現代思想入門 の商品レビュー
現代思想は難しそうだからなと手に取るのを辞めていた自分にとってはこれしかないというような入門書だった。とにかく、わかりやすい。難しい概念もあるけれど、付録で書かれているように読書は不完全で良いというのが凄く良い。理解できなくても後で理解できる時が来るかもしれないし、繋がってくるこ...
現代思想は難しそうだからなと手に取るのを辞めていた自分にとってはこれしかないというような入門書だった。とにかく、わかりやすい。難しい概念もあるけれど、付録で書かれているように読書は不完全で良いというのが凄く良い。理解できなくても後で理解できる時が来るかもしれないし、繋がってくることがあるかもしれない。また、再度読み返すことで理解できるかもしれない。本の全て、思想の全てを理解する必要性とそれに伴うハードルを下げてくれる。 ☑️二項対立で捉えない美学、偶然性、同一性は仮固定的、あらゆる事物は異なる状態に「なる」途中である
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・一回通読。脱構築、リゾーム、パノプティコン等の断片的な理解を、思想史的な背景に基づく解説を通じて、立体的に捉える手掛りを与えてくれる ・有限性の、思想史における変遷に対して、複数性を通じた偶然性の発見が、現代の方向付けの一つであると理解した。否定神学批判、有限的喜劇、思弁的実在...
・一回通読。脱構築、リゾーム、パノプティコン等の断片的な理解を、思想史的な背景に基づく解説を通じて、立体的に捉える手掛りを与えてくれる ・有限性の、思想史における変遷に対して、複数性を通じた偶然性の発見が、現代の方向付けの一つであると理解した。否定神学批判、有限的喜劇、思弁的実在論、非哲学 ・カントやラカンが表立てされてたけど、個人的にはヒュームやスピノザ、ルーマンやギデンズが想起される場面もあったのが面白かった
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※このレビューにはネタバレを含みます
哲学の網羅的な本を読んでるので、ついでに入門書も並行して読み解像度をあげようと購入 全部理解出来てるとは思わないけどわかりやすかった ただ特に自分が考えてることに直接関わっている訳でもないと、哲学ってあまり興味がそそられず右から左の情報処理でしかないんだな でも精神分析は面白かった 自分は改めて、特別関心を持っている話題以外は、論理は興味がなくて、仮定や空想の画期的な社会や人間の心理の探求が好きなんだと確認した 第1章では脱構築主義 デリダの二項対立からの脱構築 善悪(プラスマイナス)の二項対立からの離脱 ドゥルーズの存在からの脱構築 プラスマイナスでは無い根のように張り巡らされる全ての相関関係というリゾーム フーコーの社会からの脱構築 上から下への支配ではなく人間が自由から逃亡することにより自ら権力を求めに行く下から上への支配を提起することにより二項対立に新たな視点を投げる 第2章では現代思想の源流 ニーチェ 理性と非理性的なものとの拮抗に価値があるとの脱構築的思想 アリストテレスの質量と形相は形相が質量を支配していたのに対してニーチェはここで言う質量の側からの反乱を示した フロイト 精神分析で、ニーチェでいう非理性的なものを無意識や本能として示す 人間のクセである物語化を行うことによって固定されたトラウマを源流に遡って解体する自由連想法 マルクス 剰余価値の搾取構造で社会の偶然性による不平等を提起する 3人に共通するのは構造主義や近代的な理性を批判あるいは非理性的なものの肯定を行ったこと それが後年のドゥルーズ デリダ フーコーの脱構築主義の源流になっているらしい 3章では現代思想の前提になっている精神分析 ラカン 人間は動物とは違い本能やから発する欲動とそれを達成する手段が多様。 人間は生まれ母により最初は満たされていたが、そこで母が徐々に自分から離れていくことにより"偶然性"という快との離別を経験する、これが安心としての快ではなく死の恐怖とそれからの解放という快に値する(フロイトと通ずる) 最初の母が与えてくれた安心的快楽(対象a)を求めて人は生き、期待と獲得と失望を永遠と繰り返していく。 想像界(イメージ)、象徴界(言語)、現実界(認識の外)というレイヤーに分けて捉える認識論的な話 現実界は産まれたてのなんの文節化や社会からの鏡像による自己形成も行われてない無秩序の状態が最も近しい。二つの意味で人間は対象aたる乳児期の現実界のタナトス的快楽の獲得を目指す この後急に難しくなってわからなくなった
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アマゾンaudibleで聞き出して全然聞くだけでも理解できていたのだが、専門用語や人物名が度々確認する必要が出て、結局新書も買ってしまった。語りかけるような文体がとても頭に入ってくるのでオーディブル向きでもある。
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難解な文章を平易にしつつも誤解の無いように読者へと伝える筆者の凄みが際立った文章であると感じた。そこに、第六章「現代思想のつくり方」で説明されたような、今まで排除されていた他者性=「現代思想を平易な言葉で一回書いてしまう」ことを超越論化した姿勢を感じ、本書は「現代思想の入門書」...
