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パンとサーカス の商品レビュー

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28件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/06/19

軽快な冒険小説のように始まり、ある種の現実や人物をやんわりと炙り出す。けれども、これは小説なので日本がアメリカの属国でなければ、中国の属国になるというリアリズムだけでは後半の失速は避けられなかった。 もう少し短く出来るのでは無いだろうか、、。

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2023/05/27

文芸誌などで短編やTwitterでは時々読んでいたけれど長編の島田雅彦作品を読むのは初めて。先ずはその厚みに怯みつつ、読みはじめてみればモデルになったであろう事件やニュースが次々に思い出されるし、映画や小説で馴染み深い騙し騙されの世界が繰り広げられ‥私たちは誰を、何を信じればいい...

文芸誌などで短編やTwitterでは時々読んでいたけれど長編の島田雅彦作品を読むのは初めて。先ずはその厚みに怯みつつ、読みはじめてみればモデルになったであろう事件やニュースが次々に思い出されるし、映画や小説で馴染み深い騙し騙されの世界が繰り広げられ‥私たちは誰を、何を信じればいいのかと悩み、現実と創作の境い目を行きつ戻りつしながら一気に読了。結論は出ないけれど、悩み続ける。それしかないのかも。

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2023/04/20

前半はほとんど現代の日本で起きていることのように感じた。 後半、うまくいき過ぎる感もあるが、物語としてはこれくらいの希望がほしい。 骨太でエンタメで読み応えのある作品

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2023/03/13

39これまで哲学的なストーリーが多かったような気がするが、これは誇りと尊厳をかけた現代の革命のお話し。陰謀論は唯の無知だけれど、自ら勝ち取る自由っていうやつの結末を読んでみたい。ただしもう少し薄くして笑

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2022/12/17

日本の抱える病について面白く分かりやすく理解できた。物語的には最後不完全燃焼感は否めなかったが、よりリアルさを求めるとそうなるのかなとも思った。文章が多少読み辛いが慣れた。あととにかく長い。。

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2022/11/27

革命に向かう野心と現実との混沌は、ワクワク感に満ちている。その分、尻すぼみ感が惜しい。 どうせ物語なんだから、一回はドカンと行くとこまで行けばいいのに。なんか現実に絡め取られて、でも完全な敗北ではなくて、再起への希望を若干感じさせるというラストが、惜しいなあと思ってしまったのは何...

革命に向かう野心と現実との混沌は、ワクワク感に満ちている。その分、尻すぼみ感が惜しい。 どうせ物語なんだから、一回はドカンと行くとこまで行けばいいのに。なんか現実に絡め取られて、でも完全な敗北ではなくて、再起への希望を若干感じさせるというラストが、惜しいなあと思ってしまったのは何でか自分でもよくわからない。 ワルキューレカルテットも、便利屋さんとしてでなくもう少し活躍してほしかった。

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2022/11/11

 2022年刊。新聞紙上に連載されたのは2020年から2021年だったようだ。  この作者のデビュー作『優しいサヨクのための喜遊曲』は1983年の作品で、これが芥川賞候補になって注目されていた。ちょうどその頃、高校時代の私はちょっとリアルタイムな文学作品も読んでおこうと思い福武書...

