空にピース の商品レビュー
藤岡陽子さんの本は、どれを読んでもどこかで止められない涙が流れる。 これは、まだ若い小学校教員が外国籍の生徒が多く低所得者の多い小学校で奮闘する話。キレて命の危険を感じるほど暴れる子、不登校で食事も食べられずに給食を食べるためにだけ学校にくる子、とてつもなくしっかりした優等生の女...
藤岡陽子さんの本は、どれを読んでもどこかで止められない涙が流れる。 これは、まだ若い小学校教員が外国籍の生徒が多く低所得者の多い小学校で奮闘する話。キレて命の危険を感じるほど暴れる子、不登校で食事も食べられずに給食を食べるためにだけ学校にくる子、とてつもなくしっかりした優等生の女子、それぞれにバックグラウンドがあり、親がいて、教師だけで何とかするのは難しい。保健室の先生の助けを借りながら主人公の先生が奮闘する話です。 藤岡陽子さんの作品を読むと、自分が知らなかった、もしくは、敢えて目を向けてこなかったことを真剣に考える。読んでいる数時間、もうほんとに話の続きが気になって仕方ない。すごいな、小説家って。
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安定の藤岡陽子さんの作品。彼女の文章は漢字とかなの配合率がいいのか、難しい表現を使わないところがいいのか、行間の間隔がいいのか読みやすくってストーリーに入り込みやすいんですが、今回のは問題がてんこ盛りでおまけに、ミステリー仕立ても相まって消化不良おこしてしまいました。 澤木ひか...
安定の藤岡陽子さんの作品。彼女の文章は漢字とかなの配合率がいいのか、難しい表現を使わないところがいいのか、行間の間隔がいいのか読みやすくってストーリーに入り込みやすいんですが、今回のは問題がてんこ盛りでおまけに、ミステリー仕立ても相まって消化不良おこしてしまいました。 澤木ひかりは教師5年目にして問題のある小学校に赴任してきた。はじめて高学年を受け持ったのですが、前任の教師はノイローゼになり休職して引継ぎなしに6年2組の担任を任される。そこに集う児童たちはすごかった。都内でもワースト1位の貧困層が暮らす地区らしく、授業中教室を抜け出してフラッといなくなる子に、日本語の解らないベトナムの子、お腹が空くと給食を食べに来る不登校の子などなど、1人でも大変なのに新任教師には荷の重すぎるクラスでした。 様々な問題が山積みで、貧困に不法滞在、育児放棄に虐待と家庭に問題のある子たちなんですが、問題のなさそうな子供にも抱えている悩みはあって、ひかりは全力で寄り添おうとしている。プライベートの時間も裂いて献身的に寄り添うひかり、わが身に降りかからぬよう無関心を装う先生も多いなか、養護教諭の水野先生の存在はひかりにとって支えになったと思います。 一人でも理解してくれる同僚がいるってことは嬉しいし話を聞いてくれるだけでも半分は軽くなるし前向きになれますよね。 子供たちは親は選べない訳だけど、どの子にもラッキーが巡ってくるといいなって思いました。
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何とも言えない、胸が詰まる話だった。 最底辺に生きる子ども達はいっぱいいると思う。 こういう子ども達を助けなくて、恵まれている子ども達がより恵まれた生活を送ることができるような政策を考えている人たちが信じられない。 教師一人の力では何も出来ない。 またひとりで勝手に動いてはいけな...
