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看守の流儀 の商品レビュー

4.2

116件のお客様レビュー

  1. 5つ

    38

  2. 4つ

    56

  3. 3つ

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2022/03/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

映画の世界では看守による受刑者への虐待なども見かけますが、もちろんそんな看守ばかりではないわけで、本作を読むとドキュメンタリー映画『プリズン・サークル』(2019)を思い出します。出所する彼らをこんなふうに送り出そうとする看守の姿に心を掴まれました。 帯にあるとおり、最後は驚かされ、人の思い込みって困ったものだなぁと苦笑い。でももしそれがなかったとしても大満足の1冊。というのか、その驚きは別になくてもよかったか。だって私の頭の中にはすっかり訳あり傷ありイケメン刑務官ができあがっていましたから(笑)。 『このミス』関連は好きじゃない場合もあるけれど、これは好き。 「どうりで」が「どおりで」となっていた点だけは残念でマイナスです。(^^; 映画『プリズン・サークル』の感想はこちら→https://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/cbe2d4ffbe2ab5dea822e76639828fa0

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2022/03/17

「読んで損することはない、必読である」の帯と、横山秀夫さんの「久しぶりにドストライク」の評価に思わず手に取った本書。警察ものも好きなので、抵抗なくスッと入れた。城山さんの作品は初めて読んだが、本当に読みやすく、展開も魅力的でグングン引き込まれた。短編集でありながら、一つひとつの読...

「読んで損することはない、必読である」の帯と、横山秀夫さんの「久しぶりにドストライク」の評価に思わず手に取った本書。警察ものも好きなので、抵抗なくスッと入れた。城山さんの作品は初めて読んだが、本当に読みやすく、展開も魅力的でグングン引き込まれた。短編集でありながら、一つひとつの読み応えも充分にあり、話も見事なまでに綺麗に纏まっている。読み終わった後の満足度も高く、本当にお見事。続編がちょうど出たとのことで、早速そちらも読みたい。良い作家さんとの出会いが嬉しい。

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2022/03/16

刑務所の刑務官と受刑者の連作短編。刑務所という閉鎖的な場所で起こる様々な出来事を通しての人間ドラマになっている。その中で伏線があり、意表をつくラストが待っていたりする。物語のキーとなっている火石という人物がとても効いている。刑務官の仕事の内容や受刑者に寄り添ったりする場面やなんと...

刑務所の刑務官と受刑者の連作短編。刑務所という閉鎖的な場所で起こる様々な出来事を通しての人間ドラマになっている。その中で伏線があり、意表をつくラストが待っていたりする。物語のキーとなっている火石という人物がとても効いている。刑務官の仕事の内容や受刑者に寄り添ったりする場面やなんとか更生させ戻ってこないようにとの願い、矜持もあってミステリーの部分以外でも楽しめる。

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2022/03/06

刑務所を舞台とした連作ミステリー。警察小説はいろいろ思い浮かぶけれど、刑務所という舞台設定は新鮮。 そして刑務所、刑務官という特殊な環境、職業が見事に生かされた事件の数々も良かった。犯罪者たちに向き合い、更生を願う刑務官たちの矜持や葛藤はもちろん、受刑者たちの人間ドラマも読ませま...

刑務所を舞台とした連作ミステリー。警察小説はいろいろ思い浮かぶけれど、刑務所という舞台設定は新鮮。 そして刑務所、刑務官という特殊な環境、職業が見事に生かされた事件の数々も良かった。犯罪者たちに向き合い、更生を願う刑務官たちの矜持や葛藤はもちろん、受刑者たちの人間ドラマも読ませます。 それぞれの短編で語り手となる人物は違うけれど、共通して登場し事態を解決に導くキーパーソンが火石刑務官。火石のミステリアスな雰囲気と存在感がまた見ものです。 思い浮かべたのは警察学校の教官だった『教場』の風間教官。最も実際に会うとしたら、火石刑務官を選びたいけど(笑) そして各短編をつなぐ元受刑者の手記と、仕掛けられた伏線の回収もとにかく見事です。 小説の展開上仕方ないとは思うけれど、個人的にはもっと火石の過去や内面に焦点をあててほしかったかな。続編も出ているそうなので、読むとしたらそこもより掘り下げてほしいと思います。

Posted byブクログ

2022/05/15

あぁ、なるほど! クローズアップされる人物が変わっていきながら繋がっている 一つ一つのお話で刑務所ってこうなのか 刑務官って思ってたより人間味溢れてるな って興味深く読めた

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2022/03/02

作家の横山秀夫さんのコメントを見て読みたくなった バイオレンスかと思ったら、人間ドラマで面白かった 読みやすい 短編集ではなく連作ミステリー ★4.5 次も読みたい

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2022/03/01

なだらかな山の中腹にある加賀刑務所を舞台とした連作ストーリー。 受刑者数およそ500人、刑務官130人という規模は刑務所としては小型なのだそう。 物語は元受刑者三上順太郎の手記より始まる。 歌手である三上を始め、認知症を患う蛭川、余命幾ばくもない貝原、放火魔の牛切と一筋縄には行...

