1,800円以上の注文で送料無料

パンとサーカス の商品レビュー

4

28件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/08/16

 これをフィクションだとは思えない。読んでて日本とアメリカのクソっぷりにはらわた煮えくりかえる。  政治小説としてとても面白かったのだが、苦言を呈したいところが一点。寵児のクィア描写が中途半端だったのが残念だ。最初に男子修道院というハッテン場が出てきたシーンも、「あれ、もう終わり...

 これをフィクションだとは思えない。読んでて日本とアメリカのクソっぷりにはらわた煮えくりかえる。  政治小説としてとても面白かったのだが、苦言を呈したいところが一点。寵児のクィア描写が中途半端だったのが残念だ。最初に男子修道院というハッテン場が出てきたシーンも、「あれ、もう終わり?」と思ってしまうくらいあっさりしすぎていた。また、寵児が中国人スパイの李小龍にハニトラ仕掛けられるところも、もっと丁寧に描けば二人の魅力がもっと引き出せただろうに…。あと李小龍を空也と重ねながらセックスするくらい空也のことを愛していながら、彼とはハグ以上の事をしてないなんてありえないでしょ。空也も好意寄せられて満更でもなさそうだったんだから、もっとアピりなよと思った。おまけに最後、空也ではなくマリアとセックスしてしまったことにはがっかりだった。自分がバイであることに気づいた的な事を言っていたが、それ仮に空也とヤッた後にもおんなじこと言えるのかよと思った。寵児をゲイでビッチな二重スパイとしてブレずに描けば、クィア小説としても新鮮で面白くなっただろう。

Posted byブクログ

2024/06/22

ここに記録している他の小説を下げるわけではないが、ここ最近で圧倒的に、最高に面白かった。 空也と寵児の真っ直ぐな友情と、インテリジェンスな会話の数々と、なんだかんだ痛快なストーリーと。私も思考を停止させた有権者であることを認識させられ、自分事としてすっと入ってくる小説だった。 集...

ここに記録している他の小説を下げるわけではないが、ここ最近で圧倒的に、最高に面白かった。 空也と寵児の真っ直ぐな友情と、インテリジェンスな会話の数々と、なんだかんだ痛快なストーリーと。私も思考を停止させた有権者であることを認識させられ、自分事としてすっと入ってくる小説だった。 集団と伝統がもたらす習性の強さといったら尋常でないけれど、リスクを持って行動するしか道が開けない。寵児の生き方、空也の生き方、たそがれ太郎の生き方、マリアの生き方。どれもとんでもなくカッコよかった。

Posted byブクログ

2024/05/13

日ごろ私が政府に抱いている気持ちを代弁してくれて、 かつエンタテイメントに仕上げている凄い小説。 よく発禁にならないものだ。 思い切り一言で言ってしまうと、 自分のことしか考えない世襲議員と、 アメリカ隷属を是とする偏差値エリート東大卒官僚の悪政に 天誅を下そうとする大物やくざ...

日ごろ私が政府に抱いている気持ちを代弁してくれて、 かつエンタテイメントに仕上げている凄い小説。 よく発禁にならないものだ。 思い切り一言で言ってしまうと、 自分のことしか考えない世襲議員と、 アメリカ隷属を是とする偏差値エリート東大卒官僚の悪政に 天誅を下そうとする大物やくざの腹違いの兄妹とその親友のものがたり、だ。 この妹がすごい。女神か、天使か、巫女か、魔女か。 トランス状態になると何者かの声が聞こえ、それが政治を正すメッセージとなっている。 ・・・しかし、実際、人間なんて、悪にも善にもなれるものなのかもしれない。 国会議員は清廉潔白であれとはいわないけれど、せめて良心のもとに政策を立ててほしいが、 ヤクザやハングレ同然の人間が相当数いる、というのはもはや自明。 国民のことなぞ考えてはいない。 アメリカにへつらい、表向きは皇室を立てつつ、実際に存在する上皇の意思を軽んじる売国奴。 軍事増強といいつつ、お古で動くかどうかもわからない戦闘機を買わされるだけ。 敵地攻撃能力とかいっても、中国とは国力が全く違うのだから、中国各地から原発を狙われたらジエンド。 30年経済を停滞させたのがすべての敗因。 国民の再教育の必要性、制度の抜本見直しの必要性が叫ばれていたのに、何もしなかった政府の失敗。 せめて自給率を挙げて籠城できるようにすべきなのに、今や放棄された農地がどんどん広がる。 そんな議員を選んだのも国民。 この小説からはその嘆きも聞こえる。 であれば一部の心ある人間がテロを起こし、ムーブメントにしていけば、、、 結末は。。

Posted byブクログ

2024/04/20

面白かった〜! 日本でスパイ物の、もっともらしい理由付けは難しいだろうと思ったけど、実社会をベースにエンタメにしていてめっちゃ良かった。 キャラの名前の付け方が覚えやすくていい、ペヤングとかミュートとか。 現実の世界はクソまみれなので、小説内のドンパチで憂さ晴らしさせてもらえるの...

面白かった〜! 日本でスパイ物の、もっともらしい理由付けは難しいだろうと思ったけど、実社会をベースにエンタメにしていてめっちゃ良かった。 キャラの名前の付け方が覚えやすくていい、ペヤングとかミュートとか。 現実の世界はクソまみれなので、小説内のドンパチで憂さ晴らしさせてもらえるのが幸せ。

Posted byブクログ

2023/11/13

発言が物議醸した島田さん。でも、作品は日本の将来考える指針に。テロはダメだけど。今さら、要らないかもしれませんが、今年の直木賞に…。「政府のマフィア化は一層進み、公然と不正がまかり通り、貧富の差は拡大の一途を辿ったにもかかわらず、市民はサイコパスに洗脳されたかのように無為無策の政...

