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ソ連兵へ差し出された娘たち
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2022/01/26 |
JAN | 9784087890150 |
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ソ連兵へ差し出された娘たち
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商品レビュー
4.4
51件のお客様レビュー
男達のエゴ、欺瞞、狡さ、弱さ
太平洋戦争敗戦後の動乱期の旧満州で、ある開拓団の娘達が受けた性暴力の深層に果敢に切り込んだノンフィクションである。著者の視線は、戦争の狂気、非人間性や社会的弱者の犠牲という事象にとどまらず、敗戦後の開拓団の男達のエゴイズム、欺瞞、狡さ、弱さに向けられている。ソ連兵や中国人兵らの蛮...
太平洋戦争敗戦後の動乱期の旧満州で、ある開拓団の娘達が受けた性暴力の深層に果敢に切り込んだノンフィクションである。著者の視線は、戦争の狂気、非人間性や社会的弱者の犠牲という事象にとどまらず、敗戦後の開拓団の男達のエゴイズム、欺瞞、狡さ、弱さに向けられている。ソ連兵や中国人兵らの蛮行は責められて当然だが、団員の生命財産の防衛のため「接待」と称して娘達を彼らに差し出すことを決定し加担した団幹部や、それを集団的に見て見ぬ振りをした団員らの行為には、瞑目したままでいるべきではなかろう。加えて日本への引き揚げ後、彼女らがさらされた理不尽な差別や偏見、「献身的犠牲」といった美化などは許されようはずもない。ある女性の発言に見える「非常時だから」しかたがないという「許容には、根拠なく設定されている前提条件がある。自分が犠牲にされない限り、である。」、また「女性の『性』を物として消費する文化的土壌がいかに根強く存続し、そこに男たちがいかに無意識であるか」という著者の現在にも通ずる指摘は重い。関係者が次々と鬼籍に入られる今、著者が粘り強く当事者から直接取材し、記憶を記録として書き下ろした本書を世に送り出した意義は大きい。
fugyogyo
第二次世界大戦後の満州…暴徒化した満人やソ連兵から開拓団を守る使命を課せられた若き女性たち…その身を捧げる「接待」と言えば聞こえはいいが、性の捌け口、もっとわかりやすく言えば彼女たちを生け贄のように差し出し、強姦・レイプさせていた過去があった…。引き揚げ帰国した彼女たちは、同じ...
第二次世界大戦後の満州…暴徒化した満人やソ連兵から開拓団を守る使命を課せられた若き女性たち…その身を捧げる「接待」と言えば聞こえはいいが、性の捌け口、もっとわかりやすく言えば彼女たちを生け贄のように差し出し、強姦・レイプさせていた過去があった…。引き揚げ帰国した彼女たちは、同じ日本人からも「棄民」として蔑まれ、その身にも心にも受けた傷を癒すことができないでいた…そんな彼女たちを取材したノンフィクション。 この作品いつか読もうと思っていた作品です。終戦から79年です。この作品が刊行されたのが2年前、証言してくれた女性はもう90歳を越えていますよね…。もう、すでに亡くなられている方も多い中、書籍として残っているのはとてもいいことだと思います。辛い戦時体験をされた方は、彼女たちだけではないし、みな高齢になっています。悲劇を繰り返さないためにも、話せるうちに記録しておくことは大事ですよね…。 で…彼女たちのことです。本当に辛かったし怖かったことだと思います…。一緒に満州に渡った家族や開拓団を守るために、逃げ出したくても逃げられない…。そして、帰国後も悲しい思いを…。今なら、どうでしょう?イヤなものはイヤだと、どうしてそんなことをしなくてはならないのか?と反抗して逃げることもできる…し、だいたいにして、そんなことをさせようとは、思わないですよね…。時代背景と一言でいうのは簡単だけれど、それですませていいものではありません。戦争からは生まれるのは、やりきれない理不尽な思いしかありません。それもずっと続くのです…。平和への思い、願いを強く感じることのできる作品でした。
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他の人を助けるために性を売る女性。 自分の意思よりも日本の集落の上層部の男の人とソ連の幹部で決められた合意に従うしかなかった少女達。 そして他の人を守るとために自ら進んで売りに行く回数を増やした人や、身体を売った人に日本に帰国後、物好きだったなと言われる彼女達。 どこまで男性...
他の人を助けるために性を売る女性。 自分の意思よりも日本の集落の上層部の男の人とソ連の幹部で決められた合意に従うしかなかった少女達。 そして他の人を守るとために自ら進んで売りに行く回数を増やした人や、身体を売った人に日本に帰国後、物好きだったなと言われる彼女達。 どこまで男性は卑怯なのかと思った。 そしてそんな世の中腐ってると思う。私ならその言い方はないと若くても思うし、その場で伝える。 そんな集団なら抜け出して経験を語るべきだとやっぱ思ってします。 そうならない環境、同じ地域に住んでいて閉ざされた環境にいるのは恐ろしいことだと思った。 戦争を始めたのも男性で、犠牲になるのは1番弱いもの。 その当時は結婚が尊いもののように、 まだ結婚をしていない人のみに焦点を当てられて娼婦のように働いていた彼女達。 誰にも迷惑をかけたくないから経験を黙っている彼女達。 今はそんな時代ではないけど、実際に戦争での女性に起こり得る悲劇なんだなと思った。 そして今の時代を生きてる私は そんな経験をしたら確実に暴露するだろう。と思った。 それには恥とかではなく、言わないとわからないことが多いと思ってるからだ。そしてそれは後世に確実に伝わらないと行けない経験だと思うからだ。
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