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燕は戻ってこない の商品レビュー

3.9

186件のお客様レビュー

  1. 5つ

    42

  2. 4つ

    75

  3. 3つ

    47

  4. 2つ

    8

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2023/01/23

不妊、代理母、人工授精、妊娠、出産。 時期によって揺れ動く気持ち。 周りから見れば、自分勝手と思うが、問題は当事者になってみないとわからないもの。

Posted byブクログ

2023/01/19

桐野節が炸裂しつつグロすぎないちょうど良さ。登場人物たちの心境の変化を赤裸々に描いている。最後呆気ないなと読了しようとしたらラスト1ページで、え、えっ?えーー。その後気になる。

Posted byブクログ

2023/01/14

桐野夏生さんの本、初めて読んだ。 主人公と年齢も近く、感情移入できる。 代理母、代理出産という仕組みの難しさを感じた。

Posted byブクログ

2022/12/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりに読んだ桐野夏生作品。 んん〜〜!やっぱり凄い。 代理母というワードに、ありがちなドラマを連想したけどみごとに裏切られ、引き込まれた。 読みごたえ満点。 貧困、人間関係、環境。 今の暮らしから抜け出したい…リキはその一心から代理母というビジネスを受け入れる選択をする。 その感情、とても共感する。 今の状況を変えるには、目の前に突然現れたチャンスにすがるしかない、と。 思い切って飛びついた決断。 それにより回り出す様々な歯車。 個性豊かな登場人物〜リキを取り巻く人々の反応も面白い。 捨てたはずの故郷に「自分は結婚して成功したのだ」と凱旋すると追いかけて来た「勝手な行動はするな」という代理母依頼主、草桶からのメール。 それに腹を立て、やりたい放題の行動を取ってしまうリキ。 結果、お腹の赤ちゃん〜それも双子!の父親が誰か分からないという展開。 結局、遺伝子検査はせず、誰が父親なのかは分からなかったけど、そのことで「同じ船に乗れた」と草桶基に心を寄せることが出来、復縁して子育てしていこうと決意した悠子。 一番のメデタシメデタシは、リキも草桶ファミリーみたいになって、笑顔の大団円みたいな感じなのかも知れないけれど。 そこはやっぱり、桐野作品。 リキは双子の女の子の方を連れて出て行く。 「女同士で一緒に生きよう。クソみたいな世の中だけど、それでも女はいいよ。女の方が絶対にいい」 ホント、自分もそう思う。

Posted byブクログ

2022/12/29

人はやはり理屈では割り切れない心の動きをするものだ。女性は、妊娠出産という病気ではないのに多大なリスクを冒す必要があるにもかかわらず、未だ、性的搾取の対象で、貧困率も高い。最後に「燕は戻ってこない」ー自由に飛び立って行けるほど、女性は強く、生きていけるはずという一縷の望みを賭けた...

人はやはり理屈では割り切れない心の動きをするものだ。女性は、妊娠出産という病気ではないのに多大なリスクを冒す必要があるにもかかわらず、未だ、性的搾取の対象で、貧困率も高い。最後に「燕は戻ってこない」ー自由に飛び立って行けるほど、女性は強く、生きていけるはずという一縷の望みを賭けた結末。桐野夏生さんは、今回は結末を決めて書いた気がする。何度も出てくる「子どもは誰のもの?」という答えはわからないが、生まれた環境に関わらず、生きて、幸せだと思える人生を送ってほしいと思った。 今回のテーマは、不妊治療、LGBTQ、代理母、若者の貧困、女性蔑視と、相変わらず欲張っていたが、今回は、なさそう、実は現実にあるような人々が淡々と描かれていて、面白く読めた。

Posted byブクログ

2022/12/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

OUTの既読から約5年、主人公の香取雅子の怒りが未だに目に浮かぶ。桐野作品で女性達の怒りの感情表出ふたたび。非正規職員故の生活困窮の無限のループ。さらに男には性処理として利用される主人公・りき。生活費得るため、この不条理な生活から脱却するため子宮を売る。すなわち代理母となる。依頼主夫婦は一端離婚し、りきと籍を入れる。いざ妊娠、出産した時、色んな感情を持つ。依頼人の妻、りきの友人、りきの愛人、りきの母親。日本に根付く男尊女卑の悪しき考えは吐き気がするほど。桐野作品、鬱屈した女性が藻掻く描写は見事でした。⑤↑

Posted byブクログ

2022/12/17

登場する面々、誰も彼もろくでなしっちゃあそうだけど、いや、自分含めてほとんどの誰しもが登場する誰かしらに当てはまるのかも。立場立場で利己主義だし、浅慮だし、でも振れ幅に差はあれヒトはそんなもんか。リキ、基、悠子、それぞれがとった窮余一策はおよそ誤りであきれた所業だろう。それでも揺...

登場する面々、誰も彼もろくでなしっちゃあそうだけど、いや、自分含めてほとんどの誰しもが登場する誰かしらに当てはまるのかも。立場立場で利己主義だし、浅慮だし、でも振れ幅に差はあれヒトはそんなもんか。リキ、基、悠子、それぞれがとった窮余一策はおよそ誤りであきれた所業だろう。それでも揺れて悩んで自欺に陥りながら、最後には微かでも正義を保った。日高は微妙だけど、ダイキは軽薄でも憎めないし、テルは貧乏くじに堪える包容力がある。千味子にりりこ、こういうクールな行司役も必要かな。読後、何やら納得している自分が不思議だ。

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2022/12/17

面白かった。 最後が、そうきたか!の展開。 でもねー、私は千味子に同情しちゃう。 一番近い年齢だから、なのかもしれないけど。 死ぬまで騙してあげてほしい。

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2022/12/13

代理母は安易なのか。 配偶者が不妊なのに自分の血が繋がった子が欲しいと思うのは酷いことなのか。 セックスは繁殖行動なのか、快楽のみを求められるものなのか。 様々な立場の人間模様。 状況が変われば考えも変わる。 考えが変わることは悪いのか。 私は結婚もし、子供もいるが果たし...

代理母は安易なのか。 配偶者が不妊なのに自分の血が繋がった子が欲しいと思うのは酷いことなのか。 セックスは繁殖行動なのか、快楽のみを求められるものなのか。 様々な立場の人間模様。 状況が変われば考えも変わる。 考えが変わることは悪いのか。 私は結婚もし、子供もいるが果たして正解だったのかは分からない。 そんな様々な状況を傍から眺める話でした。 多分結婚も子供もまだな人が読んだら印象が大きく違うだろうから聞いてみたい。

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2022/12/11

ウクライナで代理母がブラックフライデーセール対象になってたまげたが、日本でも子宮移植という、この本でいうところの"夢の世界を他人に負担を強いてまで作る"行為が現実化してきている。自衛隊は三食食べれることをPRしているし、貧困による身体への資本主義化は止められな...

ウクライナで代理母がブラックフライデーセール対象になってたまげたが、日本でも子宮移植という、この本でいうところの"夢の世界を他人に負担を強いてまで作る"行為が現実化してきている。自衛隊は三食食べれることをPRしているし、貧困による身体への資本主義化は止められないのか。 作中にはっきりAセクシャルのキャラクターが出てくるところは◎、役回りも美味しい役でした。

Posted byブクログ