傑作はまだ の商品レビュー
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シンプルにイイ話だった。読むにつれて面白くなるし、納得もいく。仄かな明るい幸せを掴んだから文章もそれに通じて明るくなる。という訳にならないところは好感が持てた。20年以上一人社会と一線をおいて暮らすという事は、単純なようで、実はすごい複雑なことなんだなと思った。それができるくらい主人公はアーティスト性があるのだろうし、小説家ってそんなモノなのかも。20年以上の生活が少し変わったからってそう簡単に自分の心や文字までそれに染まり切るのは難しい。人間って生き物は生きているだけで別の人間にすごい影響を与える生物なのだろうな。人間っておもしろ!多分本来もっと素直な感想があるはずだけど、自分はこう思いました。
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久しぶりの瀬尾まいこ作品。やはり優しい読後感。 『一人で過ごしていれば醜いものすべてを切り捨てられる。ストレスも嫌らしい感情も゙生まれてこない心は、きれいで穏やかだ。』 という文章が刺さりました。コロナで人付き合いを煩わしく思う気持ちが私も大きくなっていたなと実感。
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同じく瀬尾まいこさん好きの叔母さんがたくさん貸してくれました。 初めに手に取ったのは、「傑作はまだ」。夏の体温、あと少し、もう少しから、なかなか同じくらい私にあう作品が見つからなかったけれど、これはすごく面白かった。 小説家で、週に一度しか外に出ない、主人公の「俺」。少し常識からズレた彼の元に、息子が突然やってくる。その息子は、昔妊娠させてしまった美月との子供。子供ができたことを喜べなかった「俺」は、美月に、養育費だけ振り込み、子供には中途半端に会いにこないように念を押された。一ヶ月に一回、息子の写真だけが送られてくるが、「俺」はだんだんと、息子に会いたい気持ちが薄れていく……。 その中で、素直な息子の智と生活し、彼自身が変わっていくのが面白かった。暗い物語ばかり書いていた彼が、智に影響され、結末をハッピーエンドにする。些細なことで、大きなことだと思う。 それにしても、彼が書いた小説の主人公が、自殺して終わることが続いているから、自殺するつもりなんじゃないかと思うのは…考えすぎな気もするけれど、もし本当にそうだったらと美月は心配だったんだろうな。離れていても、そっけない言葉だけだったとしても、美月はいろいろな人に心を配れたのだろう。 カフェオレ大福…食べてみたいような、嫌なような、不思議な感じ。智はちょっと呑気なところがあるけれど、何をしても喜んでくれるいい子だ。そんな息子だったら親は助かるんだろうな……。 当たり本でした。
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温かみのある作風で、さわやかな読了感でした。 暗めで20数年間人と関わることなく過ごしてきた主人公が、突然やってきた息子によって、戸惑いながらも人と関わることが人生を彩ってくれることを知っていく。 普通は父が教えるところを、逆に教えられて、そこで生まれる感情の変化が、読んでいてあ...
温かみのある作風で、さわやかな読了感でした。 暗めで20数年間人と関わることなく過ごしてきた主人公が、突然やってきた息子によって、戸惑いながらも人と関わることが人生を彩ってくれることを知っていく。 普通は父が教えるところを、逆に教えられて、そこで生まれる感情の変化が、読んでいてあたたかい気持ちにさせてくれました。 とてもわかりやすいメッセージ性で読みやすかったです。
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久しぶりに読書がしたくなり、積読していたこの本を読みました。 瀬尾さんの書かれる温かで優しい文章とゆるい日常がとても心地よかったです。ページ数もそこまでなく、読書リハビリにピッタリな一冊でした。 瀬尾さんの書かれるゆったりと繰り広げられる会話が最高です。主人公と一緒に智くんとの別れを寂しんだり、からあげクンにウキウキしたり。思わず作品に入り込んでしまう素敵な作品でした。 明日はどんなことが知れるかな、どんなことに挑戦してみようと小さな勇気をもらえるそんな作品でした。
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瀬尾先生らしい軽快な文章でさっーと半日かからずに読めました。 人って怖い。嫌われてるだろうな、影で何を思われてるんだろ、怒られるよなって勝手に不安は募っていく。 「でも、本当は世の中結構優しいよ」というメッセージを不思議な親子のカタチの中で教えてくれた。 人は怖いけど、やっ...
瀬尾先生らしい軽快な文章でさっーと半日かからずに読めました。 人って怖い。嫌われてるだろうな、影で何を思われてるんだろ、怒られるよなって勝手に不安は募っていく。 「でも、本当は世の中結構優しいよ」というメッセージを不思議な親子のカタチの中で教えてくれた。 人は怖いけど、やっぱりひとりはもっと怖い。
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ほっこりとする作品。 主人公が変わり者すぎる反面、突然現れた息子は出来た人間だった。 読後は誰かと話たくなる。そんな小説。
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久々の瀬尾まいこさんの本。 温かすぎて、恋愛小説でもないのに ついついにやけながら読んでしまう。 引きこもりの小説家、50歳の主人公の元に 25年前の彼女が産んだ子どもが 不意に現れる話。 これだけみたら サスペンスにも、ミステリーにもなりそうなのに カラッと温かく、そして ...
