あなたのための短歌集 の商品レビュー
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愛された犬は来世で風となりあなたの日々を何度も撫でる SNSでこの短歌を見かけて、あまりの良さに図書館で予約してみた。詩集?と言っていいものか分からないけれど、普段読まないタイプの本。 一句目から百区目まで全部しっかり目を通したわけじゃなく、共感できそうなお題の句だけかいつまみながら読んでいった。 ん…??みたいなものもあるし、涙がでるような歌もあった。きっとまた時間や状況が変わったら、その評価が逆転したりするんだろう。時間をおいて読み返してみるのもいいかも。 今日のわたしにはこの歌が心に刺さりました。 どなたって戸惑う祖父を抱きしめたかなたで思い出してほしくて
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自分のために作られたものじゃなくても、 自分のために作られたもののように 心の大事な部屋にしまっておける、 そんな短歌ばかりだった。 表現で感銘を受けたのは 23歳になる人に向けて 2羽のアヒルで表現した部分。 日本語の幅って広い。 短歌だから ストレートに心に入ってくる。 この本に出会えた縁も含めて忘れられない一冊になった。
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みんなのため、ではなく、あなたのため、というのが、かえって突き刺さる句に出会うのかもしれないと思った。 好きな句がたくさんあった。今の自分に合ったような句をいくつか。 --- 「悩む」とは想像力に火をつけて無数の道を照らすことです 音を止め心の声を聴くために神があなたへくれた休息 もがくほどしずむかなしい海だから力を抜いて浮かんでいてね かなしみは寒がりだからすぐ君の胸の暖炉に集まるんだね 風化ではなく風景になったのだ。 あの日の彼もあなたも遠く。 絶望もしばらく抱いてやればふと弱みを見せるその時に刺せ
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これは、日常と貴方の未来を彩るささやかな祈り。 表題に『あなたのために』とあるように、木下さんが依頼者に向けて作った歌が集められたもの。それなのに、私が体験したものに対して作られた歌のように感じる瞬間があって不思議だった。時々依頼文を読んで「あ!今の私だ」と思い、次に左ページの...
これは、日常と貴方の未来を彩るささやかな祈り。 表題に『あなたのために』とあるように、木下さんが依頼者に向けて作った歌が集められたもの。それなのに、私が体験したものに対して作られた歌のように感じる瞬間があって不思議だった。時々依頼文を読んで「あ!今の私だ」と思い、次に左ページの短歌を読んで、心がじんわり温かくなったり、目頭を熱くしたり、かと思えば抱きしめられるような感覚を憶えたり、多様な捉え方ができて、どの短歌も見る度に胸がときめいた。また、時間を空けてこの本を開いた時、年齢や心の持ち用で全く異なる捉え方ができそうだな、と思った。 私だけでなく、この本に出会った方、そしてこれからこの本に出会った方それぞれが、この本に救われてまた明日からも一歩踏み出していけますように。皆の心に明かりが灯り続けますように。 またどこかで木下さんの歌が詠めますように。
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・同棲を始めて3か月が経ちました。生活もふたりの関係もマンネリになっているのをお互いに何となく感じています。恋とか愛とか、やっぱり難しいです。それでも、結婚やその先の生活など未来に前向きになれるような短歌をお願いします。 →適温の愛を見つけたぼくたちは燃え尽きることなく抱き合える ・人は生まれた時から、もしかすると生まれる前から不平等だと思います。でも、不平等だからこそ生きたいと思えるような短歌をお願いします。 →大きさも深さも違う花瓶にはそれぞれ似合う一輪がある ・最近ずっともやもやした悩みを抱えています。励みになるような短歌をいただきたいです。 →いつからか頭のなかで飼っている悩みがついにお手を覚えた ・私は本にまつわる仕事をしています。私のおすすめした本が、誰かの心に月あかりのように灯ってほしい。こんな思いでしている日々の仕事を、短歌にしていただきたいです。 →見開きにひかりを受けるとき本は手元に灯るふたつめの月 ・生きたいと思えるような短歌をください →君という火種で燃えるべきつらくさみしい薪があるんだ、おいで。
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そっと心にしみ入るような短歌たち 木下さんの短歌がもつあたたかさと、すっと真実を突いてくるまっすぐさが素敵で怖くて大好き あなたのための短歌だけど、わたしの短歌にもなった ありがとう 大きさも深さも違う花瓶にはそれぞれ似合う一輪がある
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読者?からのお題と言うかお願いと言うか吐露に対して作者が一首読んだものを集めたもの。 お守りや、光や、杖や、言い方はたくさんあるけれど、寄りかかるには弱いが心の中で諳んじる度に又立つ気が起きる短歌。 年齢のせいもあるだろうけれど、なんだかこそばゆいものも多く。そんな悩みもあったか...
読者?からのお題と言うかお願いと言うか吐露に対して作者が一首読んだものを集めたもの。 お守りや、光や、杖や、言い方はたくさんあるけれど、寄りかかるには弱いが心の中で諳んじる度に又立つ気が起きる短歌。 年齢のせいもあるだろうけれど、なんだかこそばゆいものも多く。そんな悩みもあったかなと、鈍感になっていくのを感じた。 好きなものは 風化ではなく風景になったのだ。あの日の彼もあなたも遠く。 足のつくことに戸惑うこれまでは溺れるだけの海だったから たま、そんな小さな足で一生の大半をもう駆けたのか
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わ、すご、うまいこというなぁ…と思えるものもあれば、こんな幸せそうなお題からどうしてこんな恐ろしい句ができたんだ…とびっくりするのもあり。 「大きさも深さも違う花瓶にはそれぞれ似合う一輪がある」 が、よくありそうなテーマではあるけど、私はすごく好きだった。
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きつく巻くゆびを離せばゆっくりときみを奏でてゆくオルゴール 大きさも深さも違う花瓶にはそれぞれ似合う一輪がある こんがりな心の花に陽をあてるために身体をもらったんだよ 悩むとは想像力に火をつけて無数の道を照らすことですきみがいまつまずきながら描いてる地図は未来でだれかを救う もが...
きつく巻くゆびを離せばゆっくりときみを奏でてゆくオルゴール 大きさも深さも違う花瓶にはそれぞれ似合う一輪がある こんがりな心の花に陽をあてるために身体をもらったんだよ 悩むとは想像力に火をつけて無数の道を照らすことですきみがいまつまずきながら描いてる地図は未来でだれかを救う もがくほどしずむかなしい海だから力を抜いて浮かんでいてね かなしみは寒がりだからすぐきみの胸の暖炉に集まるんだね 5.7.5.7.7限られた文字でぎゅっとつめる短歌 初めて短歌の本を読んだけれど、とっても魅力的に感じ、ひしひしと心に響くものがあった
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依頼者から届くお題をもとに短歌を描いたものをまとめたものですが、どうしてこんなに人に寄り添った31文字が綴れるのかと感動しました。 限られた文字数ですが、だからこそ考えて練られて登場した一句たちなのだろうと思います。 情景が思い浮かびます。 同時にちょっと不穏な雰囲気のものもあっ...
依頼者から届くお題をもとに短歌を描いたものをまとめたものですが、どうしてこんなに人に寄り添った31文字が綴れるのかと感動しました。 限られた文字数ですが、だからこそ考えて練られて登場した一句たちなのだろうと思います。 情景が思い浮かびます。 同時にちょっと不穏な雰囲気のものもあって、それもまた病みつきになります。
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