ソ連兵へ差し出された娘たち の商品レビュー
敗戦直後の満州で起きた女性たちへの性暴力。終戦から80年近い年月が経とうとしている2022年の現在、被害者となった女性の肉声を収めることができる最後のタイミミングだったのではないでしょうか。 戦争を賛美してはいけない理由が何かと問われたら、その答えはここにあると思います。もちろ...
敗戦直後の満州で起きた女性たちへの性暴力。終戦から80年近い年月が経とうとしている2022年の現在、被害者となった女性の肉声を収めることができる最後のタイミミングだったのではないでしょうか。 戦争を賛美してはいけない理由が何かと問われたら、その答えはここにあると思います。もちろん、答えはひとつだけでなくて、たくさんの理由がありそれぞれに優劣はなく、戦争反対の大きな理由の一つです。 彼女たちの悲劇の記憶。ただ自分の胸の内にひた隠しにしてきた人生というものに想像はできないし、安易に同情し理解したつもりになってはいけない。それでも、記録として残しておかないと、歴史から消えてしまう。安易な同情をすることもできずに、時に流され、なかったことにされてしまうのは、違うのではないか。 文中で「非常時だから」「しかたがない」という許容に対して、自分が犠牲にされない限り、という根拠のない前提が無意識にあるから、という一文があります。これが最も危険な考え方ではないかと感じます。 物事の責任を放棄し、思考停止してしまう。 いろいろと思うところのある一冊でしたが、安易に同情してしまいそうになるから、感情の起き所が難しい。被害にあってしまった人々に、自分ができることはないと思う。安易に同情することは、自己満足でしかないと思う。 少なくとも、同じ悲劇を繰り返さないことを目指すしかないのではないか。当たり前だけど、毎年この季節になると繰り返されるお題目ではあるけども、平和を自分達の後の世代へ継続してゆくことが、大事なことなのでしょう。 記憶を残すことでしか伝えられない事実はある。 全てを聞き取ることはできないかもしれないけども、自分が知ることができたことに関しては真摯に向き合わなければならない、と思います。
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満洲開拓団が引き上げに際し、 団内の10代の娘をソ連兵に差し出し引き換えに安全を確保した事実。 ソ連兵の質の悪さはウクライナでも証明されているが、 団幹部の醜さは軍上層部の連中にも通じる劣悪さがある。 さらに劣悪なるのは、帰国後の彼女たちに対する態度。 ひたすら負の部分は隠蔽し、...
満洲開拓団が引き上げに際し、 団内の10代の娘をソ連兵に差し出し引き換えに安全を確保した事実。 ソ連兵の質の悪さはウクライナでも証明されているが、 団幹部の醜さは軍上層部の連中にも通じる劣悪さがある。 さらに劣悪なるのは、帰国後の彼女たちに対する態度。 ひたすら負の部分は隠蔽し、きれいごとで帰国できたように装い 彼女たちを差別したことは人間として許すことはできない。 男たちが始めた戦争で、犠牲になるのは常に女子供。 今も恐らくこの事実は変わらない事であろう
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ソ連兵へ差し出された娘たち 著作者:平井美帆 発行者:集英社 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 ブックログ facecollabo home Booklog https://facecollabo.jimdo...
ソ連兵へ差し出された娘たち 著作者:平井美帆 発行者:集英社 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 ブックログ facecollabo home Booklog https://facecollabo.jimdofree.com/ 敗戦直後の満州でソ連兵から皆を守るために一つの開拓団が下した「究極の決断」とは
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このことは前から知っていた。その時はソ連兵が酷いと思った。もちろんそうだけど日本の男も帰ってからの周りの日本人も酷い。(残念だー。語彙力)日本人はこんな事があったと知っておかなければいけないよな。
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「娘を殺して自分も死ぬ」・・無力感に苛まれ行きつく先。勿論、人の命を奪う権利などない。生きてこそ、その後の人生がある。語り継ぐこともできる・・満州で迎える終戦。集団自決を免れた黒川開拓団。それができた裏の事情。「接待」という的を得ない表現。尊厳を傷付けられた「犠牲者」たち。なかっ...
