求めよ、さらば の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【内容】 主人公の志織には、周りからも羨ましがられる夫の誠太がいる。見た目は平凡でパッとしないが、志織のことが大好きでとても優しく、家事もササっとこなしてしまう。そんな夫婦の間には、不妊治療という壁が立ち塞がっている。精子と卵子には異常はみつからず、原因不明の不妊…医者からは相性も疑われてしまう。志織はヒーリングセラピーや妊娠ジンクスに必死にたより、誠太もそんな志織を受け止めていた…はずだったのに。夫婦での群馬旅行の後、誠太が離婚届と共に『あの日、僕は志織の飲みものに惚れ薬を盛りました』と書かれた手紙を遺して、失踪する。 【感想】 現在の志織と、過去の誠太のパート…意地っ張りだけど周囲に気をつかいすぎる志織の心と、淡々としていて感情をあまり露わにしない誠太の心。それぞれを読むことで、お互いが如何に両思いで、お互いを求めているか、が窺い知れる。 紆余曲折を経た、イチャイチャのろけ話。 そんな内容だが、渦中の本人たちは必死だし、真剣だし。でも、何年後かにはおそらく笑い話になっている…きっと彼らの子どもたちが耳にしたら、恥ずかしくなるような出来事。 タイトルの『求めよ、さらば』は、新約聖書の『求めよ、さらば与えられん』から始まるフレーズを引用したものだが、今までわたしは純粋に(滝本と同じく)、積極的に望んで動けば願いは叶う、的な意味だと思っていた。しかし、『祈れ(ask)、そうすれば信仰が与えられる』といった宗教色の強い意味合いだと知り、だからこの本には神頼みやパワースポットにすがって、他人の心や生死など人間の力が及ばないものを望んでいる姿が描かれていたのだな、と気付いた。
Posted by
不妊治療中の夫婦の物語。 もっとドロドロした感じをイメージしていたけど、とても清々しい読後感。 夫婦はもちろん人との関わり合いには、時に本音でぶつかり合うことが大事だよなと思った。 誠太みたいな人がすごく好きだけど、リアルではなかなか出会わないタイプ。
Posted by
読んでみて思ったのは「なんてありがちな話」(笑)悪い意味では無くて。 少しの思い違い、すれ違いが、痴話喧嘩が発展して、離婚沙汰になる。 どこにでもありそう。 でも本人たちにとっては、人生見直すきっかけになる大きな出来事。 昔あんなことあったよねーって笑いながら話せたら、それでいい...
読んでみて思ったのは「なんてありがちな話」(笑)悪い意味では無くて。 少しの思い違い、すれ違いが、痴話喧嘩が発展して、離婚沙汰になる。 どこにでもありそう。 でも本人たちにとっては、人生見直すきっかけになる大きな出来事。 昔あんなことあったよねーって笑いながら話せたら、それでいい。
Posted by
不妊治療をする夫婦のそれぞれの苦悩が描かれていて、特に妻の治療への描写が鋭く、女性として、共感するところはたくさんあった。 夫の誠太は自己肯定感が低く、妻への愛情すら自信が持てずにいる。 そんな夫婦は、不妊治療を通して、初めてぶつかり合って、本心を知っていくことになる。 ぶつかり...
不妊治療をする夫婦のそれぞれの苦悩が描かれていて、特に妻の治療への描写が鋭く、女性として、共感するところはたくさんあった。 夫の誠太は自己肯定感が低く、妻への愛情すら自信が持てずにいる。 そんな夫婦は、不妊治療を通して、初めてぶつかり合って、本心を知っていくことになる。 ぶつかり合えたからこそわかることもたくさんあって、夫婦とはいえ、上辺だけで何年も一緒に過ごしていたんだと分かって、これからが本当の夫婦になっていくんだと思った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ん。 面白かった、面白かったけど、?がいっぱい。 ん?どこで、どこを好きになったの??? えー、もやもやするー、 ほかの方の感想を読んで、見落としてる所を探してみます! で、ほかのかたの感想読んでみたけど、結果、分からなかった。 あの夫が妻を好きな気持ちは分かる。 妻が夫を好きなったのはいつ? どんなところが好きだったの? わたしは真面目に、惚れ薬効果、かと思っちゃった。 1個、嫌なところ見つけて、一気に人間としてももう付き合えないくらい嫌いになるのはよく分かる。 惚れ薬を入れたって言って、勝手に対話なく、離婚届を置いて出ていくなんて、もうそれだけで無理。 1度は話して、自分は悪くないことを確認したら、一生会いたくないかも。
Posted by
2人ともお互い大好きだったんだなあと、羨ましいぐらい。ただ不妊治療は相当辛いとは知らなかった。自然妊娠って本当に奇跡なんだなあ…
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
不妊治療の描写はものすごくリアルで、経験者は共感できると思う。友人の赤ちゃんを抱っこして号泣するシーンや、夫に離婚してまで子供を欲しいとは思わないと伝えたところで感極まってしまった。惚れ薬に関しては少々飛躍しすぎな感じもしたが、スパイスにはなってたのかなー、と。お互いに相手を深く想う気持ちを感じて、優しくなれる一冊。
Posted by
毎朝、祈る様な思いで咥え続けた基礎体温計。 下がった数値を見た瞬間感じる絶望感。 痛みに耐えきれず叫んでしまった子宮卵管造影検査。 排卵誘発剤の注射後に訪れる不快感。 主人公の苦悩が過去の自分とリンクして苦しい。 そんな妻に寄り添い、優しかった夫の突然の失踪。 一体何が起き...
毎朝、祈る様な思いで咥え続けた基礎体温計。 下がった数値を見た瞬間感じる絶望感。 痛みに耐えきれず叫んでしまった子宮卵管造影検査。 排卵誘発剤の注射後に訪れる不快感。 主人公の苦悩が過去の自分とリンクして苦しい。 そんな妻に寄り添い、優しかった夫の突然の失踪。 一体何が起きたのか? 妻を置き去りにした夫に怒りに近い感情が生まれる。 妊活疲れ?はたまた浮気?脳内で?マークがひしめく。 真相を知れば、こんな形の愛もあるのかと溜息が漏れる。 ぶつかる事で初めて知る相手の想い。 『求めよさらば与えられん』新約聖書からのタイトルが光る。
Posted by
「私は誠太にちゃんも傷つけられたいし、私も誠太を傷つけたい。離婚するかどうかは、それから考えたって遅くないよね?」 優しさって大事だけど、相手を知るには傷つけてしまうこともあるし、傷つけられることもある。怖がってそこを逃げてしまうと関係は深まらないんだなって思った。気持ちのすれ違...
「私は誠太にちゃんも傷つけられたいし、私も誠太を傷つけたい。離婚するかどうかは、それから考えたって遅くないよね?」 優しさって大事だけど、相手を知るには傷つけてしまうこともあるし、傷つけられることもある。怖がってそこを逃げてしまうと関係は深まらないんだなって思った。気持ちのすれ違いだったんだ、通じ合って本当に良かった。
Posted by
爽やかで可愛らしい、夫婦のラブストーリーでした。 この作品の紹介文を読んで、夫婦間に生じた毒と闇を描いた作品かと、勝手に勘違いしていたので… そのせいか、何となく物足りなかったかなー
Posted by