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聖なるズー の商品レビュー

4.3

40件のお客様レビュー

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2023/02/26

価値観を揺さぶる本。本書中のあるズーが語るように、セックスの話題はセンセーショナルだからどうしてもズーの話を性行為に限って取り上げてしまう。そのために動物愛護団体との対立も生じる。しかしズーたちの問題の本質はセックスではなく「動物や世界との関係性」にある。異種への共感、愛情。人間...

価値観を揺さぶる本。本書中のあるズーが語るように、セックスの話題はセンセーショナルだからどうしてもズーの話を性行為に限って取り上げてしまう。そのために動物愛護団体との対立も生じる。しかしズーたちの問題の本質はセックスではなく「動物や世界との関係性」にある。異種への共感、愛情。人間と動物が対等であるべきとの考え。性愛と対等性というテーマが、著者がかつてパートナーから受けていた性暴力の記憶と結びつき、愛とは何か、性とは何か、関係とは何か、人間とは何か、という問いになっていく。 著者も書いているが本書によって動物の性欲について知ってしまったあとでは、今後の人生で動物を飼うことに抵抗を覚えてしまう。性欲も含めた彼らの存在を丸ごと受け入れるだけの覚悟を持てる自信がない。

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2023/02/12

動物性愛の取材というテーマもおもしろいし、さらに筆者のバックグラウンドも合わさってスパイラルのように進む考察もまたおもしろい。 大学院の論文がベースのようだけど、こんなに面白い論文が書ける筆者にはただ脱帽。

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2023/02/10

動物性愛についてという、センセーショナルな題材のノンフィクション。とにかく文章がうまく、ぐいぐい読んだ。 いやらしさは全くなく、むしろ真摯で感動的。動物、考え方の違う他者との関係性について考えさせられる。 この本を読んだ後、動物をただ可愛がって性欲を無視する方が、ある意味虐待じゃ...

動物性愛についてという、センセーショナルな題材のノンフィクション。とにかく文章がうまく、ぐいぐい読んだ。 いやらしさは全くなく、むしろ真摯で感動的。動物、考え方の違う他者との関係性について考えさせられる。 この本を読んだ後、動物をただ可愛がって性欲を無視する方が、ある意味虐待じゃないかとも思った。 文庫版あとがきに、「人間は共感すべき対象を無意識にあらかじめ選択しているのかもしれない」という問題提起もあり、興味深かった。 そっちの方面の研究を押し進めた本も、ぜひ著者の濱野さんに書いてほしい。

Posted byブクログ

2023/09/18

犬を愛しすぎる人や自分のセクシュアリティについて迷いがある人なんかも得るものが多いと思う。読んで良かった。 あとドイツに対してもいろいろ知れる(逆に食べてみたいクヌーデル笑)。ドイツに暮らせる犬たちは幸福なんじゃないかなと思ったら今すぐ愛犬連れてドイツに行きたい。 性暴力の描...

犬を愛しすぎる人や自分のセクシュアリティについて迷いがある人なんかも得るものが多いと思う。読んで良かった。 あとドイツに対してもいろいろ知れる(逆に食べてみたいクヌーデル笑)。ドイツに暮らせる犬たちは幸福なんじゃないかなと思ったら今すぐ愛犬連れてドイツに行きたい。 性暴力の描写もあるので注意。動物への虐待のエピソードも例として書かれてるので動物好きはつらい。 文庫版あとがきも秀逸。文庫版にして良かった。

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2023/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

たしかTwitterでおすすめのような形で気になっており、たまたま書店で見つけたので一読。 今まで「動物性愛」について考えてきたことはなかった中で、日常生活でも溢れるペットの性欲の視点は今までになかった。 動物との対等な関係性を考えることは自分自身の他者へ関係の仕方を改めて考えるトリガーになりました。 すぐには答えが出ないし、考え続けるべきものであることは間違えない。

Posted byブクログ

2023/01/01

動物性愛者をめぐるノンフィクション。著者の体験からセックスのことを理解したい、という強いおっもいがあり、ただのびっくりノンフィクションとは全然違う、切実な内容。 対等、ってなんだろうなあ。愛がないとセックスってしちゃいけないのかな。etc... 「タブー」とされることに切り込むの...

動物性愛者をめぐるノンフィクション。著者の体験からセックスのことを理解したい、という強いおっもいがあり、ただのびっくりノンフィクションとは全然違う、切実な内容。 対等、ってなんだろうなあ。愛がないとセックスってしちゃいけないのかな。etc... 「タブー」とされることに切り込むのがノンフィクションの意義である。必読。 ペットの去勢も、これまでは動物の健康上の理由から当然のことと思っていたが、これを読むとまた考えてしまうな。

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2022/11/03

ズーや性に関する、筆者のインタビュー活動を基にした文章はまるで論文を読んでいるかのよう。 性にまつわる過去の傷があったからこそ、ズーを通してそれを考え直すことを選んだそう。 動物にも性欲があるのか…。「彼らがそう主張しているだけでは?」と思ったが、確かにたまに発情期とか見る。 こ...

ズーや性に関する、筆者のインタビュー活動を基にした文章はまるで論文を読んでいるかのよう。 性にまつわる過去の傷があったからこそ、ズーを通してそれを考え直すことを選んだそう。 動物にも性欲があるのか…。「彼らがそう主張しているだけでは?」と思ったが、確かにたまに発情期とか見る。 これから拡大し、議論が起こっていく性的指向であることは間違いなさそうだ。

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2022/10/04

オトラジきっかけ。ややミーハーな気持ちで手に取ったけど、好奇心を凌駕する未知の世界をみせつけられ、途中からはもうとても丁寧に読んだ。著者さんの切実な研究・執筆動機。動物との恋愛、性愛、マイノリティ、カミングアウト、自分らしく生きること、自分に嘘をつかないこと、動物は嘘をつかない、...

オトラジきっかけ。ややミーハーな気持ちで手に取ったけど、好奇心を凌駕する未知の世界をみせつけられ、途中からはもうとても丁寧に読んだ。著者さんの切実な研究・執筆動機。動物との恋愛、性愛、マイノリティ、カミングアウト、自分らしく生きること、自分に嘘をつかないこと、動物は嘘をつかない、犬の方が人間を誘ってくる、恋愛なんて本人たちにしかわかりません。動物虐待? DVは被害者にも落ち度があったのか。愛、関係性、言葉に置き換えていくとわからなくなることがたくさんあって、言葉で誤魔化されているものがたくさんあって、絶対わたしは真実にたどりつきたい、わたしはわたしの目でわたしを肯定する現実を得たい、生きたい。そんな著者の切実が、それでもまったく湿っぽくない淡々とした文章で書かれていました。一度読んだだけではわからないけど、一度読んだら世界変わる。玉書。

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2022/09/15

動物のことを人一倍考えていると少しばかりの誇りを抱いていた癖に動物の「性」に関しては去勢以上のことを考えていなかった地盤がとても恥ずかしく感じられ、また自分自身を思い返してみると、これはとても言えないことだったので書かない。

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2022/09/14

おもしろ半分、興味本位で読んだら痛い目を見る。 愛とは、セックスとは、人間とは。さまざまなことを考えられる一冊。

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