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ヘルシンキ生活の練習 の商品レビュー

4.1

65件のお客様レビュー

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2024/08/08

フィンランドに幼いこども2人を連れて移住した著者が、日本と違っていて面白いと感じたこと(ときどき「なんでやねん!」と感じたこと)を書いている。例えば保育園の先生たちが、普通は性格や才能とされそうなことをスキルとしてとらえることなど、興味深い話が多い。なぜ著者が日本から逃げ出して移...

フィンランドに幼いこども2人を連れて移住した著者が、日本と違っていて面白いと感じたこと(ときどき「なんでやねん!」と感じたこと)を書いている。例えば保育園の先生たちが、普通は性格や才能とされそうなことをスキルとしてとらえることなど、興味深い話が多い。なぜ著者が日本から逃げ出して移住しようと思ったか、母親としてどんなプレッシャーを感じていたかという話もあり、重苦しい気持ちにもなる。でも、娘のユキちゃんは自由でしなやかな発想で笑わせてくれるし、みんなで力を合わせて社会を変えていこうという著者の言葉に励まされる。

Posted byブクログ

2024/07/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フィンランドの人の考え方がすごく素敵で、一生勉強、成長し続ける生き方の根源となる教育があるんだなと思った。何か問題が起きた時は人や性格を責めるのではなく、その問題自体を改善すること、どのスキルが不足していてそれが起こってしまったのかを理解し、その問題が起こらないように練習すること。子どもが、人が何かをできない時に向いていない、と諦めるのではなく、スキルとして捉えるのであれば、人それぞれに色々な可能性が広がるんじゃないかと感じた。 自分自身余裕がない時に、人の性格をせめるような考え方をしてしまうことがある。けれども、そうしてしまうのは今現在、問題に焦点をあてるというスキルが足りてないから。練習して落とし込んでいきたいなと思った。

Posted byブクログ

2024/04/29

【ドレスコードは、厚着・重ね着】 この本は、フィンランドで生活を始めた著者が、育児や就職をしながら体験したこと、感じたことを書き綴ったもの。 生活の練習、というよりは、いかにその地の人間が、一人ひとりの人格を良くも悪くも平等に尊重しているのか、を、著者が印象を受けた言動など...

【ドレスコードは、厚着・重ね着】 この本は、フィンランドで生活を始めた著者が、育児や就職をしながら体験したこと、感じたことを書き綴ったもの。 生活の練習、というよりは、いかにその地の人間が、一人ひとりの人格を良くも悪くも平等に尊重しているのか、を、著者が印象を受けた言動などの紹介を通して伝えていると覆う。 先日読んだFactfullnessで、犯人捜し本能、宿命本能、というのがあった。 人は、その人が悪いとか、その人の性格に問題があるとか、考えがち。 でも実際には、社会のしくみや技術の変化に起因している、という点を指摘していた。 フィンランドでの暮らしで著者が感じていたことは、それに近いのかなと。 保育園の先生の話を聞くと、ある子が何か問題を起こしたようなとき、 その子の性格が悪いとかではなくて、そのスキルをまだ身に付けていない、という視点。練習すれば習得できる、それだけの話。 そして、なぜそんな余裕が先生たちのあいだにもあるのか、それを保育園の先生と園児の割合についての制度面からも考察できる。 ただ先生の頑張りに頼るのではなく、社会のしくみ上そうなっていること、 時にそんな人間関係をドライに感じてしまう部分もあったみたいだけれど、 全体としてはどうなのか、というところでは、フィンランドの幸福度の高さからもうまくいっているのだろうと思う。 著者は、在日韓国人のルーツがあり、日本での暮らしでいろいろと苦労をされ、そんな状況もありながら、フィンランドの地に移住することを決断。 母としての自分には常にだめだしをしていらっしゃるのですが、本当に力強いと思う。 むしろ、一つの文化圏を出ると、うまくいってなかったことが何でもなくなったりする、違う視点で認識できる、事もあるのかな、と思ったり。 フィンランドではお弁当なんか作らなくてよくて、それができないと母親失格になるのは日本にいるからだったり。 出勤時は重ね着して温かくすること、卒園式も正装する必要もなく、 その面では、日本ではアウトな私も大丈夫かもと思ったりする。 とはいえ、 著者が指摘するように、 ある国での制度や手法を、違う国や社会でそのままコピペしてうまくいくなんて考え方は単純すぎる。 でもやっぱり実際に生活して見えてくるいろいろなことがあるのは興味深い。 これまでの既成概念を覆される実経験は、視点を豊かにする。 そして、自分にもっと合う場所があるかもしれないし、それは自分で見つけないといけないし、ということ。

Posted byブクログ

2024/02/10

p106-107 保護者として三つか四つの保育園を見ているだけに過ぎないけれども、私は「日本の教育は集団主義的」というのは、単に教員の数が子どもに対して足りていない(教 員・保育士が一人でたくさんの子どもを監督しないといけないから、指示的にならざるを得ない)からではないかと思い...

