ヘルシンキ生活の練習 の商品レビュー
私が知りたかったフィンランドの教育の根っこや物の考え方について、研修で学んだとかではなく、自分の子どもをそこに通わせたからこそ得た情報が書かれていた。 エッセイと社会学とが混ざったような描き方でとても読みやすかった。口語的表現なので、てにをは的な面でスラッと読みにくい部分もあった...
私が知りたかったフィンランドの教育の根っこや物の考え方について、研修で学んだとかではなく、自分の子どもをそこに通わせたからこそ得た情報が書かれていた。 エッセイと社会学とが混ざったような描き方でとても読みやすかった。口語的表現なので、てにをは的な面でスラッと読みにくい部分もあったけど、とにかく色々な視点の勉強にもなり面白かったです。 これは特に北欧文化や社会に興味がある、だけど時間がない、忙しいという人が読むのにいいと思います。
Posted by
家族や社会の中での自分、子を育てる親としての役割、育て方教え方。 人格を否定するのではなく、淡々と、その場の状況や問題に焦点を当てる。 自分から助けて、と声を上げなければ助けてくれない、でもあげればすぐ助けてくれる。 日本は逆に声をあげれないから忖度する、空気を読む? 社会のあ...
家族や社会の中での自分、子を育てる親としての役割、育て方教え方。 人格を否定するのではなく、淡々と、その場の状況や問題に焦点を当てる。 自分から助けて、と声を上げなければ助けてくれない、でもあげればすぐ助けてくれる。 日本は逆に声をあげれないから忖度する、空気を読む? 社会のあり方、幸福な社会とは? 幸福のあり方は人それぞれで、それらを緩やかにサポートできるのが幸福な社会なのかも、と 日本だけが不幸で大きな課題を抱えてるんじゃなくて、世界どこでもなんらか大きな課題はある、 政治的運動をしなくていいのは、政治的自由がない国だけ 自立とは他人に頼ること、迷惑をかけないように頑張るというのは、私が他人を助けないと自慢することと同じ 現場の人々が一生懸命がんばることで、精度の抱えてるそもそもの問題が先送りにされたり、現場の工夫や情熱によって奇跡的に運営できてしまうが故に、現場の困難が放置されていて、がんばるひとがえらいと思われてしまう状況 パクさんの、ユキの問いへの答え方。子供としてないがしろにせず。 子供がいることを、何かをするあるいはしないことの理由にしたくない、という意志の強さ 親がコントロールすべきは、こどもではなく自分自身。子供の面倒をみるということは、子供の世界に親が入ることではなく、子供が子供の世界を楽しむのをただ見守ること 親が大人になる程、親はこどもにとって安全な大人になる。そういう安全な大人をこどものまわりにふやすことで、こどもは頼る具体的な相手を見つけられる 子どもの反対は大人と親だなぁ、なんでかしら 金と勉強は人間を自由にする 誰かを迷惑だと思うのではなく、その状況になった背景となる企業や仕組みや制度を変えるという考え方
Posted by
フィンランドの生活を、単に礼賛するだけじゃなく、フラットな視点で、しかも小さな子どもがいる身でレポートしてくれている読み物としては大変興味深い。 でも、著者の考え方や語り口はかなり独特。というか、私はあまり好きになれなかった。 一見ブレイディみかこさんのようで、実は全然違う。 未...
フィンランドの生活を、単に礼賛するだけじゃなく、フラットな視点で、しかも小さな子どもがいる身でレポートしてくれている読み物としては大変興味深い。 でも、著者の考え方や語り口はかなり独特。というか、私はあまり好きになれなかった。 一見ブレイディみかこさんのようで、実は全然違う。 未熟な1人語り感が強く、時々読みながら置いてけぼりになる感じがしました。 他の方が書いているように、あからさまに自慢ではないけど、自分や自分の子供のことを自慢しているようにも感じてしまって、フィンランドのことばかりでもなくて、読み進められなくなる時も多かったです。
Posted by
日本人は他人に興味がある人が多いから、人情があっていいけど、同時に窮屈さの原因にもなるのだな。 子供の能力を「資質」ではなく「スキル」だとする考え方がいいと思った。資質だと困った性格は治せないからな。 こんなこと書くと「治すのではなくプラスに受け止めてうんぬんかんぬん…」と説...
