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隠居すごろく の商品レビュー

4.6

49件のお客様レビュー

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2023/01/17

あ〜、、、いい話だった。読んでよかった。頑固ジジイを変えることができる孫パワーは、リアルだった。 わたし自身、隠居というには多少早い年齢だけれど、歳をとるのも怖くないと、ほんのちよっぴり思えた。 女性陣のピリリと辛口なセリフがところどころ非常にナイスでした。

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2023/01/15

中盤まではテンポがゆっくりしすぎてなかなか興が乗らなかったが、終盤一気の寄りで時の経つのを忘れました。 勧善懲悪は人情時代小説の基本、トータルでは良かった。

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2022/11/28

還暦を機に引退し、悠々自適な隠居生活を楽しもうとしていた徳兵衛だが、いざ始めてみると趣味となるものもみつからず、時間を持て余していた。 そんなところに孫の千代太が訪れたことで人生第二のすごろくが動き始める。 子供たちの逞しさ、優しさが徳兵衛を変えていく。 すごろくのアガリ方が良か...

還暦を機に引退し、悠々自適な隠居生活を楽しもうとしていた徳兵衛だが、いざ始めてみると趣味となるものもみつからず、時間を持て余していた。 そんなところに孫の千代太が訪れたことで人生第二のすごろくが動き始める。 子供たちの逞しさ、優しさが徳兵衛を変えていく。 すごろくのアガリ方が良かった。

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2022/11/17

他人に厳しい糸問屋の徳兵衛が隠居した。人情に篤い孫が持ち込む難題に関わっていくうちに、徳兵衛自身も別人のように生まれ変わってゆく。 ここ数年のベスト。文章に無駄がない、江戸の暮らしがリアルに感じられる、ストーリーが何層にも分かれ先が読めず、登場人物が魅力的。最高。

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2022/10/08

3ヶ月ほど前に朝日の書評に載っていて、面白そうだったので「読みたい」に入れていた。 巣鴨で六代続く糸問屋の主人を務めた徳兵衛が還暦を機に引退し、悠々自適な隠居生活に入るところから始まるお話。 商い一筋で生きてきていざ時間が出来ても何をしたら良いのか無聊をかこつ隠居家に8歳の孫・...

3ヶ月ほど前に朝日の書評に載っていて、面白そうだったので「読みたい」に入れていた。 巣鴨で六代続く糸問屋の主人を務めた徳兵衛が還暦を機に引退し、悠々自適な隠居生活に入るところから始まるお話。 商い一筋で生きてきていざ時間が出来ても何をしたら良いのか無聊をかこつ隠居家に8歳の孫・千代太が遊びに来たことから話が進みだす。 私は既に徳兵衛より年嵩だがお金もないので隠居などは夢のまた夢。とは言え、会社を辞めたら何もすることがないところは同じで身につまされる。 孫にいい顔したくても、子供のことが分からずに持て余し、癇癪を起してしまうところなども居心地が悪い。 そんなことも思いながら読むのだが、話の仕込みとなる前半はすごろくが三歩進んで二歩下がり蘊蓄話で一回休みみたいな感じであまり興が乗らず。 その後、あれよあれよという間に徳兵衛のところには女子供を中心に17人が出入りすることになるが、これらの食い扶持を得るために組紐の商売や子供たちの芝居を工夫していく段になって、ようやく面白くなってきた。 組紐を巡って色々な店を回ってリサーチしたりここぞと見込んだ長門屋の主人との丁々発止のやり取りなど、徳兵衛がイキイキとしていく様が微笑ましい。 実は書評では『商売だけに向き合ってきた徳兵衛の来し方を否定しないのである』というところに惹かれたのだったのだけど、それはこういうことだったのね。 だけども、ひねた見方をすると、仕事一筋で生きてきた人間は、仕事を辞めても仕事みたいなことでしか楽しみを見出だせないというようにも受け止められ、いささか複雑。 隠居だからと言って気ままに趣味に生きる暮らしをしなくても、商売しかできない現実だったらそれを活かす暮らしを探せばいいということのようだが、今まであくせく生きてきて、ようやく自分の時間を自由にできるようになっても、今までみたいにしか生きられないとしたら、それもなんだかなぁという気がして…。 後半になるに従って、徳兵衛の隠居生活の在り様よりも、子どもたちの逞しさのほうがどんどん勝っていき、どちらかと言えば、負うた子(この話では孫だが)に教えられといった人情話になってしまったことが(それはそれで悪い話ではないのだけれど)、私には肩透かしだった。