難解な文章を平易にしつつも誤解の無いように読者へと伝える筆者の凄みが際立った文章であると感じた。そこに、第六章「現代思想のつくり方」で説明されたような、今まで排除されていた他者性=「現代思想を平易な言葉で一回書いてしまう」ことを超越論化した姿勢を感じ、本書は「現代思想の入門書」としてだけでなく一種の「現代思想書」的な要素も含んでいるのではないかと感じた。 また筆者は第7章で、メイヤスー(ポスト・ポスト構造主義)の近代的有限性の後で見られる新たな無限性と、フーコー(ポスト構造主義)の「古代人」に見られる有限性を掛け合わせ、現代での新たな有限性(問題をダマで見ずに、一つ一つ対処する)を提示している。この主張内容は、「何でも繋がっているから結局全部やらなきゃ」となりがちな現代人、特に私に、「それでいいんだ」と思わせてくれるような新鮮な主張で、感銘を受けた。
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哲学前提知識無しでトライしてみましたが、理解できる瞬間がありました。それでもほぼほぼ咀嚼できていません。 一通り流し読みして付録部分を読んでください。 その上でもう一周すると受け取り方が変わりそうです。
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【感想要約】 複雑な現実を単純化せず捉える視点に強く共感し、自身の歴史学的関心とも通じると感じた。入門書としての整理の巧みさにも感銘を受けた。今後は批判的議論も含めより現代思想への理解を深めたい。 【内容】 近代哲学(理性・主体・普遍的真理を重視する思考枠組み)に対する批判的再...
【感想要約】 複雑な現実を単純化せず捉える視点に強く共感し、自身の歴史学的関心とも通じると感じた。入門書としての整理の巧みさにも感銘を受けた。今後は批判的議論も含めより現代思想への理解を深めたい。 【内容】 近代哲学(理性・主体・普遍的真理を重視する思考枠組み)に対する批判的再検討として20世紀にフランスで発展した「現代思想」を、デリダ、ドゥルーズ、フーコーの思想を中心に解説する。その後現代思想誕生の理論的基盤となったニーチェ、フロイト、マルクスの思想を紹介し、その後精神分析を言語構造の観点から再解釈したラカンの思想やポスト現代思想の動向についても解説する。主要な3人の思想は以下の通り整理される。 1.デリダは、言語や概念が固定的意味を持つという前提を批判し、意味が差異の連鎖の中で絶えず遅延し続けることを示すことで、二項対立的思考の不安定さを明らかにした(構造の脱構築)。 2.ドゥルーズは、同一性や体系性を基準とする存在理解を退け、差異や生成変化そのものを肯定する存在論を提示し、既存の秩序から逸脱する創造的運動を「逃走線」として捉えた(存在の脱構築)。 3.フーコーは、知識と権力が相互に結びつきながら主体や社会制度を形成する過程を分析し、近代社会が人間をどのように「作り上げてきたか」を歴史的に明らかにした(社会の脱構築)。 上述の思想に共通する現代思想の根幹は、絶対的な「真理」や「本質」の存在を疑い、「世の中には単純化したら台無しになってしまうリアリティがあり、それを尊重する必要がある」という価値観である。 【感想】 「この世界の複雑さをありのままに受け入れることが重要」という私の以前からの個人的信条を、より膨らませ精緻化した上で言語化してくれた様な思いがあり、大変納得性のある内容だった(この歳まで現代思想を知らずにいたことが不勉強であり恥ずかしいことだが…)。