隠居すごろく の商品レビュー
情に流されず仕事一筋に生きてきた徳兵衛と、情にもろい孫の千代太が好対照。他の登場人物たちもみんな好感が持てる。政二郎とか善三とか、脇役もいいんだよな。 ユーモアがあって、切ないところもほっこりするところもある。読後感も良くて、やっぱり西條奈加さんの江戸人情物はいいなあ、と思った。
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西條さんの書き振りには不安がありません。読みながら、厳しさ、不安、緊張を強いられる作品が多いものの、優しさや温かさがどんどん増幅して、幸せな読後感を味わえるのを知っているので。時代物の難解な背景、人物の絡みについては、毎作品、冒頭で「説明」とも思えるほど詳細に、ストーリーに練り込...
西條さんの書き振りには不安がありません。読みながら、厳しさ、不安、緊張を強いられる作品が多いものの、優しさや温かさがどんどん増幅して、幸せな読後感を味わえるのを知っているので。時代物の難解な背景、人物の絡みについては、毎作品、冒頭で「説明」とも思えるほど詳細に、ストーリーに練り込まれているので、歴史に疎い私でも楽しめます。心を射抜く人生訓、処世術の数々にも唸らせられます。私にとって、2023ラストの一冊になったので、2024に生きる一節を…。 p382 「状況の良し悪しは重要ではない。前を向く明るさと、容易に潰されね気概さえあれば、たいていの苦難は凌げるものだ。」 徳兵衛同様、吝嗇な私は、続編が文庫になるのを待って、再び千代太たちに会いにいきます。みなさま、よいお年を…。
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読書メーターが横向きになってる。ずーっと縦にして書いてて煩わしいと。よきかなよきかなだよ。善人長屋からだが、どの作品も特徴がありしっかり面白い。前回読んだ関超えぬとも色合いが違う。とにかく徳兵衛なんだけど、出だしのサイコロの上がり目だと思った隠居が2回目のサイコロって、そこだけで...
読書メーターが横向きになってる。ずーっと縦にして書いてて煩わしいと。よきかなよきかなだよ。善人長屋からだが、どの作品も特徴がありしっかり面白い。前回読んだ関超えぬとも色合いが違う。とにかく徳兵衛なんだけど、出だしのサイコロの上がり目だと思った隠居が2回目のサイコロって、そこだけで食いついた。それで思った通り出来事が起きた、まさか寺小屋の様な、新しい商売が始まるなんて。確かに一回の釣りで飽きるとか、逆に身についた商いからアイデアが浮かぶ、いかりや長介の様に怖いけど懐かれたんだよ。線香立ては切ないけど
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隠居の徳兵衛さんと孫の子どもたちが活躍するけど、現代ではなくこの時代だから成り立つ話だと思った。徳兵衛さんも楽しかったんだろうな。行ったことがある場所だったので地図があるとイメージしやすくて良かった。
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しわい屋で短気な主が、隠居後に変わっていくお話。 すっごく面白くて、登場人物皆が生き生きと描かれて面白かった❗読みながら、このわちゃわちゃした感じ大好きだわーって感じた……から、最後のさらりと描かれてた部分が凄く辛く悲しかった。正直、読後感しんどかった。 隠居後の話だからあってもおかしくはないけど、個人的でワガママな感想としては描いて欲しくなかったので星四個(泣)
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初めての西條奈加さんの作品。 短気でケチ、一文の得にもならない他人への情など絶対にごめんだというおじいさんが、隠居を機に孫の持ち込む厄介ごとに巻き込まれてるうちに他人への情愛、商いへの情熱を持っていく。 この人情味あふれる描写、登場する人物一人一人が個性に溢れていて素敵な作品だっ...
初めての西條奈加さんの作品。 短気でケチ、一文の得にもならない他人への情など絶対にごめんだというおじいさんが、隠居を機に孫の持ち込む厄介ごとに巻き込まれてるうちに他人への情愛、商いへの情熱を持っていく。 この人情味あふれる描写、登場する人物一人一人が個性に溢れていて素敵な作品だった。久々に読んでいて温かい気持ちになれる作品に出会えたと思う。
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商売ばかりで家族を顧みてこなかった糸問屋のご隠居が、隠居所に遊びに来る孫に振り回されているうちに家族愛と人間愛に目覚める。 基本的に善人しか出てこないが、例外的に登場する敵役の憎々しいさまがアクセントとなって、その後の大団円を盛り上げる。 一文の得にもならないのに子供たちの芝...
商売ばかりで家族を顧みてこなかった糸問屋のご隠居が、隠居所に遊びに来る孫に振り回されているうちに家族愛と人間愛に目覚める。 基本的に善人しか出てこないが、例外的に登場する敵役の憎々しいさまがアクセントとなって、その後の大団円を盛り上げる。 一文の得にもならないのに子供たちの芝居の台本と演出、さらには手習いの師匠まで買って出る銀麓の存在がいい。 趣味もなく、隠居所で暇を持て余していたご隠居が、一連の出来ごとのあとでは数十年の女子供に囲まれ、慕われるさまは、人生捨てたものではないと思わせる。 「情けは人の為ならず」
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面白かった〜。深夜に一気読みしてしまった。どの子にもどの人にも感情移入できるところがあって、のめり込んでしまった。あと、主人公が一番疑り深いと言うか慎重というか…なので、「いやいやいやいや騙されるやろそれは!!」みたいな妙な気持ちにはあんまりならなかった。ちょっと性格が合いそう笑
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老舗の主、嶋屋徳兵衛の隠居話。仕事一筋の生活に終止符を打ったは良いけれど待っていたのは味わったことのない孤独感。その時が来れば誰もが感じる孤独感 優しい孫の登場で色々ありながらだけれども、第二のすごろくに生き甲斐を見つけた徳兵衛は幸せ者です 勘七、おはち親子と徳兵衛の話や、36...
老舗の主、嶋屋徳兵衛の隠居話。仕事一筋の生活に終止符を打ったは良いけれど待っていたのは味わったことのない孤独感。その時が来れば誰もが感じる孤独感 優しい孫の登場で色々ありながらだけれども、第二のすごろくに生き甲斐を見つけた徳兵衛は幸せ者です 勘七、おはち親子と徳兵衛の話や、36年ぶりに「おまえさま」と呼ばれた徳兵衛と妻登勢との話やら目頭がたびたび熱くなりました
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ご長寿番組のようなずっと眺めていたい安心感。人は年齢関係なく成長できることをその些細な変化の描写で教えてくれていました。最後はこどもの健気さに涙が出ました。続編も楽しみです。
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