タラント の商品レビュー
主人公・みのりが様々な出来事や人と出会い成長し、考える物語。 パラリンピックと紛争というテーマがとても良かった。 だが、物語が1999年と2006年、そして現代が交差して同時に進行しているため個人的に読みづらかった。 また改めてじっくりと読んでみたい。
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めちゃくちゃ入り込んじゃって、主人公の経験や心情がまるで自分のこととごちゃまぜになりそうでした。ものすごく大きな経験をさせてもらったような気がします。 感想を山ほど書きたいんだけど、手に負えない。
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レベルが違うと久々に思った。 うじうじして自信のないみのりに、特にキャンプで少年たちを外に出してしまったことの本当の意味をわかっていない中、自慢するように玲に話そうとしていた時などほんとイライラしたけど、徐々に自分で考え抜いて気づいた気持ちや捉え方、タラント・使命の意味に共感して...
レベルが違うと久々に思った。 うじうじして自信のないみのりに、特にキャンプで少年たちを外に出してしまったことの本当の意味をわかっていない中、自慢するように玲に話そうとしていた時などほんとイライラしたけど、徐々に自分で考え抜いて気づいた気持ちや捉え方、タラント・使命の意味に共感してなんとなく同志のような感覚になった。でも、この本の主人公はみのりじゃなかった。清美だったんだな。最後もしかしたら陸の手によって生まれたのかもしれない清志の視線で見た世界がとても清々しくて、もう苦しみは手放していいんだよ、と思った。必ずまた読む。
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すごく大作で完読するのに時間がかかってしまったけど、途中からやめられなくなった。 世界で起きてる紛争、難民についてや、日本でかつて起きた戦争、戦争で傷を負った人たちから続く現在のパラリンピック、東日本大震災、コロナ禍、などなど、本当に多岐に渡る題材が詰まった作品だった。 世界で起きてることに対して、そこで生活している人に対して、私は本当に無知だと実感したし、その人たちが私たちと何も変わらない地続きなのだということに何か衝撃を覚えたが確かにそうなのかもしれないと納得できるものも感じた。 そのように重い題材でも、主人公みのりの人物像がとても等身大で、みのりが感じる知りたいと思う気持ち、後悔、怖さ、それでも何か前に進みたいと思う気持ちなどに共感でき、読みやすい作品だったと思う。 タラント 才能、運命 一人一人はちっぽけで大きな力はなくても、その人なりの方向で歩幅で進めたらいいのかもしれない。
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秀作。 反戦争が根本なんだろうけど、理不尽な境遇、戦争で、病気で、脚を失った人が生きていく設定。 おじいさんの、飛んでいくようだといったシーンが好き。雲一つない青空の様に感じた。全体的にどんより曇り空のようなストーリーなんで。 時間軸、孫とおじいさんが交互に語る設定が良い。
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ニュースで見る内戦の中の子どもたちや難民。ニュース映像の「あっち側」と「こっち側」ではなく、つながった世界として行動する人が、無理なく描かれています。 登場人物がみんな魅力的で、深く描かれているので、考えさせられながらじっくり読みました。 多くを語らないみのりの祖父が、戦地で足を...
ニュースで見る内戦の中の子どもたちや難民。ニュース映像の「あっち側」と「こっち側」ではなく、つながった世界として行動する人が、無理なく描かれています。 登場人物がみんな魅力的で、深く描かれているので、考えさせられながらじっくり読みました。 多くを語らないみのりの祖父が、戦地で足を失って、感情にふたをする心の動きがなんとも哀しい。 読後の余韻をずっと大切にしたいと思う一冊でした。
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若いみのりが何処かに行きたい、最も広い 世界で何かを見て心や身体が踊る様な 感覚を味わいたいと思う気持ちは 誰もが一度は味わう気持ちだろう。 戦争に行って義足になった祖父の清美も 戦争さへ無ければ今の若者と同じ人生の煌めき を信じていただろう。 人にはそれぞれそのひとの身の丈に合...
若いみのりが何処かに行きたい、最も広い 世界で何かを見て心や身体が踊る様な 感覚を味わいたいと思う気持ちは 誰もが一度は味わう気持ちだろう。 戦争に行って義足になった祖父の清美も 戦争さへ無ければ今の若者と同じ人生の煌めき を信じていただろう。 人にはそれぞれそのひとの身の丈に合った 人生があり、一日一日が小さなタラント となって積み重なり先の見えない人生の 遥かな道を其々が小さな灯りとなり いつしか大きな光となって希望という名の 光になるのだ。
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タイトルや表紙から想像した内容とは全然違った。良い意味での裏切り。 角田さんとは同年代なので、 大学時代の話など、 リアルにイメージでき、重なる部分もあった。 この長編の中で 伝えたい核が くっきりと見えた。 今、コロナが5類になり、 なんだか、この小説の続きを自分が生きていくか...
タイトルや表紙から想像した内容とは全然違った。良い意味での裏切り。 角田さんとは同年代なので、 大学時代の話など、 リアルにイメージでき、重なる部分もあった。 この長編の中で 伝えたい核が くっきりと見えた。 今、コロナが5類になり、 なんだか、この小説の続きを自分が生きていくかのような錯覚にさえ 陥る。 使命感、才能、 運命、時代、いろんな背景や困難。 乗り越えるもの 受け入れるもの 受け流すもの。 角田さんの熱い気持ちと 優しさを感じた。
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タラントを才能と解釈 清美さんが亡くなってしまったけれど。 みのりも清美さんも玲もみんなそれぞれ自分の中の正義と真面目さがあっていい。 ちょっとした言葉で躊躇したり、考えたり、行動的になったりして生きていて生々しかった。
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私の感情に寄り添いながら物語が進んでいくのが心地よくて、主人公と同じように苦しくなったり救われたりしながら読んだ。私にもタラントはあるだろうか。動き出すことはできるだろうか。 【読んだ目的・理由】著者の話を聞いて気になったから 【入手経路】買った 【詳細評価】☆4.4 【一番好...
私の感情に寄り添いながら物語が進んでいくのが心地よくて、主人公と同じように苦しくなったり救われたりしながら読んだ。私にもタラントはあるだろうか。動き出すことはできるだろうか。 【読んだ目的・理由】著者の話を聞いて気になったから 【入手経路】買った 【詳細評価】☆4.4 【一番好きな表現】どっちのつらさがより大きいかじゃない、朝起きるのがいやになる、というちいさな絶望が、わかるか、わからないか、だいじなのはそこだ。あるいは、想像できるか、できないか。(本文から引用)
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