p106-107 保護者として三つか四つの保育園を見ているだけに過ぎないけれども、私は「日本の教育は集団主義的」というのは、単に教員の数が子どもに対して足りていない(教 員・保育士が一人でたくさんの子どもを監督しないといけないから、指示的にならざるを得ない)からではないかと思いつつある。先生方に時間と人員の余裕がない以上、子どもを教師の指示に従わせるのが理にかなった指導になってしまうのではないだろうか。 だから、先生方と教育現場にもっと時間と人とお金の余裕があれば、「日本文化」 みたいに言われがちな集団主義も変わるかもしれない。 p153 子どもと親だけの関係は、危険だ。社会が――つまり、制度と規範と多様な人間関 係が——介入してくれなければ、私は子どもたちにとって危険な存在になる。 p190 こうやって、「いい学校」には、前からそこに住んでいる家庭の子か、そこに子ど もを通わせたいと思って転居する家庭の子が通うことになる。孟母三遷というが、息 子のために三回も引越した孟子の母は、資金に余裕があったか不動産取引がうまかっ たのだろう。子を持つ親は、もしかしたら、子どものためを思って、地域の不平等を拡大させるのかもしれない。

Posted byブクログ

2024/01/12

フィンランドのやり方=正解、みたいな通説が結構ある中で、朴さん自身がどう思ったかを率直に書いていたところがよかった。 日本がいいかフィンランドがいいか、という話ではなく、フィンランド的価値観と日本的価値観がある、ということだけだということかな、と思った。 あと、自分のやり方を子供...

フィンランドのやり方=正解、みたいな通説が結構ある中で、朴さん自身がどう思ったかを率直に書いていたところがよかった。 日本がいいかフィンランドがいいか、という話ではなく、フィンランド的価値観と日本的価値観がある、ということだけだということかな、と思った。 あと、自分のやり方を子供に押し付けてはいけないという気持ちを持っていた朴さんが、でもやっぱりこういう思いは伝えたい、ということに立ち返って考えられるようになったところにもグッときた。 結局100%正しいことを選択することを人は出来ないから、自分がちょっとでもいいと思った方はどっちかを考えて行動したりするしかない。し、子どもに伝えるにしても自分のフィルターを通さないことは無理なんだと思う。あくまで自分のフィルターは持ってて、でもそれを疑うことと、定期的に掃除をして綺麗にすることが大事なんかなと思った。

Posted byブクログ

2023/11/30

関西弁で溶け込みやすく、クスッと笑える部分もあり読みやすかった。フィンランドの「問題」に対する焦点の当て方に目から鱗だったり、自分の凝り固まった考え方にびっくり!そしてユキちゃんとクマくんの成長が陰ながらとても楽しみだ。 *そもそもあの先生たちは「いいところ」対「悪いところ」とい...

関西弁で溶け込みやすく、クスッと笑える部分もあり読みやすかった。フィンランドの「問題」に対する焦点の当て方に目から鱗だったり、自分の凝り固まった考え方にびっくり!そしてユキちゃんとクマくんの成長が陰ながらとても楽しみだ。 *そもそもあの先生たちは「いいところ」対「悪いところ」という発想を取っていないのだ。「練習が足りていること」と「練習が足りていないこと」があるだけだ。

Posted byブクログ

2023/09/20

技術の問題と母親をする、の項目が目から鱗が落ちた。生きていく術を技術と捉えれば、子どもにガミガミ言うことが少なくなるかもしれない。日本とフィンランドの子育ての違いは出産したら母親とみるか、ひとりの人間として見るか、だと感じた。人間として見ることがフィンランドなのだろうか。

Posted byブクログ

2023/09/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フィンランドでの考え方や生活の中で感じたことなどを綴っている。 ・好奇心が強いや共感力があるなど、性格や才能やいいこと/悪いことと結び付けられそうな事柄が、練習が足りてる/足りてないスキルとして扱われる ・自分から助けを求めたらだいたい誰かが助けてくれる 『私だけが楽しめばいいとも思わないが、子どもの楽しみのために私が何かを我慢しなければならないという状況に陥らないで済むように、最大限の努力をしたい。』 個人のせいにするのではなく、仕組みをよくできないかと捉え方を変えた方が生きやすい。

Posted byブクログ

2023/08/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「物事を笑うことと、人を笑うことは別のことだ。世の中には友達を楽しませる技術がある。だから、それを練習しよう」 性格や性質だと思っていたことが、練習すべき、あるいは練習することが可能な技術だと教えられていたら。

Posted byブクログ

2023/08/15

フィンランドでの生活体験記。フィンランドがいいとか日本が悪いということではなく、ほとんど無意識のうちに刷り込まれた価値観、思考を見直すきっかけになる本だと思う。本書では、著者が子供を通わせた保育園で、子供たちにスキルとしての協調性や我慢強さを教えているということがでてくる。大人に...

フィンランドでの生活体験記。フィンランドがいいとか日本が悪いということではなく、ほとんど無意識のうちに刷り込まれた価値観、思考を見直すきっかけになる本だと思う。本書では、著者が子供を通わせた保育園で、子供たちにスキルとしての協調性や我慢強さを教えているということがでてくる。大人になってからも、こうしたことを個人の性格に帰するのではなく、スキルとしてとらえなおすことができると、なんだか少しだけ生きやすくなるような気がする。

Posted byブクログ