おはようおかえり の商品レビュー
特別印象に残る場面や先が気になるような展開でもないがそれぞれの気持ちや関係性を表す描写やお菓子などの表現の仕方が作品の展開とあっている雰囲気を作り出していて面白かった。
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見た目はよく似た姉妹。でも、姉は大学進学せずに家業の和菓子屋を手伝い、妹はアラビア語学び、演劇をし、エジプト留学しようとしている。そんなとき、妹の身体に曾祖母が乗り移るような出来事が起きる。姉は曾祖母の望みを叶えようとする間に色々なことが起き、自分達姉妹の相違や、世間的な価値観、...
見た目はよく似た姉妹。でも、姉は大学進学せずに家業の和菓子屋を手伝い、妹はアラビア語学び、演劇をし、エジプト留学しようとしている。そんなとき、妹の身体に曾祖母が乗り移るような出来事が起きる。姉は曾祖母の望みを叶えようとする間に色々なことが起き、自分達姉妹の相違や、世間的な価値観、視点のズレを考えていく。 世界的な視点や食べ物の描写、具体的な視点を示すことで私の価値観を考えさせられるところなど、良かった。特筆してなにか良いわけではないけれど、良い本でした。 愛人とかでてくるけど、中学から大丈夫かな。
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今回の近藤グルメは和菓子屋さんか。坂木さんの和菓子シリーズと違って、上生菓子主力じゃない、庶民派かな。そういえば最近きんつばって目にしてないな。地元のきんつばが目玉だった和菓子屋さんなくなっちゃったし。 つぐみではなく、小梅を語り手にしたのは、勿論曽祖母を外側から見せる為だろうけ...
今回の近藤グルメは和菓子屋さんか。坂木さんの和菓子シリーズと違って、上生菓子主力じゃない、庶民派かな。そういえば最近きんつばって目にしてないな。地元のきんつばが目玉だった和菓子屋さんなくなっちゃったし。 つぐみではなく、小梅を語り手にしたのは、勿論曽祖母を外側から見せる為だろうけど、最近の近藤さんらしい気がする。つぐみのようなアグレッシブなタイプを内面から描くのは苦手なんだろうか。 価値観の変遷について、小梅と榊で徹底的に論じ合って欲しかったな。
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姉妹と曾祖母を繋ぐ家族小説。 大阪で七十年続く和菓子屋を継ぐため、毎日働く姉の小梅。 妹のつぐみは、学業にバイトに演劇にと自由奔放である。 突然、妹に曾祖母の魂が乗り移り、曾祖父の浮気相手から手紙を取り返してほしいと告げてくる。 曾祖母の秘密が姉妹の関係を変化させていく。 お...
姉妹と曾祖母を繋ぐ家族小説。 大阪で七十年続く和菓子屋を継ぐため、毎日働く姉の小梅。 妹のつぐみは、学業にバイトに演劇にと自由奔放である。 突然、妹に曾祖母の魂が乗り移り、曾祖父の浮気相手から手紙を取り返してほしいと告げてくる。 曾祖母の秘密が姉妹の関係を変化させていく。 おはようおかえり、このことばを使ったことはないが、意味は知っていた。 確かに祖母から聞いていたような記憶がある。 違う時代に生きていたら、どんなふうに物事を見て、どう受け止めるだろうか。 そう言った姉のことばに共感できる。 姉は、何か特別できらきらしたものを見つけることができず、臆病だから家業を継ぐこと、いわゆる消極的判断しかできないと思っている。 たった一度の人生だから、やりたいことをやった方がいい。 たった一度の人生だからこそ、よく考えて行動したい。 なかなか若いうちから考えて行動することはないのでは…と思ったのだが。 自分自身が、なるようになる、の考えで生きてきたからかもしれない。 だが、どちらかというと姉よりの性格になるのだろうか…などと思いながら読み進めた。 妹の身体に曾祖母が憑依したとき、妹は「先祖や家ってどこまで付いてくるものなの⁇ 家族が嫌いなわけじゃない。 二度と会わないとか、そういう極端な話じゃなくて、会いたいときに会って、後は忘れてたい。」 これには、妹寄りだわ。と共感した。 姉妹各々の長所や短所が、読んでいて頷けるものであり時代が変化しても曾祖母の気持ちを慮る優しい内容で、じんわり沁みた。
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和菓子屋の先代、祖祖母が妹に憑依し、 生前に悔いのあることを 成し遂げる話。 実際の大阪の災害なども盛り込まれているが、 山が小さく読後感があまりない。
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とても不思議で、とても優しく切ない物語だった。 高校卒業後母と共に実家の和菓子店で働く小梅と大学生で演劇をしている妹のつぐみ。この姉妹の容姿はよく似ているけれども性格は全く違う。堅実な姉と行動的な妹。ある日突然つぐみに亡き曽祖母が乗り移り… 今は多様性が大切にされる時代。明治を生きた曽祖母がこの考え方を理解できないのは仕方ないことだ。昔はそれが許されなかったのだから。でも、事実として理解できても気持ちが付いてこない。好きだけど、好きだからこそ怒っていたのだろう。 小梅にとって曽祖母との出会いは大きかった。何も持たない自分。何も決めてこなかった自分。そんな自らの葛藤から解き放たれたのだと思う。 誰だって行動を起こすのは怖い。それでも、みんな一歩を踏み出すのだ。 榊さんの気持ちを考えると少し切なかった。どれだけ強い人にも人には見せない弱い自分が共存しているはずだから。
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この、曾祖母さん、凄いな。 手紙の内容も。考え方や生き方って、生きた時代には関係なく、その人がもってるものなんだな。
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大阪で何十年も営む老舗の和菓子屋。そこの姉妹の話だが、姉は和菓子屋で働くが、妹は劇団員をしている。ある日、突然ひいおばあちゃんが、妹に乗り移り過去の出来事を二人が解決していく。夫婦であっても人間関係は本当に難しい。
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43年前に亡くなった曾祖母の魂が、妹つぐみの身体に乗り移るという奇想天外なストーリー。曾祖母が夫の愛人に送った手紙には冷酷さを感じつつも、夫亡き後の愛人への施しは昔気質の優しさを感じた。
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大阪で70年続く和菓子屋の姉妹、小梅とつぐみ。姉の小梅は家業の和菓子屋で働き、妹のつぐみは大学生で家業を嫌っている。 ある日、突然つぐみに亡くなった曾祖母の魂が乗り移り「ある手紙をお父ちゃんの浮気相手から取り戻して欲しい」と頼まれて… 曾祖母の榊さんはとても気の強い人だけど、ずっと家族を守って来たんだろうなぁ。浮気相手の家で旦那が亡くなり、親戚に責められたりしても気丈な態度だったのが格好良い。そして、取り戻したかった手紙の内容が切なかったです。なぜそこにあったのかは明かされていませんが、想いが届かなかったのは事実ですし…愛人の人も今では考えられないけど、本妻をある意味立ててたのかと。 曾祖母と出会った事によってぬるま湯に浸かっていた小梅が、少しずつ自立していくのもいい出会いだったんだと思います。 遠い親戚のジュンさんとも、この先友情を深めていけそうで良かったです。
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