なだらかな山の中腹にある加賀刑務所を舞台とした連作ストーリー。 受刑者数およそ500人、刑務官130人という規模は刑務所としては小型なのだそう。 物語は元受刑者三上順太郎の手記より始まる。 歌手である三上を始め、認知症を患う蛭川、余命幾ばくもない貝原、放火魔の牛切と一筋縄には行かない受刑者たちと刑務官がおりなす堀の中のあれこれ。 いじめ、介護、病気、自殺、身請け… 刑務所の話しなので、バードボイルドなのかと思ったら違いました。 法を犯したから、誰かを傷つけたから、殺めたから…さまざまなな理由で収監される受刑者たち。 いい話でほっこりした…と、簡単には言えないから難しい。被害者と加害者ではやっぱり抱える感情は違うのだ。 それでも、刑務官たちが受刑者の更生を信じ、寄り添い、助けることに日々尽力していることには敬意を表したい。 とは言え、ここにも個々の温度差は否めませんよね。 現実を思うと評価が難しくなってしまうけど、物語としては、とても良い。 目立たず裏方に徹し、受刑者の拠り所となり、スマートに問題を解決してしまう「火石マジック」は美しい。 最後に明かされる秘密もお見事でした。 ヨンピン・Gとれ・レッドゾーン・がら受け 章タイトルが専門用語なのですが、読んだら意味が分かるのも面白いしかけだなと思う。 次作「看守の信念」も要チェック! 今年の15冊目 2022.3.1

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2022/02/25

初めはちょっと面白くないかも…って思っていましたが、途中からもう止まらない止まらない。 最後に近付くにつれ、大どんでん返しに再びの大どんでん返し! 読み返して確認したくなるくらいの作品です。 いろいろな言葉も知れて、全てのキャラクターを愛せてしまう、そんな作品です(*’ω’*)

Posted byブクログ

2022/02/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

旨い! 気になっていた話題作は期待を裏切りませんでした。 5篇の連作ですが、ミステリー?謎解き?ヒューマンドラマ? いえいえ、全部あります。 しかも、ラストは大好物の大どんでん返し的な結末。 これで満足しなければ、何で満足しますか? 金沢市の加賀刑務所を舞台に、刑務官と囚人たちの物語です。 それぞれのストーリーで主人公は異なり、1話毎に完結はします。 舞台が同じなので、当然共通した登場人物もいますが、何せその中でも一際ミステリー要素プンプンなのが警備指導官の火石司。 そして、物語の間に「刑務所手記」として挟まれる三上順太郎の手記。 見事に仕組まれたプロットは最終話「お礼参り」できっちり回収されます。 真剣に読めば読むほどに感動し、驚きを体験出来る。 しかも、昨日出ちゃいましたね続編。 仕事早く終わらせて本屋に直行だ! 説明 内容紹介 「いやぁ、これは久しぶりのドストライクだった」――横山秀夫 「読んで損することは絶対にない。必読である」――池上冬樹(解説より) 刑務所、そこはシャバ以上に濃厚な人間関係が渦巻く、更生の最後の砦――。 石川県の加賀刑務所を舞台に、刑務官と受刑者たちの織り成す五つの事件。 仮出所した模範囚の失踪(「ヨンピン」)、暴力団から足を洗う“Gとれ"中に起きた入試問題流出事件(「Gとれ」)、受刑者の健康診断記録とレントゲンフィルムの消失(「レッドゾーン」)など、刑務官たちの矜持と葛藤がぶつかり合う連作ミステリー。 著者について 城山真一 1972年石川県生まれ。金沢大学法学部卒業。『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』(宝島社、文庫化に際して『天才株トレーダー・二礼茜 ブラック・ヴィーナス』に改題)で、第14回『このミステリーがすごい! 』大賞を受賞。他の著書に『仕掛ける』(宝島社)、『相続レストラン』(KADOKAWA)、『ダブルバインド』(双葉社)など。

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2022/02/24

めっちゃ面白い。 連作で繋がる系が好きやけど、綺麗に繋がってる上に叙述トリックに綺麗にハマった。 ここ最近でダントツ。 ノースライトもよかったけど、その横山秀夫が絶賛するだけある。 登場人物みんなを好きにさせる最高のミステリー

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