ミニシアターの六人 の商品レビュー
ミニシアターで映画を観た気にさせられるお洒落な話。読みやすいし、なんかじんわり系の良さがある。劇的な展開がないという意味ではツマラナイか。。。
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小野寺さんの作品は大好きでかなり読み込んでいるのだけど、映画が苦手なのもあるせいか、イマイチ話が心に入ってこなくて。何度も繰り返される「夜、街の隙間」のシーンになると辟易。映画と観客とがリンクしていたりで頭がごっちゃごっゃ。しまいにはこれは誰だっけ?興味がないお話を延々と読み続け...
小野寺さんの作品は大好きでかなり読み込んでいるのだけど、映画が苦手なのもあるせいか、イマイチ話が心に入ってこなくて。何度も繰り返される「夜、街の隙間」のシーンになると辟易。映画と観客とがリンクしていたりで頭がごっちゃごっゃ。しまいにはこれは誰だっけ?興味がないお話を延々と読み続けるのは苦行だった。とはいえ、途中でやめてしまうのにはもったいないくらい作りこまれている作品のようだし
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ある映画を見る為に映画館に集まった6人それぞれの物語。大きな事件があるわけじゃないけど、ゆる〜く繋がり、映画のストーリーとも重なる。改めて日常が大切なのかなと。良かった。
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一本の映画にたまたま居合わせた6人のストーリーと映画のストーリーが微妙に絡みつつ進行していく。 読み手の自分も一緒に映画を観た気分になる不思議な体験だった。 当日に二十歳の誕生日に一人で映画を観ることになった話が一番ズンときた。
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最後の章までは⭐︎3くらいだったけど、最後、やられたー。 『夜、街の隙間』どんな映画か見てみたい…くらいの感想を書く予定だったけれど、そんなもんじゃなかった。 この映画を見た6人の晴れ晴れした気持ち、一緒に堪能できるなんて。 ホントに素敵なお話でした。
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タイトル的にはミステリーっぽいけど、良質なミニシアター上映の映画観ているようなお話でした。 作品が評価されている監督の追悼上映期間のある回にいた6人はそれぞれこの映画に、もしくはこの回に来た縁を持っていて、少しずつ繋がっています。劇場型で語り手変わりながら、監督と映画の内容がぼん...
タイトル的にはミステリーっぽいけど、良質なミニシアター上映の映画観ているようなお話でした。 作品が評価されている監督の追悼上映期間のある回にいた6人はそれぞれこの映画に、もしくはこの回に来た縁を持っていて、少しずつ繋がっています。劇場型で語り手変わりながら、監督と映画の内容がぼんやりあかされていきます。 はっきりした起承転結ない展開や、で、あれはどうなったの?が多く、好みの分かれる内容かも。私は面白かったです。小野寺史宜3冊目、どれも優しい本ですね。
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ミニシアターで追悼上映された映画を観に来ている6人の観客の人生が描かれる。監督に関係する人も、たまたまこの映画を観た人もいる。その6人の人生が映画を介して交差する。 夜を描いた映画の通り、しっとりとした話だが、読後感は爽やかだ。 いい小説だった。
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ミニシアターのある回に集まった六人。 小さな劇場だと、時々ある。 観客より映画の出演者の方が多い状況。 映画の出演者は概ね九人。 監督の追悼公演なので、 関係者という意味で含めると十人。 その映画をたった六人で観る。 ある意味、贅沢。 演劇だったら採算を心配するところ。 劇場のシ...
ミニシアターのある回に集まった六人。 小さな劇場だと、時々ある。 観客より映画の出演者の方が多い状況。 映画の出演者は概ね九人。 監督の追悼公演なので、 関係者という意味で含めると十人。 その映画をたった六人で観る。 ある意味、贅沢。 演劇だったら採算を心配するところ。 劇場のシートに距離をあけて、おのおの座る。 六人全員が一人客。 それぞれの事情を抱え、そこにたどり着く。 劇中劇のような形で、 小説の中で映画のストーリーが語られる。 家で観るのとは違い、 映画館の暗いスペースで映画を観ると、 日常生活から離れられることができる。 日々のしがらみやとらわれから束の間離れ、 異なる世界、異なる自分を味わうことができる。 それによって逆に、 日々の生活や自分のこだわりが 見えてくることもある。 浮かび上がる。 観客の六人、映画関係者の十人は、 もっと言えば銀座にあるこの映画館、 二十年以上前に作られた映画。 これらの人、場所、映画は、 かすかな縁でつながっている。 有機的な縁もあれば、偶発的な縁もある。 それを自身意識している者もいれば、 まったく知らないでいる者もいる。 劇中、映画監督について 語られるシーンが幾つも出て来る。 夜を描く。 人を描く。 夜と人をともに描く。 大袈裟な出来事や派手な演出はなく、 淡々と柔らかに、それでいて確かに、 夜と人を描ききる。 すごいヒット作を発表したわけではないけれど、 幾人もの人の心に影響を与える作品の遺した監督。 監督らしい、という言葉が何度も出る。 日々のちょっとした違いをていねいに拾う。 掬い上げる。 小野寺史宜らしい小説だと思う。 優しさが心にたまる。
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映画のストーリーと観客のストーリーが交わりながら進むので、小野寺さんの小説にしては読みづらく感じるかもしれません。 しかし、小説自体はミニシアター一本分に相当する面白さなので、小野寺さん好きとミニシアター好きには楽しめるお話です。 誰かの目に止まって映画化されないかな〜
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
追悼と冠された、その時間、その回を観た 六人の人の思考から映画が語られる。 それぞれの今や過去、思い出も編み込まれて。 夜の銀座での特に事件が起こるわけでもなく、ストーリー展開が派手なのでもないけれど一人一人の観点から描き出されるそのにじかんの映画からそれぞれの周りの人々や家族、恋人のことが浮き彫りにされ、傍から見るとひとつの環となってゆく。 二年前に亡くなったというその監督の息子の現在も最後に際立つ出せてくれた。 人との繋がりをあからさまにではなく、見えない様に映画の中で、そしてスクリーンここちら側でもクールに描き出せた小野寺さんの本に、また涙が滲んでくる。
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