「娘を殺して自分も死ぬ」・・無力感に苛まれ行きつく先。勿論、人の命を奪う権利などない。生きてこそ、その後の人生がある。語り継ぐこともできる・・満州で迎える終戦。集団自決を免れた黒川開拓団。それができた裏の事情。「接待」という的を得ない表現。尊厳を傷付けられた「犠牲者」たち。なかったことにはできない。陰がつきまとう。語ることのできない思いを慮っても行きつけない。それでも考え続けることが大切。平和への備え。選択肢のないその究極に至らぬよう、今何ができるのか。現在も異国で起きている出来事を前に頭をフル回転させる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 本書に対して遺族会が抗議声明を出している。一旦は拳を下したようだが、関係者や地元白川町には相当なわだかまりが残ったことだろう。確かに故人や遺族を直接批難するような表現があり危ういものを感じた。終章では、現代の女性差別問題にも結びつけようとしているが、書を改めて欲しかった。多くの人がそれぞれの立場で悲惨な思いをした先の大戦。より弱きものを思えというのならば、日本進出により追い出された現地の方々の視点はどうなのか。テーマから逸脱したところで余計な対立を生んで欲しくない。戦争は微かな憎しみから生まれるのだから。
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もうひとつの「戦争は女の顔をしていない」だと思った。 第二次大戦敗戦直後の満洲。 タイトルからは、ソ連の蛮行(戦争犯罪)が連想される。もちろんそれも酷いが、メインではない。 本書で最も断罪されるべき存在は、自分達のコミュニティを守るため、ソ連兵に若い未婚の女性を差し出し「接待」...
もうひとつの「戦争は女の顔をしていない」だと思った。 第二次大戦敗戦直後の満洲。 タイトルからは、ソ連の蛮行(戦争犯罪)が連想される。もちろんそれも酷いが、メインではない。 本書で最も断罪されるべき存在は、自分達のコミュニティを守るため、ソ連兵に若い未婚の女性を差し出し「接待」させた日本の男たちだ。 衝撃的な内容に、男として考えさせられることが多い。 男性こそ読むべき本だ。 「戦争で男は無力になっちゃう。女は男の人の食い物にされる」ー接待に差し出されたある女性の言葉だ。 結局、戦争の大義は、個人の人格を犠牲にして成り立つ。どんなに綺麗事を言っても、それが真実だ。 やはり、戦争は人間の顔をしていないし、どんな理由があっても許してはならない。 ウクライナの平和を祈らずにはいられない。
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『生きている間に読むべき本』というものがこの世にはあると思う 本著もそのうちの1冊だと感じる 第二次世界大戦で日本は敗れた その時満州開拓団に起こった悲劇がノンフィクションで綴られている 集団自決や子殺しという 命の尊さを顧みることすらできない 戦争が引き起こす道徳感の...
『生きている間に読むべき本』というものがこの世にはあると思う 本著もそのうちの1冊だと感じる 第二次世界大戦で日本は敗れた その時満州開拓団に起こった悲劇がノンフィクションで綴られている 集団自決や子殺しという 命の尊さを顧みることすらできない 戦争が引き起こす道徳感の及ばない状況… 開拓団を守るために…と『接待』という名でソ連兵に差し出された 未婚の若い女性の悲劇… 綴られるのは人間のおぞましさだが これを直視しなくては今後の世の平和追求はあり得ないと思う 『性欲』とは一体なんだろうと思う 男性の性欲を満たすために女性が差し出されるとは 絶対にあってはならない行為だ 死ぬほど辛いレイプを 接待というあやふやな呼び名で強いられた女性が 帰国後は汚いと罵られる二重苦に落とされた事実を知るに至り 怒りと悲しみで胸が張り裂けそうだった 平和な時には守られやすい『道徳感、倫理観』が 戦争時には守られない この世で1番恐ろしいのは 人間の我欲に他ならない 戦禍のような 非日常時にこそ人間の強欲が現れる 自分がどんなに清い心を保っていても それを侵す集団や体制には太刀打ちできないのが事実だ 人間とはなんだろう 性欲を初め、人の持つ欲望とはなんだろう 考えるほど 今この平和に思える日々が 実は嘘くさい裏側の世界のように思えてならない
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敗戦後、当時の日本の傀儡国であった満州から、開拓移民団が引き揚げる際のノンフィクションと、その後の引き揚げ者からの聞き取りルポが中心。 1929年から約2年続いた世界恐慌の影響と人口飽和、耕地不足と言う問題解決のため、満州開拓移民の必要性が一部農学者から強く説かれ、それが関東軍...
