現代思想入門 の商品レビュー
この本を読んで、現代思想の歴史的な流れや背景を学ぶことはできたが、実践的な面ではあまり役に立たないように思う。(もちろんそれはそうだが)。 例えば、グラフ理論的な神経回路をイメージすると、複雑な相互関係を持つシステムを単純な二項対立で捉えるのは不適切だとわかるが、本書はその説明を...
この本を読んで、現代思想の歴史的な流れや背景を学ぶことはできたが、実践的な面ではあまり役に立たないように思う。(もちろんそれはそうだが)。 例えば、グラフ理論的な神経回路をイメージすると、複雑な相互関係を持つシステムを単純な二項対立で捉えるのは不適切だとわかるが、本書はその説明を文系的にしているに過ぎないように思え(これは6割くらい読んで思ってただけで要素としては3つくらい)、それ以上の示唆を与えてくれるわけではない。(当然、日常生活に取り込むための本ではないだろうが(2)) また、随所で「この本を読めば分かる」といった参考文献が挙げられるものの、それらを逐一読んでいくわけは当然なく、そこに分量を割くためスカスカの感じが漂う。引用も含めてそうだ。後の説明以外忘れてしまうに違いないから。加えて、物理学の枠組みを援用して現実に落とし込もうとする姿勢にはやはり違和感を覚える(無限回言っている)。スピリチュアルな話を冷笑しているものの、その態度自体がスピリチュアルなものと大差ないように思え(これはただ、量子もつれの話だけなのでここまでいう必要はない)、結局のところ著者の主観的な考えを読んだだけのような印象が残った。そして、本書を思い返すとしても、結局筆者の「お気持ち」以外思い返せないだろう。残念! やはり、哲学は謎の学問としか思えない。論証という概念がないから適当でしかないし、章で語られる新規性の文脈からも学問体系自体に反吐が出てしまう。正直。
Posted by
うおおお、難しかった。でも8箇所くらいピンとくる部分もあった。常識を疑う、排除されているものに目を向ける、正直哲学ってボーッと生きてんなよって言われてる気がする時がある。笑持ってる知性を活かせよって言われてる気がしました。人生が変わるとは思わない。これを面白い、、って言ってた本屋...
うおおお、難しかった。でも8箇所くらいピンとくる部分もあった。常識を疑う、排除されているものに目を向ける、正直哲学ってボーッと生きてんなよって言われてる気がする時がある。笑持ってる知性を活かせよって言われてる気がしました。人生が変わるとは思わない。これを面白い、、って言ってた本屋の人すげぇー。
Posted by
一部難しかったが、現代思想とその前後で活躍した哲学者たちの考えについて概観を知ることができた。特に個人的にはフーコー回が面白く、パノプティコンについて、規律訓練と生政治について、古代の「反省」と近代の「個人」成立について、フーコーの考えに基づくLGBTQ支持の姿勢について、など良...
一部難しかったが、現代思想とその前後で活躍した哲学者たちの考えについて概観を知ることができた。特に個人的にはフーコー回が面白く、パノプティコンについて、規律訓練と生政治について、古代の「反省」と近代の「個人」成立について、フーコーの考えに基づくLGBTQ支持の姿勢について、など良い話を読むことができた。フーコーについて別の本を読んでみよう、と私が思ったように、この著書を読むとお気に入りの哲学者や考え方に出会うことができるはずです。
Posted by
現代の哲学者を中心に哲学思想の流れと位置づけをわかりやすく、かつ深い解説によって説明する書。二項対立の脱構築における現代への適用には著者独自の思想が滲み出る。
Posted by
面白くて一気に2回読んでしまった。 それでも薄ら理解でしかないけれど。 塩梅、バランス、グラデーション、中庸みたいな事を哲学者が難しく言ってんだろうなぁと思いながら読んだ。 そのくらい、いい加減な私の理解。 私は、哲学者が言っている事を全て真に受けて、盲信しないようにしてい...
面白くて一気に2回読んでしまった。 それでも薄ら理解でしかないけれど。 塩梅、バランス、グラデーション、中庸みたいな事を哲学者が難しく言ってんだろうなぁと思いながら読んだ。 そのくらい、いい加減な私の理解。 私は、哲学者が言っている事を全て真に受けて、盲信しないようにしている。でも、哲学者の言ってることは、面白い。 こんなこと考えてる人がいるんやなぁ。同じ人間とは思えんなぁ。こんなことばっかり考え楽しいのか?大丈夫か、この哲学者? なんて、たまに上から目線で読んでみたりなんかして。 それでも、哲学は、自分の思考の薄っぺらさに気づく事ができて、学びが多い。 デリダの本を読み解く事ができるのなら、面白そうだけど、まぁ、そうとうレベル高いに違いない。 「盗んだバイクで走り出す〜」 私が若い頃は、それを歌ってカッコいい時代だった。 私の子供にいたっては「その歌、知らん。悪い奴やね」となっている。 時代の雰囲気って、構造主義につながってるんだろうな。 著者の現代が現代じゃなくなっていく感覚に共感する。
Posted by
他者が自分の管理欲望を攪乱することに、むしろ人は安らぎを見出す。……すべてを管理しようとすればするほど、わずかな逸脱可能性が気になって不安に駆られるのです。 構造とは、おおよそ「パターン」と同じ意味だと思ってください。 パロールvsエクリチュール(声vs書かれたもの)p48 ...
