1,800円以上の注文で送料無料

勿忘草の咲く町で の商品レビュー

4.4

48件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/04/25

再読。今の地域医療が医師個人の努力にあまりにも頼り過ぎている現状や高齢者医療の問題について考えさせられた。それぞれの話の中に出てくる花や安曇野の水や空気、土地の美しさが描かれていてホッとする。

Posted byブクログ

2023/04/09

とても良かった。個人的は谷崎先生が1番人間味があって好きです笑 「僕たちの月曜日」に一編だけ、「ダリア・ダイアリー」が載ってあり、読むととても暖かい気持ちになったので、他の話も読んでみたく。 どれも本当に良い話だった。もしかしたらストーリー自体はドラマとかの展開によくありそう...

とても良かった。個人的は谷崎先生が1番人間味があって好きです笑 「僕たちの月曜日」に一編だけ、「ダリア・ダイアリー」が載ってあり、読むととても暖かい気持ちになったので、他の話も読んでみたく。 どれも本当に良い話だった。もしかしたらストーリー自体はドラマとかの展開によくありそうだけど、小説でもしっかりイメージがつきやすく、読みやすい。しかも、最後に感動する。人に寄り添った小説。 三島先生の言葉とても考えさせられる↓ 「・・・彼らは頭が悪いわけでわけではなく、ただ死というものに対して無知であるだけなのだから。そういう無知な人々に対してどのように医師は接するべきか、これはとても難しい問題なのだ。・・・それだからこそ日常的に『死』を見守っている我々が、悩み続ける必要があるのだ」 → なんていうか、『死』の部分を自分の仕事とかに置き換えて考えてみると、時には投げ出したくなるようなことでもしっかり悩んで目を逸らさずに取り組んでいかなきゃいけないんだなと思った。

Posted byブクログ

2023/04/02

花の画像を調べながら読了。 とても大事なテーマが散りばめられているのに、若い先生と看護師の視点で未来に向かっての明るさが見える。 すごく良かった。

Posted byブクログ

2023/11/19

信州大医学部を卒業し、今も長野県で地域医療に携わる著者。医療現場における人間関係を描いたヒューマニズム溢れる作品群で知られる。 今回も、松本市郊外にある梓川病院に勤務する若い研修医と看護師を主人公に据え、信州の美しい景色も散りばめながら、医療関係者と患者との係わりを温かく描いてい...

信州大医学部を卒業し、今も長野県で地域医療に携わる著者。医療現場における人間関係を描いたヒューマニズム溢れる作品群で知られる。 今回も、松本市郊外にある梓川病院に勤務する若い研修医と看護師を主人公に据え、信州の美しい景色も散りばめながら、医療関係者と患者との係わりを温かく描いている。 ヒューマンな小説ではあるが、医療に関する社会的問題も取り上げられている。       この作品で主眼においているのは、高齢者医療のあり方である。病気を治すのではなく、どう死なせるか、ただ延命するなら、相当程度長らえるが、それをいつまで続けるかがひとつの大きな命題だ。 小説には「死神」と呼ばれる循環器内科医が登場し、主人公の若い優秀な研修医を戸惑わせる。 彼は、重症の心不全の高齢患者については、あくまでも、最低限の点滴と酸素で看取りを基本とする姿勢を貫く。その行動の裏には、高齢者の肺炎に抗生剤が多用されることで生じる多剤耐性菌の脅威、大量の寝たきり患者を抱え、過労する若手医師など、高齢者の重みからの医療倒壊への危機感や医療資源の適正配分についての深刻な憂いがあった。 よく問題になる胃瘻を作ることの是非についても、傍目には非人間的に思われる措置でありながら、作らなければ患者を死なせることになるといった延命治療に関する厳しい議論も盛り込まれている。 重いテーマを提示しつつも、花屋の息子である1年目の研修医と37年目の看護師とのすれちがいながらも進んでいく恋愛の様子が微笑ましく、読者の緊張感を解きほぐす役割を果たしている。

Posted byブクログ

2023/02/19

「神様のカルテ」と同様に過酷な医療機関の現状が描かれている。地方の中小病院は老齢化により老人病院化している。症状も悪い方に安定して医療スタッフが介護に追われている。 本の中でも80歳以上の患者に積極的に医療を行わず、放置する死神と呼ばれる医者が出てくる。 一年目の研修医である桂と...

