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六法推理 の商品レビュー

3.7

68件のお客様レビュー

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    11

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2023/04/23

とても面白かった。 バディものらしく主人公達のやり取りは軽快で、きっかけとなる事件も入り口はYouTubeや学園祭などライトな感じ。 一度組み立てた推理を上書きしていく過程は、より納得感があって思わず読み進めてしまう。 各短編の結末は意外と重ため。それでも最後のエピソードはとて...

とても面白かった。 バディものらしく主人公達のやり取りは軽快で、きっかけとなる事件も入り口はYouTubeや学園祭などライトな感じ。 一度組み立てた推理を上書きしていく過程は、より納得感があって思わず読み進めてしまう。 各短編の結末は意外と重ため。それでも最後のエピソードはとても爽やかな結末を迎えるので、読後感はとてもすっきりできた。 次回作にも期待しつつ、ほかの作品も読みたくなった。

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2024/05/05

面白かった。 五十嵐律人という作家に(私が)求めてしまうのは、どうしても民事・刑事いずれかに基づくタフなストーリー展開である。 その点において今回の短編は、「安楽椅子弁護」以外、ソフトな印象だった。逆に安楽椅子弁護だけが際立ってディープで良かったといったほうが正しく、これだけでも...

面白かった。 五十嵐律人という作家に(私が)求めてしまうのは、どうしても民事・刑事いずれかに基づくタフなストーリー展開である。 その点において今回の短編は、「安楽椅子弁護」以外、ソフトな印象だった。逆に安楽椅子弁護だけが際立ってディープで良かったといったほうが正しく、これだけでも読む価値がある。 裁判というものは様々な顔を持っている。損害を補填したい、社会的に制裁を加えたい、真実を明らかにしたいなど、原告の思惑が見え隠れしながら進んでいく。そしてそれらの思惑は、ときに結論に向かう際、トレードオフとなる。 清崎の最後の一言は、とても重い。 安楽椅子弁護であるがゆえに、被害者の真意を汲み取りながらも、結局は自己の正義を軸に訴訟を進める。 本来の弁護人では許されない展開は、その青臭さとともに、将来弁護人となったときに実は足かせになってしまうのではないかという不安をも感じさせる。 後日談的につづく他ストーリーで結果オーライであったが、裁判とは何だろうと考えてしまう。誰のために、何のために人は裁判を起こすのか。「弁護人は依頼者の利益を最大限に」と言うが、利益とはなにか。金銭的なものだけか。真意を聞き出すこと、「自己のあるべき論」にリードすることは越権か。 ちなみに法学生とか弁護士が著者の本を読んだとき、どんな感想を持つのだろうか。それも気になる。

Posted byブクログ

2023/04/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

法律には詳しいけど推理力は頼りない主人公と、主人公からの情報で真実を明らかにしていく助手(仮)のお話。よくある天才主人公パターンかと思って読み進めると、主人公の推理は筋が通っていそうだが実はめちゃくちゃ。その事件にまつわる人を知らないと真相は見えてこないのだと、主人公は物語が進むにつれ成長する。分かりやすい説明があるので、法律に詳しくなくてもテンポよく読み進めていくことができました!家族にまつわる事件の話は、読み終えた後、心がモヤモヤして晴れることがなかった。もっと救いのある終わりがよかったなあ…と。

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2023/03/22

図書館で目にしてそういえば秋さんが高評価してたなと思って借りてきました 正直ちょっと表紙が軟弱な気がしてあまり期待してなかったんですが、なかなか面白かったです そりゃあそうよ! 秋さん高評価本舐めんなよ(お前な) 大学の法学部に通う大学生が無料の法律相談を…という設定なんで...

図書館で目にしてそういえば秋さんが高評価してたなと思って借りてきました 正直ちょっと表紙が軟弱な気がしてあまり期待してなかったんですが、なかなか面白かったです そりゃあそうよ! 秋さん高評価本舐めんなよ(お前な) 大学の法学部に通う大学生が無料の法律相談を…という設定なんですが 本職の弁護士じゃない、つまりただ法律に詳しい大学生という立ち位置が凄いストーリーに活かされいて良かったです そしてめちゃめちゃ続編がありそうで しかも続編はもっと面白くなりそうな感じ キャラが粒立っていて良かったです

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2023/03/18

法学部の片隅にあるサークル「無料法律相談所」の唯一の部員古城行成と、法律相談(というか住んでいる事故物件!で起きる心霊問題)に訪れた事をきっかけとして押しかけ助手になった経済学部の戸賀夏倫が協力して舞い込んできた問題を解決する短編集。法律面からアプローチする古城と心理面から突き崩...

