求めよ、さらば の商品レビュー
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求めよ、さらば 仕事の休憩時間にみんながいるところで読みはじめて後悔した。 いつもどおり、ひとりになれるところで、読めば良かったと。 わりとズバッと妊娠に関する単語が並んでいるから。 作者と年齢が近いからなのもあるのか、共感できる部分が多かった。 ネットストーカーなりがちなところや、多数側にいたい、とか…思い当たるところがあるある。 マイミクという単語だけでゾワゾワできる笑 読者は、志織と誠太の視点で物語を読めるから、どちらの気持ちも理解できるけど、実生活ではそうはいかない。相手の気持ちなんてわからない。だから、思うことは口に出さなきゃいけない、こともあるよね。 奥田亜希子さん、はじめて読んだ作家さんでした。ぐりぐりとえぐられる感触があるのに、登場人物が優しいのでそんなに辛くならず。 他の作品も読みます!
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胸をえぐられるような、作品だった。 あれ、この感覚知ってる、って思うことが多すぎて、わたしの回顧録なんじゃないかと錯覚したり。。世代が一緒だからなんだろうな、好きな人とマイミクになりたい、マイミクになったらなったで足跡つけるの怖い、どんな日記書くんだろうと気になって仕方ないこと、...
胸をえぐられるような、作品だった。 あれ、この感覚知ってる、って思うことが多すぎて、わたしの回顧録なんじゃないかと錯覚したり。。世代が一緒だからなんだろうな、好きな人とマイミクになりたい、マイミクになったらなったで足跡つけるの怖い、どんな日記書くんだろうと気になって仕方ないこと、好きになってほしいっていうどうしようもない気持ち。子供が欲しいんじゃなくて妊娠がしたいって、わかるな。多数派にいないと不安になる女子特有のあれこれ。本当にわたしにも身に覚えがあるたくさんのことたち。読めてよかった。
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過去の追体験のような話。 好きな子の日記を見るために別人のふりをしてマイミクになったり、メール連絡をとるだけで一喜一憂したり、結婚してからも相手にとって自分が相応しいのかとか苦悩したりする。 あまり積極的な人柄ではなかった男性は共感する場面を感じられると思う。 妊活についてはセンシティブで、脆くて、女性が感じる辛さが濃く表現されていた。
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「求めよ、さらば与えられん」という言葉の本当の意味を初めて知った気がする。 強く願えば必ず望みは叶えられる、とそういう意味だと思っていた。それは単なるきれいごとの言い換えに過ぎないものなのだ、と。 けれど、本来の意味は違っていたとしても、いや、だからこそ何かを手に入れるためには求め続けなければならないのだろう。それが自分にとって大切なものであればなおさら。 学生時代のバイト先で知り合った二人の、周りから見たら不釣り合いな二人の、結婚生活。 陽と陰、美女とさえなくて目立たない男。それぞれの相手への想い、自分の気持ち、に微妙にずれがあって、そのひずみが長引く「不妊治療」で大きな溝となっていく。読み手にはそのずれが見えているのでもどかしいったらありゃしない。 不穏な展開を想像してそわそわしながら読んでいった最後の安堵感たるや。 誰かを好きになり、誰かと一緒に暮らし、誰かを思い続けること。その難しさ。 言葉にしないと伝わらないこと、言葉でしか伝わらないこと。読み終わった後、いろんなことを考えている。
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