あなたのための短歌集 の商品レビュー

木下龍也(著者)

2023/10/19

X（旧Twitter）で見た一句が忘れられず読んだ。
お名前をどこかで見かけたと思ったら、以前読んだ『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』の方だった。

どの短歌も依頼者のための短歌なのに、どうしてかこんなにも自分の身にも刺さる。喜怒哀楽ごちゃ混ぜにされて、でも読み終えた後凪のような心持ちになってしまった。

2023/10/18

題をもらい「あなたのために」一首を作る、という短歌の個人販売を始めた作者。それらの作品を、依頼者から「私だけの短歌が、だれかのための短歌にもなる」という後押しを受けて発表した短歌集。「あなたのために」に作られた短歌の、その人への思いの深さがしみる。「違いとは間違いじゃない窓ひとつひとつに別の青空がある」「人間へ　食べものよりもきみが好きな日もたまにはあるよ。犬より」「君が死後まず目指すのは僕の待つ部屋のあかりでありますように」「ふりむけば君しかいない夜のバスだから私はここで降りるね」「背を向けて板書しながらあなたにも翼があると教える仕事」「君という火種で燃えるべきつらくさみしい薪があるんだ、おいで。」

2023/09/29

俳優の藤原季節さんがおすすめされてたので読んでみました。

以下、藤原季節さんへ詠みます。

こんにちは
とてもいいものよめました
ほんとにどうも
どうもありがと

2023/09/28

オススメされて初めて購入した短歌集ですが、、知り合い全員にプレゼントしたくなる本でした。
依頼者のリクエストに合った作品をオーダーメイドで作った短歌。本来なら世に出るはずではなかった作品たちは、ちょっと覗き見しているようなドキドキ感と共に、心に染み入ります。
私は37番と68番が特に好きです。
このような短歌を自分だけのために作ってもらえるのなら、それは一生の宝物になりそうです。

2023/09/19

随分前に予約したと思っていた本が、やっと届いた。時間がかかったのは蔵書自体が複数ないことも理由だろうけれど、本を手に取れば納得した。

詩集はもちろん、小説やエッセイその他の本でも、気に入った部分や口に出すと気持ちの良さそうな箇所を自分の部屋で声にすることは度々あって、本書はお題も短歌も、あとがき以外は全て口に出した
作品である短歌は当たり前かもしれないけれど、お題まで読んでいて楽しかったりしんみりしたりするのが興味深かった。

あっという間に読んでしまったけれど、お気に入りの作品を含めて、2巡3巡としたくなる気持ちしかない。
誰かが誰かたった1人のために言葉を紡ぐことの尊さと素晴らしさを存分に感じられる歌集だった。ラブレターのような、私信のような…
出会えてよかった。私の本棚にも迎え入れたい。

追記（以下ネタバレ）お気に入りメモ
040
もがくほどしずむかなしい海だから力を抜いて浮かんでいてね

052
ふりむけば君しかいない夜のバスだから私はここで降りるね

065
見開きにひかりを受けるとき本は手元に灯るふたつめの月

085
うつくしい思い出になる10年を不安に歩く私でしたね

094
絶望もしばらく抱いてやればふと弱みを見せるその時に刺せ

2023/08/24

読むきっかけはTwitterで、
038「愛された犬は来世で風となりあなたの日々を何度も撫でる」を見かけた。
今までにない形の詩集で面白い。

2023/08/08

「まっすぐ」の短歌が大好きなので、表紙になってるのを探して買いました。飼い犬の短歌をTwitterで見かけて、号泣したもんな。三十一音の世界で生きているの、大尊敬。

2023/08/06

書かれている文字はたった31音、そこに込められているたくさんの想いを、想像力を掻き立てて自分なりに噛み砕いて理解して一首一首ゆっくり味わっていく感覚が新鮮で楽しく読めた。短歌はもっと私の理解が追いつかなかったりするのかなと思っていたけれど、そんな事は無くて短歌初心者でも読みやすかった。
じんわりと心を癒してくれる、そっと背中を押してくれるそんな短歌がたくさんある。
驚いた事は、こういう『〇〇100選』みたいな本はその中でお気に入りの項目がいくつか見つけられたら良いな、くらいの感覚なのにこの本は、「いいな、好きだな」と魅了させられる短歌だらけだった。

2023/08/01

個人の依頼でその個人に販売している短歌集。すでに販売したあとなので印税は短歌普及のため、全国の書店での短歌本購入にあててるという。読んでみると響く短歌が21首。俳句より好きだと分かった。『いじわるな星だとしても母さんがそこにいるなら生まれてみるよ』『もがくほどしずむかなしい海だから力を抜いて浮かんでいてね』

2023/07/19

028 自分の名前の漢字がとても気に入っています。名前の一文字「衣」を使った短歌をお願いします。
「更衣室から出たきみが照れながらゆっくりまわる夏のまんなか」

あたしのための、あたしだけの短歌が、誰かのための短歌にもなれば幸いです。