何とも言えない、胸が詰まる話だった。 最底辺に生きる子ども達はいっぱいいると思う。 こういう子ども達を助けなくて、恵まれている子ども達がより恵まれた生活を送ることができるような政策を考えている人たちが信じられない。 教師一人の力では何も出来ない。 またひとりで勝手に動いてはいけない。 ひかりの熱意はひしひしと感じる話だったが、こうも独りよがりな行動を取ることはかえって子どもを窮地に追いやることもあるし、上手くいかなかったときどうするの?と言ってやりたい。 熱心なのは分かるし、こういう教師が少なくなっているのも分る。 しかし、本当に助けたいなら色んな機関と連携しなくてはならないと思う。 今は学校の中にも色んな専門家が関わっていている。 養護教諭だけでなく、その辺りも描かれているともう少し現実感がある話になったのではないか、と思ってしまった。 ずっと心を閉ざしていた子どもが、1年も経たないであっさり心は開かないだろう。 しかし、大河や真亜紅のような子どもは身近にいくらでもいると思う。 虐待、ヤングケアラー、外国籍の子ども等々、今の日本が抱える深刻な問題だと思う。 どこまでみんなが知っているのか、そんなことを知り、問題意識を持つきっかけになる話かもしれない。
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ひかりが赴任してきた小学校の6年2組。授業中に教室から出て行ったり、お風呂に何日も入っていない空腹の児童がいても、同僚の教師は当たらず触らず、次の学校への異動を待つだけ。そんな中、悩みながら子どもたちがより良く生きられるよう、精一杯手を差し伸べるひかり。そんな風に関わってくる大人...
ひかりが赴任してきた小学校の6年2組。授業中に教室から出て行ったり、お風呂に何日も入っていない空腹の児童がいても、同僚の教師は当たらず触らず、次の学校への異動を待つだけ。そんな中、悩みながら子どもたちがより良く生きられるよう、精一杯手を差し伸べるひかり。そんな風に関わってくる大人に初めて出会うこども。 この本に出てくるような問題を抱えた子どもたちが実は、多くいるけれど、ひかりのように関わっていける教師はあまりいないと思う。教師の業務は大変だし、自分や家族のケアもあったりするから。 読みやすいけど、とても読み応えがありました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ほんわかした装丁なのに 冒頭からサスペンスなの?と思わせる内容に少したじろぐ。 なかなかに厳しい家庭環境の子供達と、しっかり向き合ってくれる先生のお話。 殺人事件も絡み、いろんな想像がめぐったけど、終わり方はサスペンスではなく、良かった。 後半の真実に迫る部分では泣いてしまった。 環境によって歪んでしまう子供達がなくなりますように と願ってやまない。
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タイトルと表紙からは想像できない、重い話だった。 ロストタウンと呼ばれる水柄地区の小学6年生を担任する教師と、様々な背景を持つ子供たちの話。 小学校の教師が生徒に与える影響の大きさを思い出した。
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自分もこんなにやっていたのかなあと反省しました。前向きに取り組んでいる先生の姿に何か心強さを感じました。
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ハラハラドキドキしたけれど、子供たちに真剣に向き合うひかりの姿はリアルで胸に刺さる場面が多くあった。 子供達が一生懸命生きていて、また、子供達の言動の全てに意味があることが初めから最後までずっと感じさせられて、のめりこめさせられた。 教育現場の過酷さを感じたけれど、人間味あふ...
ハラハラドキドキしたけれど、子供たちに真剣に向き合うひかりの姿はリアルで胸に刺さる場面が多くあった。 子供達が一生懸命生きていて、また、子供達の言動の全てに意味があることが初めから最後までずっと感じさせられて、のめりこめさせられた。 教育現場の過酷さを感じたけれど、人間味あふれる作品。
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ひかりのような先生がいたら救われる子供はたくさんいるだろう。が、先生の心と身体が心配。 まずは先生が本業に打ち込み、心も身体も万全に生徒たちに向き合えるよう、環境を整えることが大切だとあらためて感じた。 それが、子供たちの幸せに繋がる。
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先生の時間外労働が問題視されているいま、こんな風に子供と関わってくれる先生がいたら救われる子もいるのだろうな~と思いながら読みました。 いろいろな事が解決しハッピーエンドになったことはやはり小説のなかですが、こんな先生が増えることを祈ります。
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