発言が物議醸した島田さん。でも、作品は日本の将来考える指針に。テロはダメだけど。今さら、要らないかもしれませんが、今年の直木賞に…。「政府のマフィア化は一層進み、公然と不正がまかり通り、貧富の差は拡大の一途を辿ったにもかかわらず、市民はサイコパスに洗脳されたかのように無為無策の政権を支持し続けた」「自由よりも管理の徹底を求める自発的服従者」「限られた少数者の利益に奉仕する政権を利益に与れない多数者が支持するという茶番」「日本は世界の沖縄になってしまった」「パンとサーカスだけでは足りない。武器もオカネもない。地位も権力もない。あるのは良心だけ。でもそれさえあれば、いくらでも世界を変えられる」先日、財務副大臣が税金滞納で4回も差押え判明というジョークとしか思えないニュース。それでもなんのアクションもなし。現実は、この小説以上に無気力。

Posted byブクログ

2023/11/03

現実に本当にありそうで、いやそんなことはないだろう、作家の想像力はすごいなぁ、いやでもこれはマジかも。 そんなふうに肯定したり否定したり。 実在の政治家をモデルにしただろう描写や組織をからめたり、なんとも面白いエンタメ小説だった。 エンタメだよね? ノンフィクションじゃな...

現実に本当にありそうで、いやそんなことはないだろう、作家の想像力はすごいなぁ、いやでもこれはマジかも。 そんなふうに肯定したり否定したり。 実在の政治家をモデルにしただろう描写や組織をからめたり、なんとも面白いエンタメ小説だった。 エンタメだよね? ノンフィクションじゃないよね?? 実話を元にしたフィクション…でもないよね??? 福澤克雄氏演出でseason 3?4?くらいまである実写化なんて面白いかも〜。 地上波じゃ日曜劇場でも無理かな? WOWOWかHulu、はたまたNetflixかアマプラかな? 大作なので映画では収まらないと思う。

Posted byブクログ

2023/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

空也と寵児が高校時代に親友となって20年、日本の政治や民衆の在り方に一石を投じるべく活動する。導き手となる妹のマリアの聖母のような優しさと巫女のような神託がこの長い物語の核にあってイエス物語のような雰囲気もある。CIAや中国国家安全部、首相や大臣、フィクサー、警察、そして暴力団やボランティアテロ要員などが入り乱れ、陰謀渦巻く中殺し殺され結末へ。ただスカッと終われずまあこれからも頑張っていこうと的な最後でちょっと残念。

Posted byブクログ

2023/08/07

恐らく旧安倍政権をモデルに、対米追従社会への批判を織り交ぜた作品。実現可能性はともあれ、内容には賛成できる点が多々ありました。

Posted byブクログ

2023/07/14

国家を相手どるスパイ小説、息をつかせない展開と諜報機関や組織が暗躍する内容は面白く一気に読める。が、設定がなんだかリアルで読んでるうちに暗澹とした気持ちになってくる。現実の政府、今の日本を思わせる内容でいったいどこまでがフィクションなのかと考えてしまう・・現実には世直しを謳う革命...

国家を相手どるスパイ小説、息をつかせない展開と諜報機関や組織が暗躍する内容は面白く一気に読める。が、設定がなんだかリアルで読んでるうちに暗澹とした気持ちになってくる。現実の政府、今の日本を思わせる内容でいったいどこまでがフィクションなのかと考えてしまう・・現実には世直しを謳う革命家も詩人も宣託の巫女もいないし、政権は交代しなかったし、このままいけば作中で予言された未来のようになってしまうのではと不安になった。

Posted byブクログ

2023/06/27

講談社 島田雅彦 「 パンとサーカス 」 日本を属国化するアメリカから自由を取り戻すダークヒーロー小説。人の出会いから 相互作用が起こり 世界が少しずつ変わっていくことで 物語が展開していく。 エンタメとは言え、アメリカの側にも、中国の側にもつかず 米中で潰し合いさ...

講談社 島田雅彦 「 パンとサーカス 」 日本を属国化するアメリカから自由を取り戻すダークヒーロー小説。人の出会いから 相互作用が起こり 世界が少しずつ変わっていくことで 物語が展開していく。 エンタメとは言え、アメリカの側にも、中国の側にもつかず 米中で潰し合いさせるのが 日本の最良の選択としたり アメリカ人は、いつかモンゴロイドに復讐されるという刷り込まれた恐怖があると言ったり キリストの最後の7つの言葉や終末論(たった一人の余計者が生き延びる滅亡後の世界)をパロディとしたり かなり過激な内容 人物の名前は言葉遊び? ・桜田マリヤ(マグラダのマリア) ・砂漠谷絵里(エリ、サバクタニ) ・御影寵児(湘爆のひかげちょうじ?) ・黄昏太郎(望郷太郎?) ・蓮華操(れんげ草?) ・矢野真美(ヤノマミ族?) ・萩谷ソフィア(ハギヤソフィア?) ・田島波瑠(タージマハル?) ホームレス詩人やワルキューレカルテットは、ピエロや猛獣使い的な役割を期待したが、役割は意外と 地味だった 「書物は魂を遠くに飛ばすエンジンになる」は名言

Posted byブクログ