なめらかな世界と、その敵 の商品レビュー
SFアイディアが面白く、特に映像的に魅せる文章で書かれてる。表題作は特に顕著でSF好きでない人でも楽しく読めると思う。 ストーリーも二転三転するので飽きずに読める。 ただ、逆に言うと読み終わった後で思い出して、とても良かったと心に残るような作品は一つもなかった。 とにかくエンタメ...
SFアイディアが面白く、特に映像的に魅せる文章で書かれてる。表題作は特に顕著でSF好きでない人でも楽しく読めると思う。 ストーリーも二転三転するので飽きずに読める。 ただ、逆に言うと読み終わった後で思い出して、とても良かったと心に残るような作品は一つもなかった。 とにかくエンタメとして面白く、作者の引き出しも多いので一読の価値があると思う。
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「なめらかな世界と、その敵」 夏なのに大雪。 転校してきた幼馴染の厳島マコト。 乗覚障害とは、並行世界を行き来できるのが通常で、薬によって、それができなくなるという障害。 架橋葉月は陸上部。 片足を雪の世界で走るってどんな? 不思議な話。 「ゼロ年代の臨界点」 明治時代が舞台の話...
「なめらかな世界と、その敵」 夏なのに大雪。 転校してきた幼馴染の厳島マコト。 乗覚障害とは、並行世界を行き来できるのが通常で、薬によって、それができなくなるという障害。 架橋葉月は陸上部。 片足を雪の世界で走るってどんな? 不思議な話。 「ゼロ年代の臨界点」 明治時代が舞台の話。 その他、 長編で読みたい! 面白そうな要素ばかりでかっこいい。 すごい。 「ひかりより速く、ゆるやかに」 卒業生2人。 その他の150人は、生きているが事故によって救出できない状態。 新幹線のぞみ号、1秒300日の速度って? すごすぎて想像しにくい。 しかし面白い! 新幹線の謎の減速。 2700年以上が過ぎて名古屋駅に到着する予定の乗客に向けて、文字が書かれている石碑を残す家族。 低速化、タイムマシン。 2700年の予定を10年に縮める。 どれも面白かった。
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上質なSF短編小説 時間と空間を超えた王道SFでありながらも、次の展開が想像よりも斜め上にいくように書かれている点素晴らしい 読んでいくごとに、もっと読みたくなるスピード感と余韻が美しい。 ひかりよりも速く、ゆるやかに。に関しては主人公の孤独と青春が詰め込まれていて、一番印...
上質なSF短編小説 時間と空間を超えた王道SFでありながらも、次の展開が想像よりも斜め上にいくように書かれている点素晴らしい 読んでいくごとに、もっと読みたくなるスピード感と余韻が美しい。 ひかりよりも速く、ゆるやかに。に関しては主人公の孤独と青春が詰め込まれていて、一番印象に残った。
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また凄いSF作家が出てきた…。 最後の短編「ひかりより速く、ゆるやかに」を読了した衝撃を残しながら、「あとがきにかえて」では著者のSFに対する溢れる愛と熱量を浴び、「文庫版によせて」では本年4月にこの文庫版を送り出すにあたって著者が最善の努力をされた旨が伝わってくる。 面白いだけ...