日本人は他人に興味がある人が多いから、人情があっていいけど、同時に窮屈さの原因にもなるのだな。 子供の能力を「資質」ではなく「スキル」だとする考え方がいいと思った。資質だと困った性格は治せないからな。 こんなこと書くと「治すのではなくプラスに受け止めてうんぬんかんぬん…」と説教くらいそうですが。
Posted by
とてもとても面白かった!研究者である著者が「相手は、こちらと比較して優れているわけでも劣っているわけでもなく、単に違うだけではないか。その違いは、ときに腹立たしく、ときに面白いものではないか。」と、フィンランドでの生活の中で、著者がその違い、面白い!と思ったものを紹介(ただ紹介し...
とてもとても面白かった!研究者である著者が「相手は、こちらと比較して優れているわけでも劣っているわけでもなく、単に違うだけではないか。その違いは、ときに腹立たしく、ときに面白いものではないか。」と、フィンランドでの生活の中で、著者がその違い、面白い!と思ったものを紹介(ただ紹介しているだけではない)してくれたもの。 いろいろ心に留めておきたいことがあるが、その中でも、「スキル」に関する考え方がとても興味深かった。 「正直さ」「忍耐力」「勇気」「感謝」「謙虚さ」「共感」「自己規律」など、日本では性格や才能などと考えられるものは、「スキル」と捉えられる。それぞれが足りない?と思うならば、「練習する機会を増やす」と考えるのだ。 そして、教員たちは、「教員のマニュアルで人格を評価してはいけないことになっている」そうで、子どもの人格や才能でなく、スキルを評価する。そう、才能や人格は、ある程度まで生まれ持ったものだから。その点、「スキル」はいつからでも、いつまででも伸ばすことができるし、周囲もそのスキルの練習を手伝うことができる。 なるほどなぁと思った。これは、私たちも取り入れることができるのではないかと思った。
Posted by
問題を個人ではなく仕組み・制度にあると考える。国籍や収入、人種、性別、社会的立場など、個々の属性をターゲットに攻撃する考え方とは違ったモノの見方が面白い。 自分もどちらかと言えばフィンランド寄りの考え方なので共感するところが多かった。
Posted by
フィンランドの福祉制度や教育はよく良い例として取り上げられるので、フィンランドのやり方が良くて日本のやり方が悪いという印象をを受けがち。でもどちらにも良し悪しがあるものである。どっちがいいとか悪いとかではなく、こんなやり方があるのか、こんな考え方があるのかということを知ることで、...
フィンランドの福祉制度や教育はよく良い例として取り上げられるので、フィンランドのやり方が良くて日本のやり方が悪いという印象をを受けがち。でもどちらにも良し悪しがあるものである。どっちがいいとか悪いとかではなく、こんなやり方があるのか、こんな考え方があるのかということを知ることで、思考の幅が広がり、より柔軟に考えることができるようになる気がする。だから、いろんな国の文化を知ることはおもしろい。
Posted by
子供や教育、母親についての保育士さんやネウボラの考え方が新しく参考になった。 フィンランドでは当たり前なのであろうが、日本でも取り入れたらいいなと思うものが多数。 私も取り入れたい考えはメモしたので、時が来たら読み返したい。 フィンランドでおしゃれな暮らし!な内容が全く出てこない...
子供や教育、母親についての保育士さんやネウボラの考え方が新しく参考になった。 フィンランドでは当たり前なのであろうが、日本でも取り入れたらいいなと思うものが多数。 私も取り入れたい考えはメモしたので、時が来たら読み返したい。 フィンランドでおしゃれな暮らし!な内容が全く出てこないのが逆に面白かった。
Posted by
幸福度世界一と言われるフィンランド。 憧れのフィンランドブランド。 そんなユートピア的文脈で語られるフィンランドでの生活が、社会学者の朴沙羅さんによって実にフラットな視点で語られる。 年代的に割と近く、学生時代を関西で過ごされた朴さんの時代感はスッと入りやすく、ユーモアある語り...
