずつ人との交流を深めていくところに、彼の将来への可能性が見えた。最近の社会問題にも触れ、「親族相盗例」を初めて知るきっかけにもなった。
暮らしやすい社会のために整備されている法律ではあるが、それが却って引き起こされるマイナスの側面もあるんだなと実感…。

2022/10/30

タイトルがインパクトある。学生ならではの面倒くさい感じが良い。無法立以外のゼミが気になるので、ぜひ続編で絡んでほしい。

2022/10/19

たまたま見かけて、面白そうだったから図書館で予約待ちした本。
主人公は法曹一家に生まれて無料法律相談サークル所属の大学生。探偵を気取ってる訳じゃないから、相談された内容にもあくまで法律的な解釈で答えてる。だから推理？にも穴があって完璧じゃない。相談者の推理と合わさってうまく結論が出てくるというのが、ミステリーものでは珍しい構成だと思う。
短編になってるし、会話もテンポが良くて読みやすい。ただ表紙になってる女の子、1話の相談者かつ助手だろうけど、なんかイメージと違うなぁ。マジメ黒髪系なイメージ。

2022/10/18

大学サークルの無料法律相談、略して無法律から始まるライトな事件解決ドラマシリーズ。
主人公の古城と第一話の相談者でありながら最後までつきまとう?戸賀の関係がどうなるのかが楽しみ。
法律の話は堅い感じがしないのが良かった。そんな方法もあるのかと思えるところが小説として成立できたところだと思う。
続きがあれば読みたいかも。

2022/10/01

大学生って、高校生から比べたら大人だけど、社会人と比べるとやっぱりまだまだ力不足で、しかも、自分でもその力不足を認識できているがゆえに、歯がゆい思いをする場面があるように思う。5つの連作短編みたいな形で、別々の事件を取り扱っていて、しかもそれが、古城と戸賀さんの縦糸でリンクしてくる点で、飽きさせない構成になっている。

2022/09/23

前作の長編作が面白かったから読んだ。
新たな5篇の連作短編集。
まるで法学の例題集の様で、レポートを求められる錯覚をした。登場人物にもAとかBでも良いんではないかと言う位リアリティがなかった。「親子不知」は好きだった。

2022/09/22

なんせ読みやすかった。法律知識として難しい名称は出てくるものの、実際に絡んでくる内容ではなかったため小難しく考えなくてよかった。

今後、続編が出るのであれば別だが、もう少し登場人物の性格や背景が分かると感情移入出来たかなと思った。助手が突飛な性格をうたってはいるが、最終的にはまずまずの一般的感覚であったのが残念であった。もう少し基盤がしっかりした上での、発想の転換のような展開があればもっと面白かったと思う。
ただ、最初にも書いた通り、ライトに読めるのはありがたい。

2022/09/15

大学にある無料法律相談所に寄せられた相談から出来事と真相を暴いていく連作ミステリ。
大学生の探偵と助手の関係も素敵ですが、法律相談所への依頼という形式だからこその物語が好み。法律という切り口とそれを使う人間という距離が良かったです。

連作短編だからというのもありそうですが、さくっと読める端正な1冊という印象。余韻感は既存作の方が好みだったりするけれど、1冊を通しての揺れ動きは好きです。法律に対しての、フラットさの誠実さ。

2022/09/12

表紙を見て嫌な予感がした通り、一章はライトノベルじみた痛さが目について、思わず作者の年齢を確認してしまった。
書き下ろしの二章以降に入るとその辺が薄まり、だいぶ読みやすくなったので一安心。
話としては詰めの甘い探偵＆肝心なところを外さない助手という感じだが、どうにも魅力が足りない。事件の流れと法律の絡め方はリアリティがあってうまかったが、オチが暗めというかスッキリしきらないものも多い。その辺もリアリティがあるといえるのかもしれない。

2022/09/06

法律をネタとする事件の解決をするゼミだが、おもったより法律は関係してこない…まだ大学生出し、完全に法律家として働くことは出来ないのだからこんな感じなのかな～とか。
少々読者にその後はご想像に～的な終わり方をする。