タラント の商品レビュー
なんかこの小説には色んなことが詰まり過ぎていて、感想をまとめるのが難しい。角田さんの言いたいことがタイトルの「タラント」(才能)に集約されているのかどうかもよく分からない。 小説として内容がまとまっているかどうかは別として、角田さんは人の正直な気持ちを書いてくれる人だと思った...
なんかこの小説には色んなことが詰まり過ぎていて、感想をまとめるのが難しい。角田さんの言いたいことがタイトルの「タラント」(才能)に集約されているのかどうかもよく分からない。 小説として内容がまとまっているかどうかは別として、角田さんは人の正直な気持ちを書いてくれる人だと思った。 主人公のみのりは大学でボランティアのサークルに入り、アジアや中東の貧しい地域や難民キャンプや国内の被災地などでボランティア活動をしていた。 そのサークルで出会った仲間の思いは様々だった。「ボランティアなんていい人ぶってるみたい」と抵抗を感じながらも、影響を与えやすい先輩に付いていくうちにいつの間にか世界の子供たちの現況を伝えるジャーナリストとなった玲子。目の前の子供に手を差し伸べるよりも先にカメラを構え、仲間の顰蹙を買うくらい野心的な報道カメラマン志望の翔太。市子は卒業してからフェアトレードの食品を扱う会社を立ち上げたが、市子の告白によると「人助け」よりも「美味しいものを世間に知ってほしい」「誰もやっていないことをしたい」という野心からの行動だという。 そして、みのりはというと「なんか面白そう」と参加したネパールのスタディツアーで、全く笑わない、人身売買された女の子がみのりの努力によって少しだけ心を開いてくれたことがきっかけで、「たったひとりの子供を助けたい」「あの子の普通と私の普通は繋がっている」と思うようになった。そんな思いを大事にして、社会人になってから参加したパレスチナ難民キャンプで、ある片足を失った男の子を助けたいと思い、逆にその子の命を危険に晒すような失敗をしてしまい、積極的にボランティア活動をすることが怖くてなってしまった。 みのりが特に片足を失った男の子を助けたいと思ったわけは、みのりの祖父の清美が戦争で片足を失っていたからであった。 家族に自分のことを全く話さない祖父の清美であったが、実は戦争で足を失う前はオリンピック候補になるくらいの陸上選手で、みのりが上京してからは度々東京にきて、義足陸上を始め、そこで出会った女の子が清美に励まされて、パラリンピックの選手に選ばれたことを知った。 そのことをきっかけにみのりの甥や夫とともにパラスポーツと義足について調べることになった。 みのり達が調べたところによると、第二次世界大戦後、戦争で足を失った人のリハビリのためにスポーツを提案した物凄いエネルギーを持った医者がいて、最初のパラリンピックは一回めの東京オリンピックだったこと。そしてパラスポーツの発展とともにどんどん良い義足が開発されるようになったことなどが分かった。その最初のパラスポーツを提案した医者は「足を失った人を助けたい」とかそんな優等生的な動機ではなく「自分の研究成果を広めたい」という野心からだったからかもしれない。でも、それでいいのだと思った。少しでも「自分に何か出来る」と突き進んでいくことが結果的にすごい社会貢献になる。それが自分に与えられた少しの「タラント」を使うことではないかと。 出会ったとき70代だった祖父の清美と7歳だった涼香がパラ陸上を通じて友情育んでいったことを知ったみのりは、シンプルにパラスポーツというものに興味を持った。「足にハンディのある人が義足の力を借りて頑張っている」のではなく、シンプルに「頑張っている人」だと知り、リスペクトした。そして、義足への興味と自分の海外でのボランティア経験から、やりたいことを見つけた。 この季節になると、毎年放送される某24時間放送の「愛は地球を救う」番組を観ると、確かに感動するのだが、「ハンディのない人」が「ハンディがあるのに頑張っている人」を高みから見ているような違和感があって、どこか押し付けがましい感じが拭えない。だけど、きっかけは何でもいいのかな。先ずは知ることが大切。そして、「いい人だと思われたいから」でも「可能性を広げる手助けをしたい」という野心からでもボランティアとか困難な人を助けることに参加してみることで、真にシンプルな友情が生まれるのが素敵なことだと思う。 もうすぐ、パリオリンピックが終わり、パラリンピックが始まる。パラリスポーツと義足のことを少し知ったので、パラリンピックに少し興味を持って観てみようと思う。
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タラント どんな人にも それぞれ与えられた才能がある 小さい大きいは関係なく 一歩踏み出してみること
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学生時代に国際ボランティアに明け暮れたものの、ある出来事をきっかけに情熱を失った主人公。主人公を取り巻く学生時代のボランティア仲間。学生の頃、陸上競技の才能を見出されオリンピック候補にもなったが戦争で片足を失い、感情を封印した主人公の祖父。その祖父が密かに通っていた競技会で出会い...
