看守の流儀 の商品レビュー
心内でどんなに苦悩や努力があっても吐露せず自分の仕事に真摯に向き合う人間はカッコいい。 刑務所という場の雰囲気と、そこの刑務官と受刑者の人間ドラマ、それに一貫して違和感を添えつつミステリー的な要素が入って、短編ながら連なって行く気持ちよさがあった。 ラストの「お礼参り」で伏線...
心内でどんなに苦悩や努力があっても吐露せず自分の仕事に真摯に向き合う人間はカッコいい。 刑務所という場の雰囲気と、そこの刑務官と受刑者の人間ドラマ、それに一貫して違和感を添えつつミステリー的な要素が入って、短編ながら連なって行く気持ちよさがあった。 ラストの「お礼参り」で伏線の回収と思い込みをひっくり返されて相当に気持ちよい読後感が味わえた作品でした。 これも初読みの作家さんだったのですが評判の良い作品だと納得。 続編もあるみたいなので期待大です。
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やっぱり熱いお仕事小説は大好きだ。 短編集だけどどの話もクオリティが高くて 面白かったし最後の叙述にもまんまと引っ掛かりました。 気持ちいい~ ■刑務官 年齢や立場は違うがそれぞれの矜持を持って刑務官の仕事をしているのが良い やっぱり仕事に熱い人はカッコいい 蒲田がしっかり飛ばされてたのは笑ったが(笑) 受刑者との距離感はとても難しいと思う。 厳しいしなければいけない一方で、親身にならなければ本当の更正はさせられない 出所後に再犯すれば刑務官の責任は重い 【ガラ受け】はボロ泣きしてしまった ■更正 刑務所としての最大の目的は受刑者を更正させて再犯を起こさせないこと 被害者目線では許せないことも多いが刑務官として日々接していると受刑者の内面もあるていど見えてくるんだろう 難しいことはわかっているけど罪を償って二度と同じことを繰り返させないがやっぱり目指すべき姿だし最善だよなぁ ■性別誤認 何回引っ掛かかるねん(笑)っていうくらいひっかかってる でも今回は犯人でも被害者でもないメインキャラの性別誤認というのが新しいかった (しかも二人) 薬剤師のおばちゃんと仲良しなのはそういうことか! イメージしてた火石の外見が丸々ひっくり返った。 この状態で読み直したら大分印象変わるなぁ 気持ちよく騙された~ また読みたい作家さんが増えてしまうのは困る…読みたい本が追い付かん…
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初読みの作家さんでしたが、皆さんの評価が高いのも納得の1冊でした。 刑務官の仕事に関してあまり知らなかったのでとても興味深く読めました。特にレッドゾーン。処遇部の刑務官たちは高齢の受刑者たちが増えて、監視する役割より心身のケアのウエイトが増しているとは…。 そして受刑者を更生...
初読みの作家さんでしたが、皆さんの評価が高いのも納得の1冊でした。 刑務官の仕事に関してあまり知らなかったのでとても興味深く読めました。特にレッドゾーン。処遇部の刑務官たちは高齢の受刑者たちが増えて、監視する役割より心身のケアのウエイトが増しているとは…。 そして受刑者を更生させたいという刑務官の熱意には胸が熱くなりました。 しかし、冒頭から気になっていた三上順太郎受刑者の専属刑務官、火石司にはやられました。勝手な思い込みって恐ろしい。そういえばいくつもヒントが転がっていましたね。ストーリーに夢中になっていたのでこんな仕掛けがあったとはビックリです。続編も期待が膨らみます。
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久しぶりにドストライクの内容でした。 刑務官では数少ない上級試験合格組の主人公 火石司が 濃密な人間関係、厳格な規律で守られている刑務所内でおこる事件を解決していく内容 第一話 ヨンピン 第二話 Gとれ 第三話 レッドゾーン 第四話 ガラ受け 第五話 お礼参り 各話の前に 服役している歌手の三上順太郎の「プリズン・ダイアリー(完全版)」が記されており 鮮やかに伏線として機能しており 最後に回収されていく
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刑務所を舞台にした連作短編集。刑務所内で起こったトラブルを刑務官が解明していくのだが、どの話もスッキリと纏っており読みやすい。 最後には、おっ?と思わせるような叙述的な仕掛けも用意されていて楽しめた。
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順番逆に読むというミスをしたけれど、問題なく楽しく読めました。 2巻目から読んだにもかかわらず 1巻目最後を読むまで分からず 思い込みと刷り込み、固定観念ってこんなにも物事を柔軟にとらえられないんだなー。とプチショック。 話の内容的には2巻目のほうが人間味ある事件が多かったかな...
順番逆に読むというミスをしたけれど、問題なく楽しく読めました。 2巻目から読んだにもかかわらず 1巻目最後を読むまで分からず 思い込みと刷り込み、固定観念ってこんなにも物事を柔軟にとらえられないんだなー。とプチショック。 話の内容的には2巻目のほうが人間味ある事件が多かったかなーって印象
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面白かったし、理解もしやすかったけど特段また読みたいとは思わなかった。 短編ミステリーのようだった。 最後は少し驚かされたが、それぞれの話にはそれほどつながりを感じなかった。 刑務所の中という独特の世界の中で、刑務官の仕事の一部を知ることができたという意味では面白かったかも。
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超良かった ただの推理要素やどんでん返しだけではなく、ちょっとした感動も組み込まれている点が個人的にナイス また各話の終わり方のキレイさにも好印象 ラスト付近のひっくり返しは予想してなかった ある意味ずーっと騙されていたわけね 叙述トリックものとしても面白い
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活字だからこその最後の種明かしが膝を打つ。 繋がり合う短編が大きなひとつの物語になってる。 刑務所という閉ざされた中での登場人物の心の揺らぎが とてもリアルに表現されている。
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もうもう、池上冬樹が解説してるって段階で「買い」確定。まして、ぜったい読めとの太鼓判!間違いない。 連作それぞれ素晴らしかったが、「ガラ受け」で泣けない人いるんでしょうか?号泣後に書かれる最終話の落とし技にも唖然。 だから読書はやめられない!
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