他者が自分の管理欲望を攪乱することに、むしろ人は安らぎを見出す。……すべてを管理しようとすればするほど、わずかな逸脱可能性が気になって不安に駆られるのです。 構造とは、おおよそ「パターン」と同じ意味だと思ってください。 パロールvsエクリチュール(声vs書かれたもの)p48 自分が偽物になる。つまり、自分がエクリチュールになる…… パルマコン……薬でも毒でもあるもの フーコー 「支配されることを積極的に望んでしまう」ような構造がある 支配-被支配の関係もまた応答性の原理がある。 生政治と規律訓練 前者はルールで、後者はマナーといったような…… パノプティコンの構造……他者の視線の内在化が「個人的な心の発生」?p97 個人は自己監視の結果として生まれた……ピンとこないです。 「個人」というあり方は、歴史のなかでつくられた結果……p102(現実は言語によって形作られていると。) ディオニュソス的なもの=無意識 思考(表象)と現実(事物)がズレているかも、という疑問は現代人にとっては当たり前ではないでしょうか。昔はそのズレがなかったのです。p133 搾取されていても快適であるために、みずから進んで工夫をしているのではないか、ということです。p138 ラカン 自由に流動する認知エネルギーのことを、精神分析では、本能と区別して「欲動」と呼びます。 欲動のレベルで成立するすべての対象との接続を、精神分析では「倒錯」と呼びます。p152 理想的な状態から弾き出されることを「疎外」と言います。 死の偶然性と隣り合わせであるような快を、ラカンは「享楽」と呼びました。 快/不快に邪魔が入ること……「去勢」 これを手に入れなければと思うような特別な対象や社会的地位などのことをラカンの用語で「対象a」と言います。 「想像界」イメージ 「象徴界」言語 「現実界」イデア界 「鏡像段階」鏡による自己イメージの生成 自己イメージはつねに外から与えられる。……自己イメージとは他者なのです。(自己とはイメージ、言語の外側にいるのか?) 人間は言語習得との関係で世界を分節化し直すという「第二の自然」を作り出さなければ、そのなかで目的的な行動をすることができないのです。p161 人は規律訓練を求める。なぜか。認知エネルギーが溢れてどうしたらいいかわからない ような状態は不快であって、そこに制約をかけて自分を安定させることに快があるからで す。しかし一方では、ルールから外れてエネルギーを爆発させたいときもある。p167 サントーム……その人だけが持つ「特異性としての症状」 断片的に知識は集められるが、全体像はあまり見えてこない……かな? アドホック
Posted by
人生における考え方の基礎を築くことができた。哲学を生活に実装する上での下準備という感覚。後半は少し難しく感じる箇所もあったが、本書の終盤にて「本は一度で完璧に理解する必要はないしできるはずもない」という趣旨のことが書かれていて救われた。 内容もさることながら、千葉さんの軽快な文章...
人生における考え方の基礎を築くことができた。哲学を生活に実装する上での下準備という感覚。後半は少し難しく感じる箇所もあったが、本書の終盤にて「本は一度で完璧に理解する必要はないしできるはずもない」という趣旨のことが書かれていて救われた。 内容もさることながら、千葉さんの軽快な文章が実に心地よかった。
Posted by
この本が新書大賞グランプリだった事実に、希望を持たざるを得ない。作中で著者はフーコーの難解な本がフランスのベストセラーだったことをすごいと伝えているが、令和の日本だってまだ捨てたもんじゃない。 これは現代思想の入門書なのだ。入門書とはいえ難解な表現が出てくる。しかし、なんだ、読...
この本が新書大賞グランプリだった事実に、希望を持たざるを得ない。作中で著者はフーコーの難解な本がフランスのベストセラーだったことをすごいと伝えているが、令和の日本だってまだ捨てたもんじゃない。 これは現代思想の入門書なのだ。入門書とはいえ難解な表現が出てくる。しかし、なんだ、読みやすい。というか平気ですっ飛ばせる。そして平気ですっ飛ばして読んで良いのだ、読書とは不完全なのだとラストに持ってきてくれるから心が救われる。 白か黒かのような二項対立がはびこるSNS。 カラーだって透明だっていいじゃない。 「こうでなきゃいけない」にしばられなくていいと、こんなに遠回しに説得力をもって伝えてくれる本はなかなかない。そして、「こうでなきゃいけない」を外れて生きる道が苦しい理由も伝えてくれる。 難解なものも、本質じゃないものも、みんなみんな大事なんだよね。
Posted by
これを読めば現代思想が分かるなどということはもちろんないのだけど、読んでみたいな、なんとなくこんなことを議論してるんだなというところに触れられる本。特に付録のところから読むといいと思います。いろんな大学の教養言論や、高校の倫理の授業で持ちいると良さそう。 まさに著者の狙いがきちん...
これを読めば現代思想が分かるなどということはもちろんないのだけど、読んでみたいな、なんとなくこんなことを議論してるんだなというところに触れられる本。特に付録のところから読むといいと思います。いろんな大学の教養言論や、高校の倫理の授業で持ちいると良さそう。 まさに著者の狙いがきちんとしている本。
Posted by
哲学を学ぶ意味は、自分や他人の人生を良くするとこだと思っており、現代にあてはめた事例を紹介してくれるところが良いです。日常で、二頂対立に気づくことが出来るようになりました。
Posted by