なめらかな世界と、その敵 の商品レビュー
あまり読んでこなかったSFが好きになりそう。 話題の短編集。 物語の世界観に入り込めるかが肝。 最後の新幹線の話、とても好き。
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6編からなる中編SF集。どれも面白い。 パラレルワールドを行き来することが出来る乗覚を皆が持っている世界、3人の女性SF作家をSF史として語る世界、ナノマシンに寄り脳を改造できる世界、抱き締めるだけで悪意を失わせる事が出来る少女がいる世界、AIが発達したアメリカとソヴィエトが争う...
6編からなる中編SF集。どれも面白い。 パラレルワールドを行き来することが出来る乗覚を皆が持っている世界、3人の女性SF作家をSF史として語る世界、ナノマシンに寄り脳を改造できる世界、抱き締めるだけで悪意を失わせる事が出来る少女がいる世界、AIが発達したアメリカとソヴィエトが争う世界、新幹線が乗客ごと低速化し閉じ込められる世界。 最後の低速化の物語が日常の中に突然出現するSFという感じで面白かった。修学旅行へ行ったクラスメイトが低速化に巻き込まれてしまった主人公の捻くれた心情がリアルで良い。
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読みやすいですよ。ちゃんと面白いし。 ハード系のSFってどこか取っ付きにくさがあって、分からない・分かりにくいの一言で投げ出してしまいがちですけど、これはちゃんと読んでいけば分かるように書いてあります。最初の数頁こそ面喰らいますが。
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時間軸を行き来する平行世界と青春モノSF。 一話目でこの本はそういう設定かと理解して始まり、面白かったのは最終話の「ひかりより速く、ゆるやかに」。確かに速くてゆっくりで、こういう設定もあるのかと思った。
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SFあんま詳しくない状態で読み始めたけど超おもしろかった……SF詳しくないとは言いつつ伊藤計劃はちらほら読んでたのでミァハ……!てアツなって、ハーモニー読み直すか……になった どの話も設定結構えげついのに根っこに優しさがあって、あんま安易にこの語を選ぶと安っぽくなるだろうから使う...
SFあんま詳しくない状態で読み始めたけど超おもしろかった……SF詳しくないとは言いつつ伊藤計劃はちらほら読んでたのでミァハ……!てアツなって、ハーモニー読み直すか……になった どの話も設定結構えげついのに根っこに優しさがあって、あんま安易にこの語を選ぶと安っぽくなるだろうから使うべきじゃないだろうけど、「萌え」でした……
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むちゃんこ面白かった…今まで日本のSFおすすめを検索するたびに目にしていた本作でしたが、なかなか手にする機会がなかったのが、本当に悔やまれるというか、このあと『少女禁区』やその他アンソロジーに収録されている作品、そして伴名練が編んだアンソロジー、めちゃくちゃ読みたくなりました。今...
むちゃんこ面白かった…今まで日本のSFおすすめを検索するたびに目にしていた本作でしたが、なかなか手にする機会がなかったのが、本当に悔やまれるというか、このあと『少女禁区』やその他アンソロジーに収録されている作品、そして伴名練が編んだアンソロジー、めちゃくちゃ読みたくなりました。今年は伴名練を追いかけて生きていく気がします笑昨日の『know』が残念だったので、救われました(?) 収録作品はどれも面白かったけれど、「ホーリーアイアンメイデン」と「ひかりより速く、ゆるやかに」が特に好きだったな。 「なめらかな世界と、その敵」 「ゼロ年代の臨界点」 「美亜羽へ贈る拳銃」 「ホーリーアイアンメイデン」 「シンギュラリティ・ソヴィエト」 「ひかりより速く、ゆるやかに」
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インパクトのある表紙が目を引くが、中身もなかなかのもので、どの作品もアイディアがあって面白く読めた。 現代、明治後期、冷戦の真っただ中、そして近未来を舞台にしているが、同じ作者が書いたとは思えないほど多彩な筆致を使い分けているのは特筆すべき点だと思う。 そのなかでも一等賞を選ぶと...
インパクトのある表紙が目を引くが、中身もなかなかのもので、どの作品もアイディアがあって面白く読めた。 現代、明治後期、冷戦の真っただ中、そして近未来を舞台にしているが、同じ作者が書いたとは思えないほど多彩な筆致を使い分けているのは特筆すべき点だと思う。 そのなかでも一等賞を選ぶとすれば表題作かな。並行世界を自由に行き来できることが「普通」となった世界で、事故によってその能力を失った「普通じゃない」少女をめぐって、逆説的に「自由」の意味を考えさせてくれる佳作だと思う。 「美亜羽へ贈る拳銃」もスリリングで面白い。SFとしてはありそうな設定ではあるけど、ここまで「愛」を前面に出したものは無かったんじゃないかな。 「ひかりより速く、ゆるやかに」もかなり評価は高いようで、確かにSFのあの設定とラストに至る展開は結構新鮮だったけど、SF以外の部分、例えば残された同級生たちの行動や、超常現象に対する社会の向き合い方なんかについては色々と無理がある感じがしたので、個人的評価はそこまで高くない。SFってこういうものだ、と言われれば返す言葉はないのだけど。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
傑作集ということで評価は6作品の平均値で算出。 ・なめらかな世界と、その敵⏩4 →読んだことないタイプだったので新鮮だった。 ・ゼロ年代の臨界点⏩3 →高校の現代文の問題に出てきそう。 ・美亜羽へ送る拳銃⏩5 →めちゃくちゃ良かった。この本で最も良かった。 ・ホーリーアイアンメイデン⏩4 →割りかし重め。 ・シンギュラリティ・ソヴィエト⏩3 →あんまり頭に入ってこなかった。 ・ひかりより速く、ゆるやかに⏩4 →速希の書いた小説部分が全然面白くなかった。その部分が省略されていたり、もっと短めだったら評価は5。
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とにかくエモい伴名練。どの物語もハードな設定ながら、人間(感情面)も濃厚に描かれているのがいい。特に表題作と、最後の「ひかりより速く、ゆるやかに」。想像を掻き立てるパラレルワールドや時間がテーマのSFに、青春ミステリー的要素が加わって読み応えは十分。心揺さぶられた。
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新たなSF史を創出し続ける.作者としての意図的な悪意を読者に提示している分だけ,フィクションとして読み進められるが,しかし,数十年後,フィクションとしか感じられなかったのに,と思わせる現実味も伴う.心の琴線にも触れる温度のある筆致で物語としても読め,確かにある種の臨界的SF作品群...
新たなSF史を創出し続ける.作者としての意図的な悪意を読者に提示している分だけ,フィクションとして読み進められるが,しかし,数十年後,フィクションとしか感じられなかったのに,と思わせる現実味も伴う.心の琴線にも触れる温度のある筆致で物語としても読め,確かにある種の臨界的SF作品群.
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