1,800円以上の注文で送料無料

黒き荒野の果て の商品レビュー

4

28件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/10/27

頬に哀しみを刻めが面白かったので、読みました。今作も過激でハードなアクションたっぷりのクライムサスペンス。終わり方も良かった。

Posted byブクログ

2024/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ボーレガードは車の修理工場の経営者であり、凄腕の運転技術を持つドライバーでもある。 生活は厳しい。 同業者に客は奪われ、子どもたちはお金がかかる年頃だ。 このままでは取引先への支払いもできず、破産に追い込まれそうな状況で、一攫千金の仕事が舞い込む。 ストーリーはシンプル。 だが、読ませる。理由は登場人物たちが、欲望に満ちた、正直な人間の姿として描かれているからだろう。 ボーレガードは父親の残像に縛られ、社会的にも真っ当な能力があるにも関わらず、犯罪に手を染める。 なぜなら「金」が必要だからだ。 このままでは修理工場は倒産し、子どもたちに良い教育を受けさせてやれない。 では、どうして犯罪なのか? これがボーレガードの性(さが)として描かれる。 ボーレガードだけでなく、ロニーや他の登場人物たちも「金」に人生を狂わされていく。 本当は貧乏から脱したかっただけなのに。 幸せを誰よりも欲するが、その手の入れ方を誤った男たちの寂しい物語でもある。

Posted byブクログ

2024/09/11

これは面白かった。 S・A・コスビーはどの作品も面白く、作品を重ねる毎に描かれている物語的にも描いている社会背景的にも作品的にも深度が深まってる印象がある。 だが、個人的には一番好みのタイプなのが本作。 かつて裏稼業で生活していた男が、愛する者と出会い足を洗う。だが、表の世界での...

これは面白かった。 S・A・コスビーはどの作品も面白く、作品を重ねる毎に描かれている物語的にも描いている社会背景的にも作品的にも深度が深まってる印象がある。 だが、個人的には一番好みのタイプなのが本作。 かつて裏稼業で生活していた男が、愛する者と出会い足を洗う。だが、表の世界での生活が苦しくなり、再び裏稼業に手を出す。簡単だと思っていた仕事が、実はギャングの金で……というどこかで観たことあるようなシンプルな物語ではある。 だが、これがS・A・コスビーが描くと見事なクライムノベルに仕上がっている。 これは映画化したら絶対最高だろう、というシーンがいくつもある。 クライマックス、ダスターという愛車の登場シーンからカーチェイスシーンまで絶対映画だったら見せ場になるシーンで、文章でありながらもそのイメージでかなり痺れた。 当然ながら映画化の話もきているらしい。 映画が今から待ち遠しい。

Posted byブクログ

2024/08/29

久々に骨太なハードボイルを堪能。 メインストーリーはありがちな設定だが、主人公のキャラが深く描きこまれていて、生い立ちからくる父親へのトラウマ(ここが少し冗長)、その反面としての現家族への強い想いをベースに、男同士の友情、裏切りがフィルムノワールのように濃厚に描かれている。 バ...

久々に骨太なハードボイルを堪能。 メインストーリーはありがちな設定だが、主人公のキャラが深く描きこまれていて、生い立ちからくる父親へのトラウマ(ここが少し冗長)、その反面としての現家族への強い想いをベースに、男同士の友情、裏切りがフィルムノワールのように濃厚に描かれている。 バイオレンスシーンもあって、どこかエルモア・レナードやデニス・ルヘインを思わせるような切なさも漂う。 歯切れのよい文章が実にうまく、暗いトーンの比喩や暗喩も見事でラストまでじっくりと楽しめる。

Posted byブクログ

2024/08/10

凄腕ドライバーが主役のノワール小説というとこで面白かったけれど、主人公が深みにハマっていくのが結構自業自得なところがあったり、親子三代で血は争えない的な描写があって、少しモヤモヤする部分もあった。

Posted byブクログ

2024/07/06

冒頭のカーアクションが良かった。主人公だけでなく、登場人物はみな個性的で、面白いのだが、対決シーンの凄惨さが好みに合わず。家族を思う気持ち、裏社会の仕事を引受け、いなくなった父への思いもいい。 裏社会で語り継がれる伝説のドライバー・ボーレガードが主人公。まっとうに暮らしていたが...