「神様のカルテ」と同様に過酷な医療機関の現状が描かれている。地方の中小病院は老齢化により老人病院化している。症状も悪い方に安定して医療スタッフが介護に追われている。 本の中でも80歳以上の患者に積極的に医療を行わず、放置する死神と呼ばれる医者が出てくる。 一年目の研修医である桂と三年目の看護師月岡は揺れ動きながら成長して行く。安楽死を願う患者や全てを医者に委ねて考えを放棄する家族など、様々な状況に悩む主人公達。 その中で二人の関係が深まって行く。初々しい二人のやり取りが、死を含めて重い医療の内容に華を添えてくれる。

Posted byブクログ

2022/10/28

これは深いな。実際のこれからの日本の医療問題をズバリと書いてくれた一冊。 自分の田舎もそうだけど、地方の病院は老人ばっかだし、いつかは自分の親もこうなるんだと思った。 その時に備えて、決断の用意をしとこう。 ミイラみたいな爺さんに胃瘻作って延命しても意味あんのかな?と思うよね。...

これは深いな。実際のこれからの日本の医療問題をズバリと書いてくれた一冊。 自分の田舎もそうだけど、地方の病院は老人ばっかだし、いつかは自分の親もこうなるんだと思った。 その時に備えて、決断の用意をしとこう。 ミイラみたいな爺さんに胃瘻作って延命しても意味あんのかな?と思うよね。まぁ家族は年金入るけど、飯が食えない時が寿命なんやろな。 んー、難しいよな。

Posted byブクログ

2022/09/30

〈我々はもう、溢れかえった高齢者たちを支えきれなくなっている〉 『死神の谷崎』と言われる循環器内科20年目の ベテラン・谷崎先生の言葉。 95歳で総胆管結石による急性胆管炎で 救急に運ばれた患者の処置はどうするのか。 危険な内視鏡処置か、このまま点滴と昇圧剤で様子を見るのか。 ...

〈我々はもう、溢れかえった高齢者たちを支えきれなくなっている〉 『死神の谷崎』と言われる循環器内科20年目の ベテラン・谷崎先生の言葉。 95歳で総胆管結石による急性胆管炎で 救急に運ばれた患者の処置はどうするのか。 危険な内視鏡処置か、このまま点滴と昇圧剤で様子を見るのか。 高齢者医療の難しさが細かく丁寧に書かれている。 この先、高齢者が増え(言葉は悪いが)生きながらえたら。 本人の意思とは別に生かされるとしたら。 「延命治療」、人としての尊厳を守り治療をしてほしい。 それは、贅沢な願いなのだろうか。

Posted byブクログ

2022/09/21

安曇野の病院では、入院患者のほとんどは後期高齢者。治療することに意味があるのか悩むことの多い研修医と、見守る看護師、指導医師・・・という図式で、悪人は出てこない、純化された抽象世界に仮託して、高齢化社会の医療についての倫理と、医療関係者の本質的な善根を描写。 癒やされるし、ハート...

安曇野の病院では、入院患者のほとんどは後期高齢者。治療することに意味があるのか悩むことの多い研修医と、見守る看護師、指導医師・・・という図式で、悪人は出てこない、純化された抽象世界に仮託して、高齢化社会の医療についての倫理と、医療関係者の本質的な善根を描写。 癒やされるし、ハートウォーミング。ただし、(夏川のマーケッティング戦略かとは思うが)女性のセリフ、独白が、あまりに古めかしい。

Posted byブクログ

2022/09/19

カルテと作風は似てくるが、扱うテーマが高齢者医療という重たいもの。物語として楽しませてくれつつ、地域医療のあり方、課題を読者も少し考えさせてくれる、そんな物語。相変わらず、とても楽しく読ませていただきました。

Posted byブクログ

2022/08/10

人生の中で最も出会えて良かった本の一つです。 主人公の看護師美琴の仕事や人への向き合い方を見ていて私自身の仕事への向き合い方についてとても考えさせられました。(似たような職種です) 私は美琴のようにテキパキ完璧にこなせるタイプではありませんが、美琴を見ていて私自身の仕事への信念を...

人生の中で最も出会えて良かった本の一つです。 主人公の看護師美琴の仕事や人への向き合い方を見ていて私自身の仕事への向き合い方についてとても考えさせられました。(似たような職種です) 私は美琴のようにテキパキ完璧にこなせるタイプではありませんが、美琴を見ていて私自身の仕事への信念を再確認できました。 医療現場が題材ですので命、生きること、死ぬことについても深く考えさせられます。 昨日まで和やかに話していた紳士が急変する、90歳過ぎて大手術はしたくない女性、食べることが大好きな可愛らしいおじいさんの最期、患者さんも様々であれば向き合う家族の姿も様々です。 自分の親、そして自分自身がどう人生を終えていきたいのかの手がかりにもなりそうです。 そして信濃の季節の移り変わり、美しい花々も物語を彩ります。目に浮かぶように美しいです。 ぜひ皆様にもオススメしたいです。

Posted byブクログ