暇と退屈の倫理学 の商品レビュー
より多くの人に読んでほしい良質な哲学書。
2024年12月読了。
ずーっと気にして買っていたのに、中々手が伸ばせずに積ん読状態だったのだが、数年前にTVでオードリーの若林さんが称賛していたのを見て興味が湧き、読み始めたのだが、自分はうつ病を患っており、その時は具合が悪く途中で手を止めてしまった。
その...
2024年12月読了。
ずーっと気にして買っていたのに、中々手が伸ばせずに積ん読状態だったのだが、数年前にTVでオードリーの若林さんが称賛していたのを見て興味が湧き、読み始めたのだが、自分はうつ病を患っており、その時は具合が悪く途中で手を止めてしまった。
その後::(つい最近だが)思うところがあり、改めて初めから読み返したところ、夢中に成る面白さで、半日弱で読み終えてしまった。
哲学書でこんなに読み易い本は、早々お目に掛かれない良書だと思った。そして若い読者にも理解しやすい書き方で、現国のテキストに使われたのも頷ける内容だった。
中身を多くは語るまい。読み終えた人だけが、感想をスタート地としてそれぞれに思考を進めていければ良いのだ。
恐ろしく単純に云うとしたら、凸凹の「凹」の真ん中(低い所)に居ると思っている人達に、「そうじゃないんだよ、貴方の居る(べき)場所は、実は凸(の高い所)なんだよ。だから『暇や退屈』なんかに右往左往しないで世の不条理に惑わされず、絶えず『学ぶ』ことが一番大事なんだよ!」という、素晴らしく明快な答えを教えてくれる良書だと云う事だ。
と言っても、コレは読んだ人なら分かる、いや、読んだ人にしか意味が分からない感想かもしれないけどw。
補編の『痛みについての考察』は、心の痛み(うつ病)を抱える身の自分にもヒットする部分を感じて、とても嬉しかった。再読して、この病と闘っていこうとも強く思った。
國分先生、病と立ち向かう勇気を貰えました。ありがとうございました。
左衛門佐
環世界の話が興味深かった。電車を待っている環世界から、読書するときの環世界。人間は常に環世界を移動して生きていて、それゆえに退屈を凌いでいるのだと。ダニには持ち得ない世界だなと。 人間の感じられる1番細かい時間の話も興味深い。1/16秒が最小であり、生き物によってそれは違うこと、...
環世界の話が興味深かった。電車を待っている環世界から、読書するときの環世界。人間は常に環世界を移動して生きていて、それゆえに退屈を凌いでいるのだと。ダニには持ち得ない世界だなと。 人間の感じられる1番細かい時間の話も興味深い。1/16秒が最小であり、生き物によってそれは違うこと、すなわち生き物によって違う時間軸を生きているということ。
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漠然と感じる退屈感に罪悪感を感じていたが、それを感じるのは自分だけではないこと、またその退屈を言語化してくれて心が楽になった。 結局のところ、退屈を感じながら、それに抗うべく、動物になれる囚われを探すしかない。
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面白かった。 『暇』ということについて様々な切り口から考察されている。 なぜ暇だと思うのか、ということについて考えさせられるし、全く関係のなさそうな雑学まで知ることができる。 友達に紹介したくなるような一冊。
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歯切れの良い語り口が痛快で、倫理の本ですが小難しくもなく、スラスラ読み進めてしまえるので、グイグイ引き込まれました! 暇と退屈について、自分も考えてみたいと思います!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
オーディブルで聴いた。 途中、完全に理解できなかったところがあったり、結論がよくわからなかったが、面白かった。 結論は、退屈を楽しめってこと? この本の解説が読みたい。 自分の行動を思い出したり、最近読んだ朝井リョウさんの「生殖記」を思い出した。
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退屈と暇を棲み分けて考える。 没頭、熱中が人生を豊かにする。 消費は買った瞬間に無くなる。浪費(豊かさ)を大事にしたい。
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暇じゃないが退屈のそれ。巨人の肩の上に立った考察なのを感じさせない口調がちらほら。敬意を欠くというか顕示欲の現れなのか。 それはそうと、僕の修行中に至った仕事は人生の暇つぶしという考えもあながち悪くないのかもと思った
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snsを通じて同年代の人と比べてしまいがちですが、今の自分には退屈を楽しむこと、楽しむための教養も必要だと感じました。
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久々にガッツリと哲学の本を読了。人間はなぜ暇・退屈になるのかという普遍的なテーマを平易な文章で考察がまとめられている本。はたして自分の好きなことは本当に好きなことなのか、消費の奴隷として好きにさせられているのかを考えさせられた。自分がこうしたいと思っていたことがこの本の向かう先に...
久々にガッツリと哲学の本を読了。人間はなぜ暇・退屈になるのかという普遍的なテーマを平易な文章で考察がまとめられている本。はたして自分の好きなことは本当に好きなことなのか、消費の奴隷として好きにさせられているのかを考えさせられた。自分がこうしたいと思っていたことがこの本の向かう先に近いのかもしれないと感じているので、引き続き『目的への抵抗』などを読んでいきたい。
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