勿忘草の咲く町で の商品レビュー
地方の医療問題、高齢者医療の現状をタブーを厭わず正面から向き合った小説。予想通り夏川さんは医師であった。主人公の看護師、美琴のまっすぐな魅力と優しく見つめる正太郎の2人の「若さ」がまぶしい。
Posted by
研修医の目から見た医療の景色、社会が蓋をしてしまっている生と死の問題などを優しく包みながら浮かび上がらせてくれる小説。 現場の悩みを柔らかに伝えてくれている印象で、正解を求めるよりも、悩むことの大切さを教えてくれる話でした。
Posted by
神様のカルテとはまた違う、でも医療に正面から向き合う医師の姿とその裏にある生活が描き出されている作品だった。より地域に密着した医療を夏川さんの言葉で魅せていただいた作品な感じがした。
Posted by
読みやすかった。こういう、誰も悪い人が出てこない話は安心する。 高齢化社会と医療。人間の寿命について深く考えさせられるお話でした。
Posted by
根が切れてしまっているの一文にハッとさせられた。 作者が医師ということもあり、経験談からきた本音の部分なんだろうと思う。 神様のカルテでも感じたが、文章がとても穏やかで読みやすかった。
Posted by
これは良かったね、猫を最初に読んだのだけれど、優しすぎるファンタジーだけの思ったのと違うと手に取るの躊躇った。高齢者医療が非常に気になり やっぱり読もうと、花屋の息子で勿忘草にダリアにとうんちくもあるし、花がきっかけで恋人同士になれた、季節の移り変わりもいいし、すんなり恋人同士に...
これは良かったね、猫を最初に読んだのだけれど、優しすぎるファンタジーだけの思ったのと違うと手に取るの躊躇った。高齢者医療が非常に気になり やっぱり読もうと、花屋の息子で勿忘草にダリアにとうんちくもあるし、花がきっかけで恋人同士になれた、季節の移り変わりもいいし、すんなり恋人同士になれたのもいいし あくまで病棟の物語が頼もしい。桂先生の患者の根が切れてる、もう見取りませんか、かたややゑさんの根は切れてないですと、見る所が凄い 判断材料が正しいと思う、こんな先生なら命を任せられる。一本15000円のコロナワクチンを打たせて進めて副反応あるのに黙って、危険なワクチンは医師自身打たない、こんな病院ばかりの世の中で、勿忘草は胸を打つ、エゾムラサキが目に浮かぶ。 ラストの谷崎先生の行動もグッとくる。次神様のカルテだね
Posted by
看護師の美琴と新人研修医の桂は地方の病院で日本の医療の現実と向き合う。 夏川さんといえば地域医療、という印象があるくらいですが、こちらも「神様のカルテ」と同じく疲弊する地域医療の現場と現実を描いたお話です。テーマはより深刻になりつつある高齢者医療について。増えゆく高齢者の患者を...
看護師の美琴と新人研修医の桂は地方の病院で日本の医療の現実と向き合う。 夏川さんといえば地域医療、という印象があるくらいですが、こちらも「神様のカルテ」と同じく疲弊する地域医療の現場と現実を描いたお話です。テーマはより深刻になりつつある高齢者医療について。増えゆく高齢者の患者をどう支えるのか、どこで線引きするのか、難しい問題を直球で突きつけてくるのは夏川さんの特徴でもあると思います。けっこう暗澹とするこれらの問題を論うだけではなく、その場で力なき個人として何ができるのか、エピソードの最後の一滴に救いを残すところがストーリーテーラーとしての夏川さんの真骨頂なのかな、と感じます。そして花を巧みに絡めてくる構成もステキでした。 ワスレナグサは家の近くにもたくさん咲きますが、たいていは移入種の花とされています。幼少の頃、登山に連れて行かれて母から教えてもらったワスレナグサは僕にとっても特別な花で大好き。しかしこれって種名じゃなくてムラサキ科の花の総称なんでしょうか。しっかり調べてみないと。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
結構デリケートな、それでいてこの現代、巷に溢れているだろう、誰もがいつか、どういう立場でか直面するだろうな出来事。 生きているってどういう状態を言うのがいいのだろう、と読み進めながら考えていた。 その少し重めなテーマでも、あたたかくさらっとした心持ちで読めるのは間違いなくメイン二人のお陰だろう。この二人の関係性にも大注目だった。個人的にはプロローグとエピローグの対比でグッと来てしまった。 面白かったです。
Posted by
日本の医療の現実を医師と看護師さんからの視点で描かれています。 読みやすく、けして暗くなりすぎずに物語は進みます。 老人医療とは何か。 自分はその時どうしたいのか。 色々と考えさせられました。 誰しもがおそらく考える事を小説を通して知れるので読めて良かったです。
Posted by
地方病院の医療現場のお話の中で 老人医療についてとても考えさせられるお話でした。 研修医一年目の桂先生やしっかりものの看護師 美琴が、日々の老人医療に携わる中で 生きるとは何か 治療とは何かと日々格闘しながら患者さんやその家族と関わっていきます。 桂先生の指導医である三島先生の...
地方病院の医療現場のお話の中で 老人医療についてとても考えさせられるお話でした。 研修医一年目の桂先生やしっかりものの看護師 美琴が、日々の老人医療に携わる中で 生きるとは何か 治療とは何かと日々格闘しながら患者さんやその家族と関わっていきます。 桂先生の指導医である三島先生の言葉が心に 残っています。 大量の高齢者たちをいかに生かすのではなく、いかに死なせるのかというのが現代医療の問題点だ。 いかに看取るか…本当に難しい問題だと思います。 医学の進歩により、治る見込みのない患者さんを胃瘻や酸素吸入などで ただ生かしておくことも可能な世の中で 長生きとは、 と現場の先生方や看護師さんたちの葛藤を 感じました。 合間の桂先生と美琴の爽やかなラブも とても可愛かったです。
Posted by