幸福度世界一と言われるフィンランド。 憧れのフィンランドブランド。 そんなユートピア的文脈で語られるフィンランドでの生活が、社会学者の朴沙羅さんによって実にフラットな視点で語られる。 年代的に割と近く、学生時代を関西で過ごされた朴さんの時代感はスッと入りやすく、ユーモアある語り口は、読み始めてすぐにファンになった。物事をフェアにみる冷静さが、とても心地よく信頼できる。 朴さんはお子さんを2人連れて、フィンランドへ移って2020年2月から働いておられる。 コロナと重なったのは偶然、2018年に最初に旅行で訪れている。 子育ての話も多分に交えながら、フィンランドと日本・京都の社会福祉、保育園、街で出会う人々の子どもへの接し方など比較しながら分析される。 前述の通り、「北欧・フィンランド礼賛」という偏った見方はされず、あくまで日本もフィンランドも、背景がこうだから、こうなるのだろうもいう客観視がされている。だから、あくまで読み手としても、新たな視点を持って、自分といまの環境を見つめ直せる。 結局は、自分がどんな人達と助け合ったり、線引きしたりしながら、生きるのか、自分で決めて選んで生きていくしかない。環境をうつすのか、環境を皆で変えていくのか。 いずれにしても民主主義の国だから。 印象的なエピソードは有りすぎて、全ては感想として書ききれないけれど、一部を。 ・保育園の教員との話で、(子ども達が喧嘩をしたらどうするか?」という質問に対して、 「このスキルを学んでいる途中だね」とお互いに確認するのを手伝っている、ということ 指示に従わないユキちゃんのことを 「嫌なことをはっきり嫌だと言い、常に自分の考えを持っていてすばらしい」と褒められた話。 (日本の教育は集団主義的なのは、教員側の人員や時間的問題による側面が多いのかも) ・何か問題があったときは、人を褒めたり貶したりするのでなく、「問題/技術に焦点を当てる」こと いいところ⇔悪いところではなく、 練習が足りているところ⇔練習が足りていないところ ・子どもが遊ぶスペースが普通の列車内にある ・フィンランドには日本でいう学校のクラブ活動が存在しない。 日本でいう習い事のような、学校外のクラブ活動、ソサエティがあって、日本より月謝は安い。 けれども、子どもが自分で通える範囲にあるか、保護者やシッターが送り迎えできるかによって、参加できる幅は限られるため、家庭環境によってはチャレンジできないかもしれない。 ・カルサリカンニ (kalsarikannit) 意味:パンツ一丁で自宅でお酒を飲む なんと素敵な単語があるのか。 ※ヒュッゲ(居心地の良い空間、 楽しい時間)はデンマーク語
Posted by
出来ないことは練習が足りていないという発想は目から鱗だ。 例えば、早起きが苦手だった私だが、それは早起きの練習が足りていなかっただけなんだと気付いた。 そして練習するようになりさえすれば、自ずと早起きになれた。 個々人の性格だと簡単に決めつけていたことも、実は練習次第で変えられる...
出来ないことは練習が足りていないという発想は目から鱗だ。 例えば、早起きが苦手だった私だが、それは早起きの練習が足りていなかっただけなんだと気付いた。 そして練習するようになりさえすれば、自ずと早起きになれた。 個々人の性格だと簡単に決めつけていたことも、実は練習次第で変えられることかも知れないというフィンランドの教育に合点がいった。 著者の祖父の「自分の被害さえ認識できねえやつらに、加害なんかわかるわけねえずら」(p215)という言葉がとても印象に残った。 自分たちの被害をちゃんと認識して初めて、加害についての反省が生まれるのだろう。 示唆に富んだ言葉だ。
Posted by