学生時代に国際ボランティアに明け暮れたものの、ある出来事をきっかけに情熱を失った主人公。主人公を取り巻く学生時代のボランティア仲間。学生の頃、陸上競技の才能を見出されオリンピック候補にもなったが戦争で片足を失い、感情を封印した主人公の祖父。その祖父が密かに通っていた競技会で出会い、その後パラリンピックの候補にもなった競技者。さまざまな人物が、何かを始めようとして挫折したり、批判されたり、不幸に見舞われたり、失敗を恐れて動けなくなることがある。でも、小さなことでも、社会の役に立たないことでも、誰にも褒めてもらわなくても、始めたらいいんだよ、というメッセージ。不自然でも、無理な設定でもなく、自然と読める。
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「タラント」(角田光代)を読んだ。 ものすごーく良い物語だな。 全人類に読んでもらいたいと思ったぞ。 それぞれの人生において今まさにその第一歩を恐る恐る踏み出そうとしてる人もダラダラと惰性で歩いてる人も目標に向かってまっすぐに歩いている人も行き先を見失ってうろたえている人も...
「タラント」(角田光代)を読んだ。 ものすごーく良い物語だな。 全人類に読んでもらいたいと思ったぞ。 それぞれの人生において今まさにその第一歩を恐る恐る踏み出そうとしてる人もダラダラと惰性で歩いてる人も目標に向かってまっすぐに歩いている人も行き先を見失ってうろたえている人も立ち止まってクールダウンしている人もとにかくすべての人にだ。 本を読んで泣くのはいつものことだけど。 涼花と陸に惚れてしまうぞ。 あーしみじみと浸った。
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前半は主人公の感情にモヤモヤする部分があってダレたけど、そのフリがあってか、後半から終盤までのカタルシスがあった。 主人公の自分語りの鬱陶しさと、きーちゃんとムーミンの人間的な魅力(2人とも強い!神様感!)のコントラストも印象に残った。
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面白かった。香川出身なので、讃岐弁が少し懐かしいけど、ちょっとあそこまでコテコテの讃岐弁喋る人は今時いないような… ボランティアに対するみのりの感覚が凄くよく分かる。私も少し苦手意識があり、それでも参加して何かしようとするのはすごいな~と思った。 立派なことはできないけど、自分が...
面白かった。香川出身なので、讃岐弁が少し懐かしいけど、ちょっとあそこまでコテコテの讃岐弁喋る人は今時いないような… ボランティアに対するみのりの感覚が凄くよく分かる。私も少し苦手意識があり、それでも参加して何かしようとするのはすごいな~と思った。 立派なことはできないけど、自分ができることをしていこうと思った
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みのりの考えてること、怖がってるところ、自分ではわかってて知らないふりしてるとこ、、、読みながら自分のことのように思えてきた。
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国際NGOプラン・インターナショナルの会報誌に載っていた角田さんのインタビューを読み、気になって手に取った一冊。 何も知らなければ、何も見なければ、恐れることも自分の無力さも感じることはない。しかし、境遇の違う人の「ふつう」を想像し、共感することが、他者を理解するのに大切なことな...
国際NGOプラン・インターナショナルの会報誌に載っていた角田さんのインタビューを読み、気になって手に取った一冊。 何も知らなければ、何も見なければ、恐れることも自分の無力さも感じることはない。しかし、境遇の違う人の「ふつう」を想像し、共感することが、他者を理解するのに大切なことなのだと考えさせてくれた。やりたいことをはじめるのに遅すぎることはない、と勇気をもらえるようなラストでした。
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どっちがよりつらいか、ではなく、そのつらさがわかるか、わからないか。 誰もがなんということもない義務感に突き動かされ、それに従っていて、それがつまり使命であり才能。 443ページの大作。正直、半分まではダラダラとした感じがして読了できる気がしなかったが、後半の怒涛のスパートと伏線...
どっちがよりつらいか、ではなく、そのつらさがわかるか、わからないか。 誰もがなんということもない義務感に突き動かされ、それに従っていて、それがつまり使命であり才能。 443ページの大作。正直、半分まではダラダラとした感じがして読了できる気がしなかったが、後半の怒涛のスパートと伏線回収がすごい。当たり前だけど、さすが作家、タラントだ。
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周りと比べて自信をなくしていくみのりと自分が重なった。才能や使命がなくても、やりたいと思ったことを軽い気持ちで始めればいいんだと少し勇気をもらった気がする。誰のためでもない自分のために、とべ、とべ、たかく、たかく。
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