敗戦後、当時の日本の傀儡国であった満州から、開拓移民団が引き揚げる際のノンフィクションと、その後の引き揚げ者からの聞き取りルポが中心。 1929年から約2年続いた世界恐慌の影響と人口飽和、耕地不足と言う問題解決のため、満州開拓移民の必要性が一部農学者から強く説かれ、それが関東軍の思惑と一致して、組織的な移民計画へと移る。 本書の日本側の舞台となるのが、岐阜県の黒川開拓団。貧しい村、貧しい家にとっては国の甘言に乗るのは容易いことだったのだろう。他の村などにも声をかけ集団で満州に移動した。 しかし現地で待ち受けていたのは、厳しい環境で、住居も現地の人を追い出して使用すると言うものだった。だが苦労して開墾を進める。 敗戦が近づくと、米英とヤルタ秘密協定を結んでいたソ連が、一方的に日ソ中立条約を破棄し宣戦布告を行う。ソ連兵は逃げ惑う農民、女子どもを手当たり次第に殺していく。自分たちの行く末に絶望した人々は、自分では死にきれないため、在郷軍人らに日本刀で切り殺してもらうため、長蛇の列をなしたという。 ソ連兵だけではない。それまで虐げられてきた中国人たちも暴徒化し襲ってきた。 黒川開拓団は迫り来る中国人から自分たちを守るために使った手段は、進駐していたソ連兵に若い独身女性を「接待」と称して慰安させることだった。 本来日本人を守るべき関東軍や行政幹部は、戦況が悪くなると、いち早く立ち去っていた。そして開拓団の取った人身御供提供の決断は、ごく一部の男性幹部。 命からがら帰国出来た団員は、接待のことを表沙汰にはしないどころか、ことを矮小化しようとする。 戦争はどれも男が始め、勝っても負けても一般人、特に女や子どもなどの弱者が犠牲になる。 あらゆる決め事を一方の性だけで行ってきたこの国は、自省を込めて戦後を歩んできたと言えるのか と言う筆者の言葉が心に深く刺さる。 きな臭い世界情勢の中、女性の視点も入れて、国々との対話が必要なのだろう。
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真実の前では言葉はあまりにも空疎だ。なのでコメントは差し控える。歴史の片隅で忘れ去られることが必定の事実を後世に書き残すことがどれだけ偉大な仕事か、改めて考えさせられる。第三次世界大戦の扉が開かれるかもしれないこのタイミングで、殺し合いとは別の戦争の悲惨さを追体験しておくことは無...
真実の前では言葉はあまりにも空疎だ。なのでコメントは差し控える。歴史の片隅で忘れ去られることが必定の事実を後世に書き残すことがどれだけ偉大な仕事か、改めて考えさせられる。第三次世界大戦の扉が開かれるかもしれないこのタイミングで、殺し合いとは別の戦争の悲惨さを追体験しておくことは無意味ではない。
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満州開拓団として中国に渡った人達の敗戦後の悲惨な歴史。 敗戦後は現地の満州人からの暴動から、開拓団を守る為に数えで18歳以上の未婚女性が選ばれ、ロシア兵への「接待」を行った。 過酷な環境のために、生理も止まっており妊娠する事はなかったようだ。 敗戦後しばらくすると、日本へ帰る為...
満州開拓団として中国に渡った人達の敗戦後の悲惨な歴史。 敗戦後は現地の満州人からの暴動から、開拓団を守る為に数えで18歳以上の未婚女性が選ばれ、ロシア兵への「接待」を行った。 過酷な環境のために、生理も止まっており妊娠する事はなかったようだ。 敗戦後しばらくすると、日本へ帰る為に港へ移動する際にも満州人にも身体を提供する事を余儀なくされる。 戦前、戦中では女学校で貞節を守る大和魂を教え込まれた少女達の経験した事は筆舌に尽くしがたい。 帰国した後も、故郷でも、同じ開拓民からも差別を受けた彼女らの事を思うと胸が痛い。 戦争では全ての人に等しく被害があるわけではない。男性は戦線へ送られたとしても亡くなってしまったとしても、靖国や遺族からは尊敬を受ける一方、身を挺して開拓団を守った彼女達への賞賛などない。 本書はミクロのケースを取り上げる事で、戦争の悲惨さの一端を知らしめている。高齢の彼女達の話をここまでまとめるのは難しかったのかも知れないが、もう少し綺麗にまとめて欲しかった。 さらに現代の価値観で当時差別を行った開拓団の男性を責めている描写もあるが、エリートならいざ知らず当時の一般市民にそのような思想などある訳なく責めるのは酷だろう。
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