流浪の月 の商品レビュー
わたしが小説に求める要素のひとつに「現実逃避」がある。この作品の設定は、現実をベースにしつつも自分の身には到底起こらないシチュエーションという意味で絶妙な現実逃避になってよかった。泣ける一冊。
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コンプレックスは恐ろしい。 コンプレックスを誰かに打ち明けるということは、嫌われるかもしれない、馬鹿にされるかもしれない、とにかく怖いのです。 人というのは自分の見たいところだけを見たいようにしか見ない。そんな人の怖さが際立っていました。 この作家さんの書く本は、相性がいいの...
コンプレックスは恐ろしい。 コンプレックスを誰かに打ち明けるということは、嫌われるかもしれない、馬鹿にされるかもしれない、とにかく怖いのです。 人というのは自分の見たいところだけを見たいようにしか見ない。そんな人の怖さが際立っていました。 この作家さんの書く本は、相性がいいのか、周波数が合うのか、どれを読んでも物語に深く入りんでしまう感覚があります。
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映画鑑賞後にレビューを見たら、小説の方が良いという感想が多かったので読んでみた。 映画でうーん、ってなって、小説読んでもうーん、ってなった。 ただ私の好みじゃなかっただけか。 映画ではなんでここまでロリコンて言われる理由がよくわからなかったけど、小説ではそこがちゃんと書かれてたか...
映画鑑賞後にレビューを見たら、小説の方が良いという感想が多かったので読んでみた。 映画でうーん、ってなって、小説読んでもうーん、ってなった。 ただ私の好みじゃなかっただけか。 映画ではなんでここまでロリコンて言われる理由がよくわからなかったけど、小説ではそこがちゃんと書かれてたからその部分はすっきり。
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この作品の描く「居心地の良い存在」という関係性に深く共感しました。 性的なことをしない、歳の離れた男女の関係。 周囲の人は性犯罪と呼ぶかもしれないけれど、当人達の気持ちや関係性は至って純粋。 「ただ居心地が良い」という理由だけで一緒に居る関係性も認められて良いのではないかと思いま...
この作品の描く「居心地の良い存在」という関係性に深く共感しました。 性的なことをしない、歳の離れた男女の関係。 周囲の人は性犯罪と呼ぶかもしれないけれど、当人達の気持ちや関係性は至って純粋。 「ただ居心地が良い」という理由だけで一緒に居る関係性も認められて良いのではないかと思いました。
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後半、彼の気持ちを読んで一気に救われた。 人は白黒つけたがるけど、曖昧なままでもいいと思えた。幸せになってほしい。
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性的な恋愛関係で無くても惹かれ合う関係がある。自分の価値観で他人の関係を評価することの残酷さを感じた。
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ずっと気になっていた一冊。やっぱりというか……とても良かった。映像ではなく小説で読むことの方がしみる作品だと思う。 世間的には誘拐事件の加害者と被害者である2人だが、世間で認識されている事実と、真実は大きくかけ離れている。そこに起因する認識の隔たりが、事件当時も15年後も、2人を...
ずっと気になっていた一冊。やっぱりというか……とても良かった。映像ではなく小説で読むことの方がしみる作品だと思う。 世間的には誘拐事件の加害者と被害者である2人だが、世間で認識されている事実と、真実は大きくかけ離れている。そこに起因する認識の隔たりが、事件当時も15年後も、2人を追い詰めていく。一般的な優しさに救われながらも、その常識的な優しさに突き落とされるのは苦しい。理解されないことに対して、更紗が引き潮や静かで暗い川など、水にまつわる比喩をしていたのが印象的だった。 2人を取り巻くしんどい状況に反して、更紗の幼少期の幸せな記憶や、2人の生活は、明るさに彩られている。家内夫妻が作り上げていた小さく幸福な世界は、特に色鮮やかで読んでいる私もうっとりしてしまった。そんなバックボーンがある更紗だからこそ、文の救いにもなったんだろう。そして危うい均衡ながらも丁寧に積み上げられた文の生活空間も、更紗の拠り所になっていた。この環境描写が、恋愛関係とはまた違う、相互補完の関係がすっと入り込む一助になったんだと思う。 更紗の感性は、個人的にけっこう好みである。その視点を介した物語描写を追えたのが、読後感の気持ちよさにつながってるんだろうなあ。
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ずっと読みたくて、読めた。 2日で読み終わってしまった。 すごく引き込まれて、寝るのも忘れて読んでた。 さらとふみ。 世間は真実とは異なるものを事実として作り上げ、無意識にみんな傷つけてる。 読んでてつらくなった。 さらとふみの関係がすごく素敵に思えた。これも語弊がありそうだけど。 自分をわかってくれる誰かがいるだけで、すごく幸せなんだと再確認できた感じ。
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真実と事実。これってやっぱり、それぞれが存在し、人の数だけ真実と事実があると思う。 人は自分の頭で整理できる都合の良い方に真実と事実を作っていく、文とサラサにしか理解できない真実と事実があるのに周りが勝手に想像し、形づくり、干渉し、傷つけていく。 でも、人は自分より他人に興味があるんだよね。 ラストは真実と事実を超えた二人だけの真実と事実を生きていく。そこに梨花が加わることもとても素敵。
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気になっててようやく読めた 私の目の前に2人が現れたらどうするだろうと考えた。事実を知った上で会った時、真実を告げられたら100%信じて話を聞けるのか。法は守らなくてはいけないのでそれ自体を肯定することはできないが、それでもその事実があったとしても本人達にしかわからないことはあっ...
気になっててようやく読めた 私の目の前に2人が現れたらどうするだろうと考えた。事実を知った上で会った時、真実を告げられたら100%信じて話を聞けるのか。法は守らなくてはいけないのでそれ自体を肯定することはできないが、それでもその事実があったとしても本人達にしかわからないことはあって、それを話された時私は小説の登場人物達みたいなことを少しでも思ってしまうのではないか。優しさでしたこと言ったことが逆に傷つけてしまうこともある。 現実でもあることだと思う。どうしても先入観から何を言っても○○だからこんなことを言ってるんだね、とわかった気になって勝手に解釈をしてしまう、当事者にしかわからないのに知ってる気になって同情したり叩いたり…というのはネットでも見る。 自分自身も無意識にしてしまってるかもしれない。人の話は先入観持たずに聞きたい、人伝に聞いた話は鵜呑みにしないと思った。 それぞれがそれぞれに思うことがあって、それをみんな全てを理解してもらうことは難しいと思う。分かり合えないこともある。諦めなくてはいけないこともあるかもしれない。でも1人でも少しでも理解してくれる、理解したいと思い思ってくれる人がいたら素敵だと思った。
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