 2022年刊。新聞紙上に連載されたのは2020年から2021年だったようだ。  この作者のデビュー作『優しいサヨクのための喜遊曲』は1983年の作品で、これが芥川賞候補になって注目されていた。ちょうどその頃、高校時代の私はちょっとリアルタイムな文学作品も読んでおこうと思い福武書店の純文学系雑誌『海燕』を買ったりしていた。話題になっている作家らしいと数冊作品を読んでみたが、それら最初期の作品は浮かれはしゃいだようなふざけた書き方で、中身は薄く、肉体の無いポーズばかりが目につくような、結局は芸術作品として見るべきものはなさそうに思えた。きっと頭の良い作者なのだろうが、小説として肉化されず終わっていた。  その後この作家を振り返ることは無かったが、最近SNSでアカウントを見かけ、反-安倍政権の、すごくまっとうな民主主義擁護の発言の数々に、「あれ、この人、まともになったかな」と興味を持った。  で、先日、安倍晋三氏が射殺される事件があり、当初は宗教がらみの私怨とはわからずテロか? 政治的意図に基づく暗殺か?と世間がざわつくなか、島田雅彦さんが近著『パンとサーカス』をある種の予言だったかも、と冗談半ばに書いておられたので、この小説を読んでみる気になった。  ネットで注文して届いたらかなり分厚いハードカバーだったのであせった。  読んでみると、最初期のうわついたところは消え、多少ふざけた感じの人名などは残っているものの、文章は「大人の」それに成長していた。オーソドックスな近代小説にならって、きちんと地道にストーリーが展開されていく。これがなかなか面白く、適度な物語の展開に夢中にさせられた。  やはり安倍晋三氏らしきおもかげの首相が出てくるし、物語は政治からCIAのスパイ戦、ヤクザとかゲイとか巫女めいた「マリア」の託宣とか、派手に入り乱れ、そういえばやや筒井康隆さんのドタバタストーリーを想起させるところもある。  日本社会の病態をとても大人っぽい視線で、結構「常識的に」(と私には思われた)分析している。ここには馬鹿げたポストモダンの軽さはない。あるようでない。今思うと、最初期の島田さんの作品の浮ついた雰囲気も、バブル期のポストモダン文化のありようとはちょっと異質なものだったかもしれない。  ひたすら対米従属するだけの戦後日本人の官僚的根性を、作者は痛烈に批判する。では、アメリカと手を切るなら中国との関係をどうするのか? この小説内に明確な結論はもちろんない。個人的には、ここに呈示されている中では、「中立国」を目指すほかはどうしようもないような気がしたが、どうだろうか。  まあ、政治的な大きな方向性については、日本人もいい加減ちゃんと考えた方がいいだろうけれども、この小説を読んでどう思うかは人それぞれに分かれるだろう。いずれにしても、かつての『希望の国のエクソダス』辺りの頃の村上龍さんの作品と同じくらいのパワーがある、刺激的な作品であることは確かだ。  島田さんは作家として「大人」になって、ついに「優しいサヨク」に自ら近づいてきたのだろうか。

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2022/09/11

エンターテイメント小説として非常に楽しめた一冊。現実社会で起きてきた事実も随所に取り入れ日本の受身の体質を批判する視点もフィクションでありながら痛烈。後半の二重スパイに踏み込むくだりはややしつこい流れを感じたが500ページを越える大作を飽きることなく一気に読めた。

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2022/08/13

いまだに実質的に完全に米国の統治下にある日本。米国の核の傘に守られ有事には米軍が助けてくれるという完全なる虚構を信じ搾取され続ける日本。 リアリティのあるテーマ設定で前半は面白く読み進められたが、後半のテロを実行する辺りからはストーリーが飛躍し過ぎて没入感が一気に失われた。かなり...

いまだに実質的に完全に米国の統治下にある日本。米国の核の傘に守られ有事には米軍が助けてくれるという完全なる虚構を信じ搾取され続ける日本。 リアリティのあるテーマ設定で前半は面白く読み進められたが、後半のテロを実行する辺りからはストーリーが飛躍し過ぎて没入感が一気に失われた。かなり尻すぼみな印象。

Posted byブクログ

2022/08/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ほんとなんだろうな〜、ってことと、創作だろうな〜、ってことの境目が曖昧で良い 世界は邪の心に支配されているし、わたしのような一般人は、不本意ながらもその邪の流れに流され続けるしかないんだろうという無力感は増した ただ、「もし仁義の心を持った人が支配者層に近い立場にいたら?」という創作を見せてもらえるだけでも、多少の希望にはなる 確かに作者が言ってた通り「ワクチン」ですね

Posted byブクログ