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隠居すごろく の商品レビュー

4.6

50件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

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2023/07/26

ご長寿番組のようなずっと眺めていたい安心感。人は年齢関係なく成長できることをその些細な変化の描写で教えてくれていました。最後はこどもの健気さに涙が出ました。続編も楽しみです。

Posted byブクログ

2023/06/01

最初は、困ってる人を見付けてはお祖父さんの所が連れてきて「何とかしてくれ」と自分勝手に話を進める孫と、大人相手に礼儀を知らず失礼ばかりの子ども達に苛々しました。平穏に過ごせるはずの隠居生活をぶち壊されて、不憫でならなかった笑← 困ってる人助けとか子どもと関わる事で、少しずつ徳兵衛...

最初は、困ってる人を見付けてはお祖父さんの所が連れてきて「何とかしてくれ」と自分勝手に話を進める孫と、大人相手に礼儀を知らず失礼ばかりの子ども達に苛々しました。平穏に過ごせるはずの隠居生活をぶち壊されて、不憫でならなかった笑← 困ってる人助けとか子どもと関わる事で、少しずつ徳兵衛の気持ちに変化が生まれて、子ども達との関係性とか子ども自身の成長とか、悪くない隠居生活だったなあと思いました。

Posted byブクログ

2023/05/30

巣鴨の糸問屋の店主・徳兵衛は、隠居生活に入った。 人生を双六にたとえれば隠居は「上がり」のような もの。だが、孫の千代太が隠居家を訪れたことで、 予想外に忙しい日々が始まった!

Posted byブクログ

2023/05/21

人の変化、子どもの成長、そういったものがしみじみと心に迫る感じのいい時代小説でした。 主人公となるのは代々続く糸問屋の主人だった徳兵衛。店を息子に任せ悠々自適にすごそうと考えていたものの、趣味も見つからず暇を持て余す日々。そんな中、徳兵衛の元に孫の千代太が訪れるようになり、徳兵...

人の変化、子どもの成長、そういったものがしみじみと心に迫る感じのいい時代小説でした。 主人公となるのは代々続く糸問屋の主人だった徳兵衛。店を息子に任せ悠々自適にすごそうと考えていたものの、趣味も見つからず暇を持て余す日々。そんな中、徳兵衛の元に孫の千代太が訪れるようになり、徳兵衛の周囲はにわかに騒がしくなっていきます。 まず徳兵衛の心理の書き方が絶妙。引退を引き留められるかと思いきや、思ったほどの反応は得られず、自分より女将さんのほうが頼られる瞬間に悶々としたり、そんな女将=妻にどこか遠慮がちになったり。 隠居する徳兵衛のこの年ならではの悲哀、というほど大げさなものではないけど、自尊心と寂しさ、物足りなさ、が色々混ざったなんとも言えない感情が巧みにそして、おかしく描かれます。自分はまだそういう年齢じゃないけど、なんというか妙に刺さった。上の年代ならより深く突き刺さりそう。 そんな徳兵衛の元に訪れた孫の千代太。心の優しい千代太は捨てられた動物を拾ってきて、徳兵衛に飼ってほしいと頼む。それを徳兵衛が説き伏せたことで、事態はさらに大きくなっていく。 この小説のもう一人の主人公が千代太。優しくも世間知らずで、幼い言動故に友達を傷つけてしまう。そんな千代太や友人たちを見かね、徳兵衛は渋々ながら子どもたちに力を貸すことに。 世間知らずで甘えん坊だった千代太の著しい成長。友達を助けたい、そのために何ができるか必死で考え、責任を背負い成長していく姿の爽やかさ。一方で徳兵衛は手を貸しながらも、あるところでは手を引き、子どもたちに自立をうながすよう考えさせる。そのさじ加減も絶妙。 徳兵衛の啖呵やかんしゃくも味があっていい。礼儀の知らない子どもや、子どもを放り出す母親、権力を嵩に着た大人などへの啖呵は小気味よくて、こういう気持ちよさも時代小説ならではだと思います。 千代太に関わっていく中で、徳兵衛自身にも変化が生じます。自分の中になんとなく生まれていた偏見が正され、儲けとはまた違った商売の楽しみを見いだし、千代太をはじめとした人々の変化や成長に心を動かされるようになる。そして徳兵衛自身の家族の向き合い方の問題にもつながっていきます。 登場人物がどんどん増えていくのに、それが余計という感じはせず、わいわいがやがやといった楽しさがどんどん膨れていく。そしてかたくなだった徳兵衛の心も徐々にほぐれていく。 作中で描かれる問題もけっこう現代につながるところがあります。子どもの教育格差や貧困。女性の労働問題。そうしたものを一切合切飲み込み、突き進んでいくのもとても気持ちよかった。 登場人物みんな、大人も子どもも男性も女性も関係なく、みんなどこか粋で魅力あふれる人物ばかりでした。個人的に徳兵衛の妻のお登勢が好きでした。 徳兵衛はなぜか決まり悪くて、お登勢に隠れて色々やっているのに、周りの人がお登勢に注進して、徳兵衛の知らないところで差配を振るっているのとかおかしかったし、そんな二人の酸いも甘いも超えた夫婦としての関係性もまたよかったです。

Posted byブクログ

2023/05/01

商売一筋で生きてきた徳兵衛が、隠居して好きなように生きるぞと思っていたのも束の間、あれやこれやと休む暇なく事件が起きて……。 人と人との繋がりの素晴らしさ。読めば読むほど先が気になり、心も温かくなるまさに人情物語。読めて良かった〜。 2週目のすごろくのゴールは一周目のゴールよりも...