法学部の片隅にあるサークル「無料法律相談所」の唯一の部員古城行成と、法律相談(というか住んでいる事故物件!で起きる心霊問題)に訪れた事をきっかけとして押しかけ助手になった経済学部の戸賀夏倫が協力して舞い込んできた問題を解決する短編集。法律面からアプローチする古城と心理面から突き崩す戸賀のコンビが噛み合っていないようで噛み合ってくるのがいい感じ。学生からの法律相談だけど放火とかリベンジポルノとか毒親との縁切りとか結構重い内容だし、法律の限界も見せつけられるし闇に葬られるラストもある。でも今迄と較べると法律の説明とかが読みやすいし法律一家の古城の進路も気になるし戸賀の背景も気になるしで続編希望。ありそうなラストだったけどどうだろう。

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2023/02/28

法曹一家に育った法学部の古城。始まりは彼が運営する【無料法律相談所】に一つ下の戸賀が相談を持ちかけたところから。その後も助手のように居座る彼女と二人で5つの依頼に対処する。 新しいコンビの形だと思った。 古城が一方的に冴え渡る推理を披露して解決、ではなく。古城の推理立ての矛盾や...

法曹一家に育った法学部の古城。始まりは彼が運営する【無料法律相談所】に一つ下の戸賀が相談を持ちかけたところから。その後も助手のように居座る彼女と二人で5つの依頼に対処する。 新しいコンビの形だと思った。 古城が一方的に冴え渡る推理を披露して解決、ではなく。古城の推理立ての矛盾や違和感を、法律とは無縁の戸賀の客観的視点と思考が指摘、改めて解決への道筋を見出していくという流れが好意的。 学生ならではの迷い、未熟さ、危うさ、過ちも描かれていて彼らの今後を応援したくなった。

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2023/06/08

主人公の法の知識から紡がれる推理。その抜け穴を指摘して真相を解明する自称助手の女性。  短編連作だが、短編一つ一つの終わりかたはスッキリしない部分もある。ただ、最終短編では主人公はどうなりたいか結論が出ないが、未来に希望を持って物語は終わる。  全て同じ大学の学生からの相談から事...

主人公の法の知識から紡がれる推理。その抜け穴を指摘して真相を解明する自称助手の女性。  短編連作だが、短編一つ一つの終わりかたはスッキリしない部分もある。ただ、最終短編では主人公はどうなりたいか結論が出ないが、未来に希望を持って物語は終わる。  全て同じ大学の学生からの相談から事件は起きる。 過激な内容も描写されており、短編とはいえ様々な人間の思惑が書かれていて社会の闇を見せられた気分。  貧困な生活を送っている人はお金を払えない。あまりに敷居が高すぎる。だからこそ、無料法律相談は貧困な人にとって救いの手になる。  自分の学生時代にはそんなことはなかった。いや、トラブルを抱えても誰にも言えないで生活を送ってきた人がいたのかもしれない。そう考えると悔しいと思った。  成長していく主人公。続けていく無法律。 これからどうなるんだろう?主人公の将来や助手との関係、全てが気になる。まだまだ学生生活は終わらない。何になりたいか、決まっていけば良いと思った。

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2022/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

学園祭で賑わう霞山大学の片隅。 法学部四年・古城行成が運営する「無料法律相談所」(通称「無法律」)に、経済学部三年の戸賀夏倫が訪れる。 彼女が住むアパートでは、過去に女子大生が妊娠中に自殺。 最近は、深夜に赤ん坊の泣き声が聞こえ、真っ赤な手形が窓につくなど、奇妙な現象が起きているという。 戸賀は「悪意の正体」を探ってほしいと古城に依頼するが……。 リベンジポルノ、放火事件、毒親問題、カンニング騒動など、法曹一家に育った「法律マシーン」古城と、「自称助手」戸賀の凸凹コンビが5つの難事件に挑む! (アマゾンより引用)

Posted byブクログ

2022/11/26

モラトリアム法学大学生の弁護士ごっこと持って回った不可解なプロットで、面白さが全く伝わらず。こんなエンタメに靡かないで法律解釈の本格的ミステリーで勝負してほしい。

Posted byブクログ

2022/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大学にある学生の自主ゼミ、無料法律相談所。所属学生は古城ただひとり。 相談に乗るうち、古城の淡白だが温かな性格や明晰な頭脳が描かれ、過去の出来事が紐解かれる。 胸を痛める事件が書かれていても、古城の真摯な姿勢のおかげで、過剰に辛くなることはない。 押しかけ助手のような戸賀について、ほとんど書かれていないし、次作があることを期待したい。

Posted byブクログ