冒頭のカーアクションが良かった。主人公だけでなく、登場人物はみな個性的で、面白いのだが、対決シーンの凄惨さが好みに合わず。家族を思う気持ち、裏社会の仕事を引受け、いなくなった父への思いもいい。 裏社会で語り継がれる伝説のドライバー・ボーレガードが主人公。まっとうに暮らしていたが、工場経営が苦しくなり、強盗の運転役を引き受けてしまう。そこから、ギャングの抗争に巻き込まれる。

Posted byブクログ

2024/05/31

裏社会から足を洗って家族を守るよき父親であろうとする元走り屋が主人公。 カーチェイスシーンを文章だけでこんなに魅力的に描ききるのは凄い。手に汗握り引き込まれた。

Posted byブクログ

2024/05/19

 主人公は、犯罪に絡む逃走を請け負う元プロフェッショナル・ドライバーで、今は堅気の自動車修理工場の経営者だ。経営は苦しく、昔の仲間から持ち込まれた宝石店強盗の仕事に絡めとられていく。強盗に入った宝石店が組織暴力と関連があったことから、主人公は泥沼のような悪と暴力にはまっていく。 ...

 主人公は、犯罪に絡む逃走を請け負う元プロフェッショナル・ドライバーで、今は堅気の自動車修理工場の経営者だ。経営は苦しく、昔の仲間から持ち込まれた宝石店強盗の仕事に絡めとられていく。強盗に入った宝石店が組織暴力と関連があったことから、主人公は泥沼のような悪と暴力にはまっていく。  主人公の父親から続く暴力性が立ち切れず、彼の子供まで悪の素養に魅入られたように染まる。一見、暴力の世界から縁が切れたように見えたが、暴力の血は濃く、きっかけさえあれば見る間に増殖していく。  主人公の苦悩や暴力のリアリティが群を抜き、物語に引き込まれる。主人公が運転する車のように、スピード感をもったまま終盤を迎えるが、決してハッピーエンドではない。 人の中にある暴力性を考えさせられる秀作だと思う

Posted byブクログ

2024/05/18

先日読んだ『頬に哀しみを刻め』があまりに良かったので、その興奮が冷めないうちに前作の『黒き荒野の果て』に手を出した。期待通り、とても良かった。 作品の根底に流れるものは『頬に哀しみを刻め』と変わらない。主人公バグことボーレガード・モンタージュは、『頬に〜』の主人公アイクと同じく...

先日読んだ『頬に哀しみを刻め』があまりに良かったので、その興奮が冷めないうちに前作の『黒き荒野の果て』に手を出した。期待通り、とても良かった。 作品の根底に流れるものは『頬に哀しみを刻め』と変わらない。主人公バグことボーレガード・モンタージュは、『頬に〜』の主人公アイクと同じく過去に犯罪を犯した黒人男性で、裏社会の「走り屋」のようなことをしていた。現在は中古車修理工場を営み、問題を抱えつつも、家族を愛している。しかし、抱えていた問題が徐々に大きくなり、大金が必要となったボーレガードは、かつての裏社会の仕事に復帰する。仕事を持ちかけてきた相手が信用のおけない男だとわかっていても、選択の余地はなかったのだ。そして、事態は思わぬ展開を見せ、ボーレガードは窮地に立たされていく。 ボーレガードは、自分が決して正しい人間ではないことを認識している。怒りに我を忘れてしまうことに苦しみつつ、裏社会の水が自分には合っているという事実から目を背けようとしている。彼と友だちになりたいとは思わないが、彼の抱える苦しみは読む者に強く訴えてくるものがある。 本書の白眉は、何といっても走り屋であるボーレガードのカーチェイスのシーンだろう。私はこれまで、これほどまでに鮮烈かつスピード感のあるカーチェイスを本で読んだ経験がない。ぜひ本書を手にして、疾走感満載のシーンが脳内で再生されていく驚きを味わってもらいたい。

Posted byブクログ

2024/04/01

まるで映画ワイルドスピードを観ているような犯罪カーチェイスエンターテイメント。 古き良きアメリカ1970年代マッスルカーが出てきて、やはりこの時代の車はかっこいい。 ダスター、シェベル乗りたい。

Posted byブクログ