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2022/09/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

糸問屋を経営していた徳兵衛は日々を忙しく仕事だけに過ごし隠居する日を夢に見ていた。 隠居する日をすごろくで例えると上がりだと考えていた徳兵衛だったが… 癇癪持ちで仕事人間だった徳兵衛は隠居家を作り、俳句や釣りなどを気楽にしながら余生を過ごそうとしていたのだが、どれも性にあわず無為な時間を過ごしているとそこに孫の千代太が隠居家に度々やってくる様になる。 孫可愛さと孫の成長を考えながら孫と向き合う徳兵衛だったが… 西條奈加さんの作品は善人長屋ぐらいしか読んでいないのですが、帯に何度も目頭が熱くなると書かれていたので読んでみましたが、その通りで楽しめました。 頑固親父が少しずつ変わっていく様なストーリーが個人的には好きで映画でいえばグラントリノがすぐに思い浮かびました。 いい物語を読むことが出来て良かった。 おすすめです。 2022/8

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2022/08/06

隠居生活を楽しみに頑張ってきた徳兵衛。 まるで定年退職を待ちわびた現代人と同様、仕事一途だったがために陥る壁にぶつかる。 それまでの人生、仕事中毒で人間関係も仕事関係の人ばかり。ご近所の人も知らず、友達もいない。はたと気付けば趣味の一つもない! これからどーしたらいいんだ~!と、...

隠居生活を楽しみに頑張ってきた徳兵衛。 まるで定年退職を待ちわびた現代人と同様、仕事一途だったがために陥る壁にぶつかる。 それまでの人生、仕事中毒で人間関係も仕事関係の人ばかり。ご近所の人も知らず、友達もいない。はたと気付けば趣味の一つもない! これからどーしたらいいんだ~!と、雄叫びを上げそうな人にオススメです。 きっと元気が出ますよ。

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2022/07/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最初、主人公の徳兵衛と孫の千代太のやり取りにイライラしたけど、読み進めていくうちに面白くなった。最後、すっかり丸くなってしまった徳兵衛が、財布の紐までゆくるなっているのを見て大丈夫か?と思ったりしたけど。 孫と祖父でも一方通行ではない、教え、教えられの関係性がよかったと思う。 まあ、周りの人がみんな徳兵衛に感謝していて「そんなことあるか〜!」と少しは思いながら読んだけど笑

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2022/07/09

人との関わり、仕事の甲斐、人が喜ぶと自分も嬉しい。 千代太に振り回される楽しいストーリーの中に大切なことが散りばめられたお話でした。

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2022/06/26

糸問屋「嶋屋」の6代目主人を引退し、隠居生活を始めた徳兵衛。商いを離れ穏やかな日々を送るはずが、孫の千代太(8歳)がやってきては厄介事を持ち込み、心も体も休まらない。 徳兵衛は割と頑固ですぐ怒鳴り散らすし、千代太もこうと決めたら折れない上にしつこい。それぞれ心が優しいことはわか...

糸問屋「嶋屋」の6代目主人を引退し、隠居生活を始めた徳兵衛。商いを離れ穏やかな日々を送るはずが、孫の千代太(8歳)がやってきては厄介事を持ち込み、心も体も休まらない。 徳兵衛は割と頑固ですぐ怒鳴り散らすし、千代太もこうと決めたら折れない上にしつこい。それぞれ心が優しいことはわかるのだけれど、しばらくはどちらにもイマイチ感情移入できずに読んでいたかな。 でもその後は少しずつふたりの関係がしっくりしてくるし、登場人物も増えて状況もどんどん変化してくるので楽しめた。 300ページが近くなった頃からは、それまで以上にめまぐるしく展開が動くので目が離せない。 徳兵衛は千代太と関わるうちに心情や言動に変化が起きて、価値観すら変わってくる。その様子や人との関係にグッときちゃって、涙腺を何度も刺激されてしまった。 456ページと少し長めの本だけど、その分、徳兵衛たちの歩んできた道が心に沁み渡って読後は胸がいっぱいに。徳兵衛の第二の人生を一緒に体験したような満足感。面白かった。 余韻に浸っていたら、急に犬のこと思い出した。シロどうなったんだっけ?(笑)

Posted byブクログ