商売一筋で生きてきた徳兵衛が、隠居して好きなように生きるぞと思っていたのも束の間、あれやこれやと休む暇なく事件が起きて……。 人と人との繋がりの素晴らしさ。読めば読むほど先が気になり、心も温かくなるまさに人情物語。読めて良かった〜。 2週目のすごろくのゴールは一周目のゴールよりも、もっとずっと素晴らしい。

Posted byブクログ

2023/04/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とっても良かった。「ほっこりする」とはこのことだなぁ。 最後数行がとっても暖かくて、じんわりと暖かい涙が滲む。 散々働き尽くして、さあ隠居生活始めるぞ!と意気込む徳兵衛が千代太を筆頭にした子供達のドタバタに巻き込まれる姿にクスッとくる。 何だかんだ文句言いつつ突き放せない徳兵衛が愛しい。 商い一筋だった頭が固くて面倒臭い(!)おじいちゃんといった印象の徳兵衛だったけれど、 子供達や出会う人々の「人情」に触れて徐々に変わっていく様子にとても優しい気持ちになる。 同時に千代太が徳兵衛から「商い」を教わり成長していく姿も見ていてとても嬉しい。 子供達のやり取りも可愛くて、時に頼もしくて読んでいて楽しかったなぁ。 お芝居の場面はちびっこが可愛くってきゅんきゅんしてしまった。 江戸の商いや暮らしについて知れて楽しかった。昔も今も商いの基本は変わらないんだな。 『江戸版お仕事小説』としても楽しめた! しかし数字にてんで弱い私。お金については難しくてピンと来てないけれど。米……?匁……? 時代小説は大好きだけど難しい内容のものも多くて、分厚いものはいつも躊躇いがち。 そんな躊躇はなんのその。面白くってさらさらと読んでしまった。 西條奈加さんの時代小説好きだなぁ。

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2023/03/31

仕事一筋で打ち込んできてさあ隠居するぞ!第2の人生楽しむぞ!と用意周到に進めてきたのに孫にわちゃわちゃにされるご隠居のお話( ^ω^ ) 江戸の町人の暮らしぶりと人情を見事に書ききった素晴らしいお話でした 長い…読み切れるかな…と何度も手にしては置いてを繰り返した本でしたが、読み...

仕事一筋で打ち込んできてさあ隠居するぞ!第2の人生楽しむぞ!と用意周到に進めてきたのに孫にわちゃわちゃにされるご隠居のお話( ^ω^ ) 江戸の町人の暮らしぶりと人情を見事に書ききった素晴らしいお話でした 長い…読み切れるかな…と何度も手にしては置いてを繰り返した本でしたが、読み出すと続きが気になり寝る間を惜しんで…と久しぶりに熱中して読める本に出会えて読み終わった後の爽快感も一入です

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2023/03/26

温かいもので心が満たされる素敵なラスト。 最後の一行までいい…。何とも感慨深く幸せな涙がこぼれてしまいました。 隠居生活を送る徳兵衛を心配し、孫の千代太が訪ねてきたことから、孤独な隠居生活は一変! 物語の様相も千代太がやってくるようになってからあれよあれよと様変わりしていく…。...

温かいもので心が満たされる素敵なラスト。 最後の一行までいい…。何とも感慨深く幸せな涙がこぼれてしまいました。 隠居生活を送る徳兵衛を心配し、孫の千代太が訪ねてきたことから、孤独な隠居生活は一変! 物語の様相も千代太がやってくるようになってからあれよあれよと様変わりしていく…。 これは、読めば読むほどに引き込まれます。 無邪気な子どもの予想外の行動やお願いに、徳兵衛も翻弄されっぱなし。徳兵衛の慌てる姿が何とも微笑ましい。 徳兵衛が千代太と一緒に多くの人の情にふれ、助け合い成長していく。 他人の人生に関わり責任の一端を担うとともに、力を合わせ楽しむ心も孫と共有。ともに成長していく様子には目を細めてしまいます。 「商一筋」だった頃とは違う、これまでにない第二の人生を送り始める徳兵衛。 幼かった千代太の成長ぶりも眩しい。 読みながら、千代太と一緒に、また徳兵衛と一緒に人生勉強をしているようにも思えました。実に深い。 表題の「隠居すごろく」とは上手いこと言うなぁ。 ラストは感動で胸がいっぱい。 とても素敵な作品でした。 .

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2023/03/18

自信を持って人に勧めたい。 この作者さんの本は初めてですけど、心理描写がすごく素敵です。時代ものはとっつきにくさがあって避けてたのですごすごく読みやすかったです。

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2023/02/20

隠居こそ、人生の上がりだと思って仕事してきていざ仕事を止めて隠居してみたもののする事がない。 そんな徳兵衛がなし崩し的に巻き込まれて巻き込んで隠居暮らしを楽しんでいく話。 『仕事を楽しむ心がある。楽しいうちは投げ出すこともなく苦労を苦労とも思わぬもの。 … 楽しいだけでは済みま...

隠居こそ、人生の上がりだと思って仕事してきていざ仕事を止めて隠居してみたもののする事がない。 そんな徳兵衛がなし崩し的に巻き込まれて巻き込んで隠居暮らしを楽しんでいく話。 『仕事を楽しむ心がある。楽しいうちは投げ出すこともなく苦労を苦労とも思わぬもの。 … 楽しいだけでは済みませんがなんといいますかやり甲斐といった方がよいのかもしれませんね。 …仕事なのだから、つらくともあたりまえ。堪えるよりほかにならろう。』 仕事だからこそ、ちゃんとやる。だけど同じくやるんでも楽しんでできたらいいね。 私にはそこがいちばんぐさっときた。 西加奈子、他のも読んでみたくなりました。

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