あなたのための短歌集 の商品レビュー
依頼者のお題に応じて詠んだ短歌を集めた本。 依頼者の人柄や求めるものに寄り添って、明度や湿度や距離感までも自在に変えられる作者の思いやりと技術とセンスに驚いた。 逆に短歌から依頼者がどんな人かを想像するのも面白い。 現在の自分では、010,020,040,073,092が好きだっ...
依頼者のお題に応じて詠んだ短歌を集めた本。 依頼者の人柄や求めるものに寄り添って、明度や湿度や距離感までも自在に変えられる作者の思いやりと技術とセンスに驚いた。 逆に短歌から依頼者がどんな人かを想像するのも面白い。 現在の自分では、010,020,040,073,092が好きだった。時間を置いてまた読む時に変わりそうで、それもまた楽しみ。
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木下龍也さんのつくる短歌が本当に好みだと、どの本を読んでも感じるのですが、『あなたのための短歌集』は特にあたたかくて、自分に寄り添ってくれている気がして、涙が出てきてしまう短歌が何首もありました。大切な一冊になりました。
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本当に素敵。木下龍也さんの表現力に惚れてしまう。短歌の世界に、より興味を抱くきっかけになった。顔も名前も知らない誰かに宛てられた短歌だけど、生きていく上でお守りみたいにしたい短歌がいくつもあった。たったの三十一音で優しく寄り添う魔法のような本。
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30何番かの「愛された犬は来世で〜」の単価をsnsでよく目にするので読み始めた短歌集。 飼っていた鳥が数ヶ月前に亡くなったので 犬 の部分を 鳥 に置き換えてしんみりしていました。 あの短歌は動物を飼っていた人、家族を亡くした人、沢山の人に響き救うと思います。 私は054の短歌...
30何番かの「愛された犬は来世で〜」の単価をsnsでよく目にするので読み始めた短歌集。 飼っていた鳥が数ヶ月前に亡くなったので 犬 の部分を 鳥 に置き換えてしんみりしていました。 あの短歌は動物を飼っていた人、家族を亡くした人、沢山の人に響き救うと思います。 私は054の短歌が好きです。 みんな変わっていく、置いてかれる、「もう二度と会えないあの頃のみんなに会いたい、寂しい」とよく思う私のひび割れた部分に軟膏を塗って貰えた気分になりました。助かりました。
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短歌というものを初めてしっかり読んだ気がする。 「すごい・やばい・可愛い」くらいしか語彙力が無いので、紡ぎ出される言葉たちにとても心打たれました。 イメージを言葉に変換するのってすごいなぁ。
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この人と感性がすごく合うわけではないけれど、いくつか刺さるものがあった。 このあたりが好き。 「違いとは間違いじゃない窓ひとつひとつに別の青空がある」 「きみがいまつまずきながら描いてる地図は未来でだれかを救う」 「愛された犬は来世で風となりあなたの日々を何度も撫でる」 「きつく...
この人と感性がすごく合うわけではないけれど、いくつか刺さるものがあった。 このあたりが好き。 「違いとは間違いじゃない窓ひとつひとつに別の青空がある」 「きみがいまつまずきながら描いてる地図は未来でだれかを救う」 「愛された犬は来世で風となりあなたの日々を何度も撫でる」 「きつく巻くゆびを離せばゆっくりときみを奏でてゆくオルゴール」 人によって刺さるものが違うので、感想を読むのも楽しい。
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ユニークな試み、興味深く読みました。 好きなのは ◇山を越え「ふう」と漏らしたため息にあなたが「ふ」って笑いを添える ◇この夢の由来はきっと母さんに読んで読んでとせがんだ絵本 ◇しあわせをひとりひとりに配り終え手ぶらで去ってゆく十二月
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こんなに少ない言葉で、小説みたいに回り道して、伝えるのって、いや、すごい。泣いた。こんなに少ない言葉で!
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短歌の昔も今も知らない素人だけど、 これは現代の短歌たちって気がした。 シンプルで言葉の飾りは少ないけど、細やかな仕掛けとフックがある感じ。 気に入ったおまもりみたいな短歌が沢山あった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
依頼者からのお題に短歌を作り、封書にして届けるという素敵な個人販売企画から生まれた短歌集。 お題に対して真っ直ぐに応えた歌もあれば、 「生まれかわる」で短歌をお願いしますというお題に対し、 「水滴をまとうトマトが思い出す人間だったころの戒名」 のように、ちょっぴり斜めに応える歌もあったりと、楽しい歌集。 一番グッと沁みてしまった歌は 「ふりむけば君しかいない夜のバスだから私はここで降りるね」 ダントツでこれだった。 こんな歌を頂いてしまったら泣いてしまいそうだ。 「さくらって呼ばれるたびに突風であなたへ散ってしまいたくなる」 も素敵だった。 キュンとするし、ご自身のお名前が益々大切になりそう。 誰かの為の歌であっても背中を押されたような気持ちになれたのは、 「大きさも深さも違う花瓶にはそれぞれ似合う一輪がある」 木下さんの温かさに目が潤んでしまったのは最後の歌。 生きたいと思えるような短歌をくださいというお題に対し、 「君という火種で燃えるべきつらくさみしい薪があるんだ、おいで。」 そうそう、歌集の最後の最後に谷川俊太郎さんのお題に応えた歌も掲載されているのでお見逃しなく。
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