燕は戻ってこない の商品レビュー
凄い本だった。家族って何?血筋?DNA?同居?戸籍?似てる、似てない? 全てを取り払ってもう一度考えさせられる。 リキは危なっかしいと思ってたけど、どんどん自分の考えを言えるようになって、母として強くなった
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いまだにコンスタントに面白い小説を書けるのが本当にすごい。ここしばらく彼女の新作を出来るだけ読むようにしていますが、毎回期待を裏切らない尖りと、物語としての面白さが同居していて本当に素晴らしい。 「代理母」というものを考えた事も有りませんでしたが、当然色々な条件次第ではあり得る話...
いまだにコンスタントに面白い小説を書けるのが本当にすごい。ここしばらく彼女の新作を出来るだけ読むようにしていますが、毎回期待を裏切らない尖りと、物語としての面白さが同居していて本当に素晴らしい。 「代理母」というものを考えた事も有りませんでしたが、当然色々な条件次第ではあり得る話だなと思っていましたが、娘が子供を産んでその接し方を見ていて思うのは、「代理母」割り切ったところで、産んだ子供をどうしても手放せなくなる事って、十分にあり得ることなんじゃないかな。と。 その経験を踏まえて読んだのでより考えさせられました。 結末も含めてとても記憶に残る作品となりました。
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ちょっとしつこかったかな~ 同じような内容のことが何度も繰り返しでてきて ちょっと胃もたれ。 でもラストは好き。
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❇︎ 初の桐野夏生さん。 『OUT』を読んでいないので25年前の物語で 描かれた困窮と『燕は戻ってこない』の中の 主人公を比較できないのですが、非正規雇用や 奨学金返済の苦労は、サービスが多様化して 物が豊かになった今の方が、数も重さも増した のではないかという印象があります。...
❇︎ 初の桐野夏生さん。 『OUT』を読んでいないので25年前の物語で 描かれた困窮と『燕は戻ってこない』の中の 主人公を比較できないのですが、非正規雇用や 奨学金返済の苦労は、サービスが多様化して 物が豊かになった今の方が、数も重さも増した のではないかという印象があります。 (そういう事に注意が向く年齢になって 小説を読んでいるからかも知れませんが……) お金がない、だから何もかも嫌になって 現実逃避から代理母として子宮と卵子を 提供してお金を得る主人公。 その対極にいる依頼側の草桶基・悠子夫婦、 そして悠子の友人りりこに代表される富裕層。 持つ者と持たざる者の環境に応じた悩みや苦労。 それは別階層で暮らす人間にとっては百歩譲って、 仮に想像ができたととしても、共感は無理だろう と考えて息苦しくなりました。 何が正解か分かりませんが、主人公のリキが 選択していく場面で場当たり的に思える判断や 衝動的な行動を起こすところが人間らしくもあり 腹立たしい。 共感する部分と受け入れられない部分が ミックスされて、混乱ともやもや感が 澱のように溜まりました。
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主人公リキは29歳、女性、独身、地方出身、非正規労働者。北海道での介護職を辞め憧れの東京で病院事務の仕事に就くが、日々の生活もままならない。そんなリキが「代理母」になることで今の生活から抜け出そうとする…。一方、裕福なバレーダンサーの夫と妻は子宝に恵まれず、どうしても自らのDNA...
主人公リキは29歳、女性、独身、地方出身、非正規労働者。北海道での介護職を辞め憧れの東京で病院事務の仕事に就くが、日々の生活もままならない。そんなリキが「代理母」になることで今の生活から抜け出そうとする…。一方、裕福なバレーダンサーの夫と妻は子宝に恵まれず、どうしても自らのDNAを受け継ぐ子を求めたいという。主人公や依頼人夫婦の身勝手で無節操さがリアルに描かれる。「代理母」は貧困女性からの搾取なのか?やがてリキは出産。果たして生まれる子供の行方は…。
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代理母というテーマで現代の貧困を描く。さすがは桐野さんです。どうやって若者の会話を手に入れるんですか。やはり透明人間なのですか。それとも「心の相談室」みたいなのをやっているんですか。と質問したくなるほど、リアル。 これを読んで「ちょっと待てよ」と思ってくれる人が少しでも増えてくれればと思います。このケースはいたって恵まれたパターンだからね、と断ったうえで。
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"かつての自分もそうだった。結婚していて子供のいる女は、どこか上から目線で私たち独身女を見ているものだ、という憤懣があった。しかし、今はむしろ、女の人生の完成が結婚によるものだと、世間がそう仕向けていたのだとわかる。独身女も人妻も未亡人も、男が中心となった位置付けなのだ...
"かつての自分もそうだった。結婚していて子供のいる女は、どこか上から目線で私たち独身女を見ているものだ、という憤懣があった。しかし、今はむしろ、女の人生の完成が結婚によるものだと、世間がそう仕向けていたのだとわかる。独身女も人妻も未亡人も、男が中心となった位置付けなのだった。"(p.210)
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生殖テクノロジーに追いつかないのは、人間の感情と法律だけなのではないか。 以前、子どもをもらう側は全てを手に入れられる、というのを聞いたことがある。お金で得ようとする、まさかにこれのことかぁ、と。
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生殖医療に興味があったので。 しかし、登場人物のだれにも共感できなかった。 なんだか最後まで心の痛い話だった
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女性の貧困や不妊など重いテーマだけど、結末がどうなるのか気になって止められなかった。久しぶりの桐野夏生だったけど、やっぱりすごいなと。
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