今思えば、歴史学における単純化された従来説から脱却しより複雑な過程をありのままに受け入れることで新説を発見する取り組みは、現代思想的なアプローチに由来するものである様に思われた。 本書が私にとって非常にすんなりと受け入れられたのは、もちろんその内容への共感もあるが、本書が入門書として優れていることにもあると思う。このように過度に単純化せずにエッセンスを吸い上げ再構成するには、これらの思想への深い理解と初学者目線の理解が不可欠である。この難題を見事に一冊に仕上げた著者には脱帽するばかりである。 本書の意図は入門にあるため、興味を持った私としてはこれを機に現代思想への理解を深めるため読書を深めたいと思った。一方で私としては納得性のあった現代思想の脱構造主義だが、世間を見ると反発する意見も多くあるように思われたため、そのような意見も読んでみたいと思った。
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前半は読みやすかったのだが、後半に向けて追いつけなくなってきた。ただ、付録の言葉にある「読書は全て不完全」、で良いのかも、と思った。時折り、読み返してみたい。
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店頭で比較的読みやすそうだなと思い購入。 まさか、センスの哲学の千葉雅也さんの著書とは知らず。 以下学習メモ [導入] ・ポスト構造主義は1960年代のフランスで流行った構造主義のあとの思想。構造主義は物事を枠として捉える(コンテンツのストーリーを大局的にみる)ことに対して、そこの根底にある二項対立の枠を一旦留保する(=脱構築)ことが構造主義に対抗する考え方。 →二項対立は暗にどちらかが優れているというポジショントークに近い部分があるが、自然⇔文化のように物事のコンテクストで評価が変わるものもあるから、一概に白黒つけなくていいんじゃない?ということ。秩序への逸脱でもあり、それはモダニズムとも通じる。 ✅白黒ハッキリしないことへの美学 [デリダ] 話し言葉(パロール)と書き言葉(エクリチュール)の対比 ・エクリチュールは仮固定的なもので、コンテクストで捉え方が変わる、パロールは一義的。そしてパロールが直接的、エクリチュールは間接的。 [ドゥルーズ] 差異とは比較対象であるA,Bがそれぞれの同一性の距離を指すと思われるが、彼は凝り固まった同一性がA,Bにあるのではなく、互いに軸を持って左右に揺れ動いている(仮固定的、準安定状態)と説いた。 →人の心も軸はあるが、その時々で感受が異なるのも、この揺れ動く同一性と同じ考えでは? ✅人の同一性は揺れ動くものであり、あまり「私は〜というもの」と自身の同一性について定義しすぎないことが大事。 [フーコー] 脱構築の思想を社会に適用。支配者と非支配者の関係は一見支配者優位に見えるが実際は下の権力者が上のものを支えるという循環構造があるて指摘。 社会のカテゴライズには二項対立的な考えが潜み、その時マジョリティな優位者によって劣位者を定義している。 →むかしは「変な子」だったものが、発達障害というラベルを貼られ、マイノリティとして枠付けされたこととか。元々の曖昧な秩序機構でも良かったのでは?という指摘
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硬派で厳かで格式高い文章ではなく、フラットで温和でフランクな文章。読者への向き合い方、難解な内容を平易に読みやすく下ろすという姿勢が良かった。あとがきにある著者の思いを読み、内容の広範さ、重厚さ、軽妙さに納得した。
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