また凄いSF作家が出てきた…。 最後の短編「ひかりより速く、ゆるやかに」を読了した衝撃を残しながら、「あとがきにかえて」では著者のSFに対する溢れる愛と熱量を浴び、「文庫版によせて」では本年4月にこの文庫版を送り出すにあたって著者が最善の努力をされた旨が伝わってくる。 面白いだけでなく、プロとしての矜持があり、日本SF全体を想っている。これは生半可なことじゃないと思いました。 6編の短編の並べ方も、コース料理のよう。最初の「なめらかな世界と、その敵」の冒頭の書き出しは読み手に「あぁ、これは頭切り替えないとな」と思わせて伴名ワールドに誘い、緩急のついた短編の並びの中で最後の「ひかりより速く、ゆるやかに」で最高潮の感動を得られるという妙。 『低速化』によって変わってしまった世の中を描いた同作、2つの場面を交互に見せながら、どうしても読んでいて絶望的な結末を想起してしまうのですが、こう来たか!という心地良い驚きと感動がありました。 『低速化』というテーマは、個人的には『三体』の暗黒森林理論を連想しましたが(あんまり書くとネタバレになりそう…)、「あとがきにかえて」では梶尾真治氏の短編の影響を受けている旨の記載があって著者の圧倒的な物量を感じました。 (どーでも良い話ですが、鉄道マニア的には新幹線の両数と最高速度が現実とビミョーに違うのが、敢えてやってる?と気になりました(笑) たまにはSFでも、と思ったら今は本著がイチオシです。 今後も、著者の創った/編んだ作品に、もっと触れていきたいと思った次第です。
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うわっ。噂どおり天才だった。 これまで読まなくてごめんなさい。 美少女、ガジェット、キラキラネーム、ゲーム、仮想現実…日本のアニメや漫画が育ててきたものの上に成り立っており、そのうえで古典的というかユニバーサルなテーマを展開させている。そしてとても心に痛い。
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ようやく読み終わった。どの短編も面白かったが、やはり前評判が良すぎると期待値が上がりすぎて良くない。 個人的に特によかったのは「美亜羽へ贈る拳銃」と「ひかりより速く、ゆるやかに」。 「美亜羽に贈る拳銃」はハーモニー、伊藤計劃トリビュートから。恋愛インプラントWK(ウェディングナイフ)。人の意識を変え、その人を愛するように脳を切り替える銃と愛の話。 「ひかりより速く、ゆるやかに」は日本SFの臨界点でも読んだ「暴走バス」と状況は似ている低速化もの。中の人たちと残された人たちの話。低速化を救う方法も面白かった。
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夏に読むのにふさわしい良質で読みやすいSFでした。全話面白い。個人的に好きなのは「美亜羽へ贈る拳銃」だった。互いの感情がエモすぎる。読めてよかった?
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読みたかったので文庫でようやく読了 どの話も楽しめて大満足。 一話目の表題作から強く引き込まれ 毎話読み終えてからすぐ次に進めない余韻があった。 書き下ろし作品 新幹線が超常現象災害に巻き込まれる話で この話自体を楽しむことが作中で「災害をネタに騒ぐ人々」と重なるようで構えて...
読みたかったので文庫でようやく読了 どの話も楽しめて大満足。 一話目の表題作から強く引き込まれ 毎話読み終えてからすぐ次に進めない余韻があった。 書き下ろし作品 新幹線が超常現象災害に巻き込まれる話で この話自体を楽しむことが作中で「災害をネタに騒ぐ人々」と重なるようで構えてしまったが、暗い結末になるのではとソワソワしつつ読むも登場する男女の掛け合いに"昔のボーイミーツガールSF"感を感じ、終わり方がとても良かった。 (私自身、そんなにSFを読んでる方では無いので錯覚なのだろうけど) この話を遅延する電車の中で読むことになったのはなんかの因果… 著者のあとがきにて 幼少期から触れていたSFへの愛と埋もれてしまう物語たちへの想いについて語り、企画して発掘していくことの重要性を説いていた。 その成果としてSF作家の作品集やアンソロジーを出しているようなので、そちらも読んでみたい。
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短編集だけど、どの話もすごく良い。中でも表題作と最後の作品がすごく好み。どれも読後の満足感がすごい。最後の作品は特になんかもうよかったねえよかったねえって言ってあげたくなる。
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SF短編集。 「なめらかな世界と、その敵」「ゼロ年代の臨界点」「美亜羽に贈る拳銃」「ホーリーアイアンメイデン」「シンギュラリティ・ソビエト」「ひかりより速く、ゆるやかに」 どの話も好きだけど、伊藤計劃の「ハーモニー」が好きなわたしは「美亜羽に贈る拳銃」がぶっちぎり。 最後の2行で『すきぃぃぃぃぃぃ!!!!』ってなった。 「ひかりより速く、ゆるやかに」は普通に泣いた。 泣かない理由がないよね?って感じ。 最初から最後まで飽きずに読める短編。それが6編。 作者は天才か?って思った。
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