ミニシアターの六人 の商品レビュー
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追悼と冠された、その時間、その回を観た 六人の人の思考から映画が語られる。 それぞれの今や過去、思い出も編み込まれて。 夜の銀座での特に事件が起こるわけでもなく、ストーリー展開が派手なのでもないけれど一人一人の観点から描き出されるそのにじかんの映画からそれぞれの周りの人々や家族、恋人のことが浮き彫りにされ、傍から見るとひとつの環となってゆく。 二年前に亡くなったというその監督の息子の現在も最後に際立つ出せてくれた。 人との繋がりをあからさまにではなく、見えない様に映画の中で、そしてスクリーンここちら側でもクールに描き出せた小野寺さんの本に、また涙が滲んでくる。
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ミニ・シアターで上映された一本の追悼作品に絡んで、6人の観客が自身の生き方を見つめ直すという群像劇。 6人それぞれの視点で語られる6編と断章3編、エピローグからなっている。 * * * * * 序盤は映画の断片からその空気を読み取るのに手こずり、観客たちの...
ミニ・シアターで上映された一本の追悼作品に絡んで、6人の観客が自身の生き方を見つめ直すという群像劇。 6人それぞれの視点で語られる6編と断章3編、エピローグからなっている。 * * * * * 序盤は映画の断片からその空気を読み取るのに手こずり、観客たちのドラマに入り込むことが難しくて、淡々と読み進めるのみでした。 面白くなったのは「無念 沢田英和」から。滝口と平塚のコミカルなやりとりがスクリーンで繰り広げられてからです。 亡監督の息子たちの葛藤と屈折。読むのがつらくなる展開なのですが、挿入される『夜、街の隙間』のシーンが癒やしてくれます。そして満腹になる直前にエピローグ。 作品後半の充実ぶりにしてやられたと苦笑しつつ読了。☆4つをつけることとあいなりました。おあとがよろしいようで。
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作者あとがきの”ミニシアター大好き”という一言が全てを物語っている、ミニシアター愛を感じる作品だった。シネコンにはない、ミニシアター独特の雰囲気を感じた。劇中の映画は行定監督のきょうのできごとを思い出した。
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銀座のミニシアターで映画を観た六人の人生を描く連作短編集。 ややややこしい構造になっていて、面白い試みだとは思うけれど、物語にストレートに入り込むのがちょっと難しくなってしまった。 それでも小野寺文宣は読み続ける。
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例によってちょっとずつ交錯したりする人生の一瞬の一日だが、中の人も地の人も六人ずつでちと多すぎで混乱も。
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タイトルが「天使と悪魔のシネマ」を思い出してしまってちょっと引いてしまいましたが、作家さんの通常運転のお話しでした。まぁなんとなく結末が途中でわかっちゃうね、うん。 ホントに映画がお好きな方なんだな〜 お話しには直接関係ありませんが、数十年前に小さな映画館でみた映画のタイトルが...
タイトルが「天使と悪魔のシネマ」を思い出してしまってちょっと引いてしまいましたが、作家さんの通常運転のお話しでした。まぁなんとなく結末が途中でわかっちゃうね、うん。 ホントに映画がお好きな方なんだな〜 お話しには直接関係ありませんが、数十年前に小さな映画館でみた映画のタイトルが並んでいて、とても懐かしかったです。
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小野寺さんは好きな作家さんで 何冊か読んでるけど 1番読みにくい感じでした。 映画の中と現実が 交差してる感じで 時々登場人物の関係性がごっちゃになってしまいました。 「夜」をテーマにした作品あるし 小野寺さん自身 夜が好きなのかな
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【収録作品】記念 三輪善乃(ヨシノ) 六十歳/思念 山下春子 四十歳/断章 丸の内/断念 安尾昇治 七十歳/無念 沢田英和 五十歳/断章 丸の内/雑念 川越小夏 二十歳/一念 本木洋央 三十歳/断章 銀座/再び記念 三輪善乃/午後七時の回 一篇の映画が観客にもたらす何か。受け取...
【収録作品】記念 三輪善乃(ヨシノ) 六十歳/思念 山下春子 四十歳/断章 丸の内/断念 安尾昇治 七十歳/無念 沢田英和 五十歳/断章 丸の内/雑念 川越小夏 二十歳/一念 本木洋央 三十歳/断章 銀座/再び記念 三輪善乃/午後七時の回 一篇の映画が観客にもたらす何か。受け取り方はひとさまざまだからこそ、面白い。この映画を見てみたくなった。
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平日のミニシアター、ある映画監督の追悼上映を観ていた、たった6人の観客それぞれを描いた連作短編。銀座のミニシアターと言えば、シネスイッチ銀座? 和光の裏というロケーション、かつて「ニューシネマパラダイス」をロングラン上映した映画館ということで、これはますますそうだろうと思ったら、...
平日のミニシアター、ある映画監督の追悼上映を観ていた、たった6人の観客それぞれを描いた連作短編。銀座のミニシアターと言えば、シネスイッチ銀座? 和光の裏というロケーション、かつて「ニューシネマパラダイス」をロングラン上映した映画館ということで、これはますますそうだろうと思ったら、巻末に作者の小野寺さんのシネスイッチ銀座への謝辞が出てきて、やっぱりと。6人の物語が、その中で語られる「夜、街の隙間」という映画のシーンで結ばれ、その陰に監督自身の家族の物語がブレンドされる構成がいい。それがまた1本の映画のよう。
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図書館で借りたもの。 銀座のミニシアターで、亡き末永静男監督の追悼上映が行われた。観客は六人。彼らの人生と、映画のストーリーを行き来しながら、出会いとすれ違い、別れを繰り返す日々の中にある奇跡を鮮やかに描く。 人それぞれに物語があるよね、ってことだね。
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