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黒き荒野の果て の商品レビュー

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30件のお客様レビュー

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2022/10/22

米国南部の町で自動車修理工場を営むボーレガード。裏社会で語り継がれる伝説のドライバーだった彼は、足を洗い家族とまっとうに暮らしていた。 だが工場の経営が傾きだしたことで運命の歯車は再び狂い始める。 金策に奔走するボーレガードに昔の仲間が持ちかけてきたのは宝石店強盗の運転役。そ...

米国南部の町で自動車修理工場を営むボーレガード。裏社会で語り継がれる伝説のドライバーだった彼は、足を洗い家族とまっとうに暮らしていた。 だが工場の経営が傾きだしたことで運命の歯車は再び狂い始める。 金策に奔走するボーレガードに昔の仲間が持ちかけてきたのは宝石店強盗の運転役。それは家族を守るための最後の仕事になるはずだった。ギャングの抗争に巻き込まれるまでは――。 ありがちなシチュエーションだが、カーチェイスの描写で読ませます。

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2022/09/12

CL 2022.9.10-2022.9.12 アメリカンノワール。 犯罪から足を洗ってまっとうに暮らしていると言っても、暴力的なところは微塵も変わってないようだから、いくら家族を愛していても結局こうなる運命だったんじゃないかな。 遺伝による暴力的傾向か。 犯罪者の連鎖。アンソニー...

CL 2022.9.10-2022.9.12 アメリカンノワール。 犯罪から足を洗ってまっとうに暮らしていると言っても、暴力的なところは微塵も変わってないようだから、いくら家族を愛していても結局こうなる運命だったんじゃないかな。 遺伝による暴力的傾向か。 犯罪者の連鎖。アンソニーからボーレガードへ。ボーレガードからジャヴォンへ。 犯罪小説をカッコいい、面白いと思えなくなったのは年取ったからかな。

Posted byブクログ

2022/06/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

裏家業の運び屋から足を洗って、真面目に自動車整備工場を営んでいる主人公ボーレカード(バグ)。しかし、同じ町に大きな同業者の工場ができ、経営難に陥り、裏家業にもう一度足を突っ込まざるを得なくなる。 貧困と犯罪、家族のしがらみ。抜け出せない過去、黒人と白人それぞれの格差社会と交錯する差別…。前世紀から続くアメリカのやるせない社会問題を背景に、ぶっとびカーチェイスシーンを織り交ぜて描くアクションノアール小説。 スピード感といぶし銀的渋さの両立。古い器に新しい酒を入れる手法の模範例ともいえる傑作。 日本もここまで貧困化し、都市圏と圏外の生活や文化がかけなはれている現状、よそ事と笑えない小説だと思う。貧しさは心の余裕をなくし、犯罪や差別や社会不安を育み、結果的に社会だけでなく個人をむしばむんだと思う。

Posted byブクログ

2022/06/15

映画のシナリオを読んだ気分。読んでる間は映像を見ている気分だった。映画化されればヒットするんじゃないかな。その分、本を読んでいる感じは薄かった。

Posted byブクログ

2022/06/07

設定はありきたりな感じだが、読み始めると初っ端から疾走感と緊迫感にグイグイ引っ張られる。ハードボイルドチックな気の利いた会話や時には詩的な感じさえする比喩表現も愉しい。

Posted byブクログ

2022/06/05

悪事に身を浸した父は母と息子を残して去って行った。 父に憧憬を持ち続ける黒人の主人公。差別の残るアメリカ南部で車の修理工場を経営するが、会社の金、施設にいる母のための金、子供たちのための金のために足を洗った裏稼業に手を出す。誘われた相手が最悪でドンドン泥沼の中に沈んでいく。 スト...

悪事に身を浸した父は母と息子を残して去って行った。 父に憧憬を持ち続ける黒人の主人公。差別の残るアメリカ南部で車の修理工場を経営するが、会社の金、施設にいる母のための金、子供たちのための金のために足を洗った裏稼業に手を出す。誘われた相手が最悪でドンドン泥沼の中に沈んでいく。 ストーリーの展開は俊逸なクライム小説。 キャラクターが想像を超えないので星一つ減。

Posted byブクログ

2022/06/04

レビューはこちら↓ http://blog.livedoor.jp/bunkoya/archives/52600844.html

Posted byブクログ

2022/04/19

わかりやすい登場人物の描写。カーアクションの描き方は圧巻である。実際に事が進む中盤以降、物語はテンポ良く進んでいく。あれだけ巨額の強奪事件で人も多数死んだのに警察がほとんど絡んでこないって、あり?