久々の瀬尾まいこさんの本。 温かすぎて、恋愛小説でもないのに ついついにやけながら読んでしまう。 引きこもりの小説家、50歳の主人公の元に 25年前の彼女が産んだ子どもが 不意に現れる話。 これだけみたら サスペンスにも、ミステリーにもなりそうなのに カラッと温かく、そして じんわり包んでくれるような物語になるのだからすごい。 人と繋がるって痛みも伴うけど それでしか知り得ない景色や それでしか起こり得ない成長が 絶対にあるって確信させてくれる。 サラッと読めるのに 読んだ後は優しい気持ちになるこの本。 子どもたちにも是非読んでもらいたい一冊です☻
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たけさんが「おっさんの成長物語が、こんなにも美しいのは奇跡的」だとレビューしていた。確かに、青年が成長する話ならば巷に満ち溢れている。おっさんは成長しない、できないだろう。そう、紛れもないおっさんの私は思っていた。思っていたので、これは読むべき本だと思い紐解いた。 そういえば、...
たけさんが「おっさんの成長物語が、こんなにも美しいのは奇跡的」だとレビューしていた。確かに、青年が成長する話ならば巷に満ち溢れている。おっさんは成長しない、できないだろう。そう、紛れもないおっさんの私は思っていた。思っていたので、これは読むべき本だと思い紐解いた。 そういえば、「25年間編集者と会う以外はコンビニに行くぐらいしか家を出たことがない」というこのおっさん同様、私もからあげクン食べたこともなければ、スタバラテて何なの?の男ではある(←ホントです)。女子高生が、スタバでおどおどしているおばあさんのために大声で注文している。智くんは「後ろのためにやり方を示しているんだよ、そんなの普通だよ」という。この説明に心底驚いた。今時の若者は、人との距離の取り方が違うだけで、心根の優しい者はいくらでもいるのだ、きっと。私が驚くぐらいだから、おっさんはもっと驚いただろう。次第とおっさんの心境に変化が訪れるのは理の当然だと思う。 というわけで、こんな引きこもり男で世間知らずのおっさんが、既に30冊も本をモノにしている小説家になっているという。その彼に25年間一度も会ったことのない25歳の息子が一カ月居候をすると言ってやってきた。30冊て、小説舐めるな、違和感ありありだ、というレビューが続出しているかと思いきや、異様に少ない。読者は みんな素直に受け入れている。別におっさんの味方ではないのだけど、私としては「おそらく経験よりも万巻の読書体験のバリエーションで「なんとか」してきたんだろう。」と、わざわざ彼を擁護する言い訳を用意していたのだけど、肩透かしだ。今時の若者は案外素直なのだろうか。 智くんは何故、今になっておっさんのところにやってきたのだろうか? 最大の疑問はこれだ。 私はずっと推理していた。 最後の方になって、やっと智くんから種明かしがされる。 「おっさんの小説だったらどう?」 と俺の顔を見つめた。 「小説?」 「作家だとさ、どんなふうにこの状況を結末にもってくの?」(169p) ……結局、おっさんは3つぐらい設定を言ってみるも、息子から全部反駁されて仕舞う。 でも、私は3つ目の「自分が余命1ヶ月だと知った息子が父親に会いに行った」という設定をその前にに考えていたのである。智くんからは「病院をそれで抜け出せるってどれだけセキュリティの甘い病院?しかもどれだけパワフルな身体なんだ。病気ってそんな身軽に動けるもんじゃないんだぜ」と批判されてしまう。でも、と私は思う。1ヶ月じゃなかったらどうなんだろう。半年だったら?もっと自由効くんじゃないか?それで、智くんが3つ目の設定にムキになったことも、途中病気でアルバイトをおっさんに気づかれないように休んでいたことも説明がつく。そうだ、それに違いない。この直後、智くんはきちんと種明かしをするけど、それは小説的フェイントだ、私は最後の1行まで「どんでん返し」があるのではないかと疑っていた、‥‥ことを告白しよう。 最初のおっさんの考えた1番目の設定は智くんから「ホラーだ」と言われ智くん自身のキャラと合わないと言って却下されるのだけど、確かに瀬尾まいこの小説キャラには合わないからこの反駁には説得力あったけど、明るく始まってホラーで終わらせることのできる小説家は幾人かはいる(若竹七海とか)。‥‥いや話があちこち行こうとしているけど、そんなこんなとは関係なく結局真実は、ほんわか感動ものでした!いい意味で! でも「傑作」はやはり次の作品だよね。 このおっさん成長できたんだろか? できたような、できていないような‥‥。 おっさんとしては頑張るしかない(←何が?)。
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主人公が極端なキャラクターがゆえに 人との繋がりは面倒だけど、 面倒を超えたときにそれ以上の喜びがある、と気がつけた。 勝手に相手の受け取り方をネガティブに決めつけないこと。 対話してみること。
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