現代思想入門 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
現代は複雑な時代だ。確かに昔に比べて豊かにはなったけれどなにか不幸せを感じる。その原因を考える上で、一つの考え方として現代思想は有効だと感じる。物事は複雑に絡み合っている。現代の背景には、政治や歴史、宗教観、人間関係含め複雑な絡みがある。そのなかで人間とは何かを改めて考えてみることが重要ではないだろうか。 個人的に記事を書いたので見てくれると嬉しい https://note.com/arue_r_/n/na2a1ae8aac61
Posted by
デリダ/ドゥルーズ/フーコーについて比較対照的な入門的記述を披露した後、さらっと「カントOS」(p. 131)の話を挟み、ニーチェ/フロイト/マルクスの紹介をしてからガツンと「カントOS改としてのラカン(および否定神学批判)」(p. 158)の話を置いたところが本領という風に読め...
デリダ/ドゥルーズ/フーコーについて比較対照的な入門的記述を披露した後、さらっと「カントOS」(p. 131)の話を挟み、ニーチェ/フロイト/マルクスの紹介をしてからガツンと「カントOS改としてのラカン(および否定神学批判)」(p. 158)の話を置いたところが本領という風に読めた。ラカンをあくまで精神分析的思想家としか理解できていなかったところから、(特に本書のメインとして据えられたデリダ/ドゥルーズと比較される中で)急速に立ち上がるものがあった。自分が食わず嫌いをしていたラカンが、現代思想の読解に欠けていたピースだったかもしれない。読んで良かった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本当の始まりや本当の終わりはない ここから本格的に書き始めたぞ、という始まりをちゃんと設定しなければならないという規範意識を捨てる。 絶対的な安心・安全はありえない 諸々よ問題は必ずしもひとつにつながらない、複数的 不完全な読書であっても読書である
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
現代思想、というよりは現代フランス思想である。ことを念頭に置いておくといい。 そんな野暮なツッコミは傍に置いておくとして、 デリダ、フーコー、ラカンといった文学界と哲学界に大きな影響を与えた人物を「脱構築」というワード(これ自体はラカン)を使って繋げたことが大きい。 特に誰が好きだったかというと、フーコーかな。社会からの逸脱、狂気の歴史など、ああ、社会にもおかしいところはあったし、それはこれからもあるのだなと。しかし、例えば同性愛者は認められるべきだとして、性犯罪者は認められるべきではない。狂気は狂気までしか認められず凶行はおかしい、というような秩序もまた必要だ。 それから著者は、デリダは「読むってこういうことですよね?」と読むことに対してのレベルが高いと言っていたが、これは自分の視点が新しく追加されたなと思う。「脱構築」したいときに読みたい一冊であり、多様性と言われるときに参照したい一冊。
Posted by
哲学ジャンルの本はたまに読むのだが、フランス現代思想は学生時代から本を手に取ってはほぼ毎回積読になっていた。が、今回はスムーズに読破できた。それだけ読みやすかったということだと思う。 冒頭で著者はこう述べる。 「現代思想は、秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの...
哲学ジャンルの本はたまに読むのだが、フランス現代思想は学生時代から本を手に取ってはほぼ毎回積読になっていた。が、今回はスムーズに読破できた。それだけ読みやすかったということだと思う。 冒頭で著者はこう述べる。 「現代思想は、秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの、すなわち「差異」に注目する。それが今、人生の多様性を守るために必要だと思うのです。」 ここで、特に後者の部分に共感したのが大きいのだろう。 脱構築を代表的な3人を通じて、デリダーー概念の脱構築、ドゥルーズーー存在の脱構築、フーコーーー社会の脱構築としたのもわかりすかった。個人的にも、近代西洋の中核をなす弁証法のトーナメント戦を勝ち抜いたやつが偉い、といった感覚に違和感を感じていたのでよかった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
途中までは理解できたけれども 第6章 あたりからよく分からなくなった。他の人の感想を見ると同じような人も多かったので安心した。 入門 と書いてあるけれども 初心者では全ては理解できないと思う。 けれども決して 入門書 ではないというわけではなくて、この本を読むことで、 次のステップの本が読みやすくなるという意味では素晴らしい入門書だと思う。 各パートにおける次のステップの本を紹介してくれているのもありがたい。 そして、この本が入門書としておすすめなのが、一度読んだだけで全てを理解しようとしなくていいことや初学者が最初にぶつかるであろう壁は決して能力が低いから出現する壁ではなく、誰にでも発生しうる壁であることを教えてくれる点、理解が難しいと思っているところについては 著者が ここは難しいですよね と共感してくれる点であると思う。 他に学んだ点としては、哲学書 の 読み方は人それぞれで、研究者によって解釈が異なるということである。 つまり、私たちがデリダ や ドゥルーズなどの考えを100% 理解する必要はなく、(これもまた難しいが、)私達なりの解釈を得ることができれば良いのだということである。 これは初学者にとって大きな励みになる考え方で、私はこの本を読むまで、いかに哲学者の考えを正しく理解するかが大事で、それはすごく難しいことだと思っていてなかなか手をつけられない 分野だったのだが、この考え方を知って、今後もこの分野の本を読んでみようという気になった。 著者の西洋哲学を学ぼうとした最初の動機が、何かかっこよさそうだったからというのは、私も同じだったので、皆そうなのかと安心した。
Posted by
難しい内容も丁寧に説明してくれて、現在思想をほんの少し理解できたかなと思わせてくれる本だった。 もっと色々なことを学びたくなった。
Posted by
二項対立の劣っている方を支持して同等と評価されるような論理を組み立てるのは難しそう。でもマイノリティを排除して画一的な世界は楽しくなさそう。現代思想を知ることの重要さを知った。 パノプティコンの例や、インターネットの発展によって自由に発信できるかと思いきや監視社会になってしまっ...
二項対立の劣っている方を支持して同等と評価されるような論理を組み立てるのは難しそう。でもマイノリティを排除して画一的な世界は楽しくなさそう。現代思想を知ることの重要さを知った。 パノプティコンの例や、インターネットの発展によって自由に発信できるかと思いきや監視社会になってしまった、という話は読んでてなるほど、となった。 難しくて、全部は読めなかった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
というわけで、人生は変わらなかったが現代思想特にフランス現代思想を体系的に学ぶことが出来た。 差異の哲学や世界とは無限的でたどり着くことができないものだから、自分の有限の範囲で出来ることをしようと論じるのが哲学→啓発へ移っている感じがした。(脱構築化をしています、悪しからず)
Posted by
構造主義から現代思想へ 物事を二項対立(これは良いものあれは悪いもの)として認識するでなく双方に良い、悪い要素が含まれている。物事を単純化せず複雑なまま自分に落とし込む事は難しいし疲れるけれど、様々な問題に簡単な結論を出すでなく、慎重に事を決めて行く必要があると考えされられまし...
構造主義から現代思想へ 物事を二項対立(これは良いものあれは悪いもの)として認識するでなく双方に良い、悪い要素が含まれている。物事を単純化せず複雑なまま自分に落とし込む事は難しいし疲れるけれど、様々な問題に簡単な結論を出すでなく、慎重に事を決めて行く必要があると考えされられました。
Posted by