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2022/03/14

 ホンモノのノワールがやって来た。古いフレンチ・ノワールの世界が、現代に帰ってきた。そういう小説の時間をもたらしてくれる作品である。  70年代のアメリカン・ニューシネマのフィルムの傷を想定しながら読む。暗闇に潜んで見上げていた傷だらけのスクリーン。暗くくすんだカラー。映画館内...

 ホンモノのノワールがやって来た。古いフレンチ・ノワールの世界が、現代に帰ってきた。そういう小説の時間をもたらしてくれる作品である。  70年代のアメリカン・ニューシネマのフィルムの傷を想定しながら読む。暗闇に潜んで見上げていた傷だらけのスクリーン。暗くくすんだカラー。映画館内に漂う煙草のにおい。小便臭いコンクリート打ちっぱなしの廊下の匂い。しかしスクリーンの向こうには、野望を持つ男と女のしゅっとした切れの良さがある。銃口と硝煙。カーブの向こうを見据えるドライバーの冷徹な眼差し。  それらは大抵。美しい犯罪ストーリーだった。生と死、疑わしい愛、安全さに欠ける大金、それらがやり取りされていた。魅せられるが、脆過ぎる。ぎりぎりの展開。破滅か生存かを賭けて、犯罪、裏切り、脱出や生存の可否を、いつも秤にかけていた。  本書は、南部の田舎町のトレーラーハウスに生活する黒人の一家の物語である。ビターの効いたホームドラマと言って言えないこともない。主人公ボーレガードは自動車修理工場を営むが、競争相手の出現で破産を目の前にしている。目の前には、過去からやって来た犯罪という餌がぶら下がり、彼は家族のため、敢えて餌に喰らいつく。危険だが、それしかもう道はない。追いつめられた状況劇。  うまい話には裏がある。裏切りに満ちた犯罪者たちの個性ある顔ぶれ。ボーレガードの運転技術が凄まじい。自動車を知り尽くしているゆえ、犯罪に用いる車に関しては整備も運転も100%引き受ける。路上のアクションを主体にした小説作品はそう多くないだろう。ギャビン・ライアル以来、あまりお目にかかっていないかもしれない。  一人一人の書き分けも素晴らしい。癖のある男と女。ボーレガードの家族と彼らの長年の仕事仲間。こちら側の人間たち。愛と友情。一方では悪玉が列をなす。こわもての狂犬たち。裏切り者たち。ひとつの犯罪仕事をきかっけに、次々と組織間の衝突が巻き起こり連鎖する。一人一人、順番にこの世とおさらばをしてゆく。いとも簡単に。静と動を絡み合わせたクライム小説。銃と、暴力と、カーチェイス。  こう書いてみると単純に見えるかもしれないが、前半部は少し長めの導火線であり、静である。だが爆発物に近づいているのはわかる仕掛けだ。とりわけボーレガードと家族たちは追い込まれてゆく。かつて失踪し、この世から消滅してしまった父の物語。いなくなった父から引き継いだ愛車ダスターへのこだわりが、夫婦間の平和を切り裂く。子供たちを切り裂く。実はこの前半によって後半の物語にも厚みが出る。  家族。消えた父。育ちゆく息子たち。彼らに迫る危険な奴ら。家族を生き延びさせるために、ボーレガードが何をしなくていけないのか。  大一番の賭けに出る男たちの、知略の勝負を描いて圧倒するクライムの傑作が登場した。この作家の今後が楽しみだ。そのくらい活きのいい一冊である。

Posted byブクログ

2022/03/07

家族のために最後の仕事,犯罪へと向かうボーレガード。家族のため、守るためだったはずのことがどんどん追い込まれていく。犯罪計画と信用できない仲間たち。夫として父親としての想いと妻の気持ちとのずれ。その間で揺れながらそれでも計画に飛び込んでいくこと。乾いた空気がある犯罪小説であり、良...

家族のために最後の仕事,犯罪へと向かうボーレガード。家族のため、守るためだったはずのことがどんどん追い込まれていく。犯罪計画と信用できない仲間たち。夫として父親としての想いと妻の気持ちとのずれ。その間で揺れながらそれでも計画に飛び込んでいくこと。乾いた空気がある犯罪小説であり、良くも悪くも家族を強く想っている家族小説でもあってとても読み応えのある作品。

Posted byブクログ