怖ガラセ屋サン の商品レビュー
「人間が一番怖い人も」「救済と恐怖と」「子供の世界で」 「怪談ライブにて」「恐怖とは」「見知らぬ人の」「怖ガラセ屋サンと」 7話収録の連作短編集。 この世のものではない異形の存在も、生きている人間も怖い。 けれど一番恐ろしいのは、恨みを持ったまま亡くなった者の怨念だ。 自業自...
「人間が一番怖い人も」「救済と恐怖と」「子供の世界で」 「怪談ライブにて」「恐怖とは」「見知らぬ人の」「怖ガラセ屋サンと」 7話収録の連作短編集。 この世のものではない異形の存在も、生きている人間も怖い。 けれど一番恐ろしいのは、恨みを持ったまま亡くなった者の怨念だ。 自業自得、因果応報とも思えるが、この恐怖は鳥肌物。 恐怖をナメた者たちに「怖ガラセ屋サン」が下す容赦ない鉄槌。 中でも『子供の世界で』はイヤミスとホラーを融合させた味わいがあり、その恐ろしさに震える。 素直に読んでいくと、思わぬしっぺ返しにやられる恐怖本。
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「怖ガラセ屋サン」に依頼して、復讐したい人を怖がらせるっていう7つの短編集。「怖ガラセ屋サン」の怖がらせ方ってのは生半可な怖がらせ方じゃなく、心理的にじわじわくる感じの怖さの怖がらせ方。ただ怖いんじゃなく、最初は「え?」っていうのから始まる感じ。あたし的には1話目の「人間が一番怖い人も」って話が一番面白かったなー。んで、最後の話「怖ガラセ屋サンと」って話でこれまでの短編がチラッチラッと出てくるとことか、短編だけど話がつながってる感じがいいなー。
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今回の澤村さんは期待外れ。簡単に言うと復讐のためにターゲットを怖がらせる話。やり方は違えど、どの話も「結局は人間が一番怖い」ということを言ってるのかな。 七話目は芦沢央さんの小説に雰囲気が似ていると思った。
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面白くて一気に読んでしまった。 第一話 人間が一番怖い人も 第二話 救済と恐怖と 第三話 子供の世界で 第四話 怪談ライブにて 第五話 恐怖とは 第六話 見知らぬ人の 第七話 怖ガラセ屋サンと からなる連作短編集。 どの話にも必ず謎の人物が出てくる。 謎の人物が訥々と話を始めて怖がらせてくるんだけど、何が怖いのかって言うと結局自分が原因だったり、自分のした取り返しのつかないことを自覚させられる、というか… 徹底的に追い詰めてくる。 一番怖かったのは第六話、後味悪かったのは第三話、エンタメ的に楽しめたのは第四話だった。
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依頼されて人を怖がらせることを仕事にしている「怖がらせ屋さん」が全編に出てくる短編集。 シチュエーションも学校のいじめ、病院の入院室、カルト宗教、怪談ライブ、車の中など色々あって面白い。 「怖さ」とは何か、という考察は興味深かった。 ホラー作家の書く話なので、幽霊などの非...
依頼されて人を怖がらせることを仕事にしている「怖がらせ屋さん」が全編に出てくる短編集。 シチュエーションも学校のいじめ、病院の入院室、カルト宗教、怪談ライブ、車の中など色々あって面白い。 「怖さ」とは何か、という考察は興味深かった。 ホラー作家の書く話なので、幽霊などの非現実的な怪異が出てくるのかと思いきや、意外と怪異がはっきりと出てくる作品は少なかった。 はっきりと怪異が出てくるのは「怪談ライブにて」と、「救済と恐怖と」くらいであろうか。後者については、本当の恐怖は宗教ではないかという気もするが。残りの作品は、サスペンスやミステリーのように感じるものが多かった。 「怪異」は「恐怖」を起こす原因の一つに過ぎず、この本の主題はあくまで様々な原因により発生する「恐怖」なのだなと思った。 最後の書き下ろしは、今までの短編の要素が少し出ており、今までのまとめのようで面白い。
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恐怖とは 想像すること。 嫌な予感である。 という考察に 確かに、と頷いてしまった。 すっと 話の中へ引き込み じわじわと 不穏な空気を漂わせ その先を考えさせ 怖いという感情を かき立てる。 叫び出したくなるような 恐ろしさはないけれど あとからじわりと 背中が冷たくなってくる...
恐怖とは 想像すること。 嫌な予感である。 という考察に 確かに、と頷いてしまった。 すっと 話の中へ引き込み じわじわと 不穏な空気を漂わせ その先を考えさせ 怖いという感情を かき立てる。 叫び出したくなるような 恐ろしさはないけれど あとからじわりと 背中が冷たくなってくる。
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恐怖とは何か、人はどういう時何を怖いと思うのか、をひたすらに突き詰めたホラーオムニバス作品。人怖や洒落怖、禍話のような不明瞭ゆえの恐怖、いろんなホラーの要素を突き詰めていってただの列挙にとどまらないところがよかった。
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面白かったあ。 「恐怖と救済と」「子供の世界で」がダントツで好きです。子供と都市伝説的な存在が合うんだろうな。
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最後まで正体が謎に包まれている怖がらせ屋さんが不気味で怖かったが、最後の書き下ろしの話の主人公のようになぜか興味をひかれる存在になっていくのがすごくわかるなぁと思いました。 会いたくないけど会った人に話を聞きたい。 保身のために間接的にでいいので彼女のことを知りたいと思った。
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怖いと言う感情は誰もがこれまでの人生で感じたことのある感情だろう。 でも、その怖いが何に対してなのか。どう怖いのか。その種類はたくさんあり、この短編集では様々な「怖い」を体験した。 根底にあるのは「人の恨みを買ってしまった」ということ。どうしても語り部に感情移入してしまうこと...
怖いと言う感情は誰もがこれまでの人生で感じたことのある感情だろう。 でも、その怖いが何に対してなのか。どう怖いのか。その種類はたくさんあり、この短編集では様々な「怖い」を体験した。 根底にあるのは「人の恨みを買ってしまった」ということ。どうしても語り部に感情移入してしまうこともあり、そうか…そうなるのか…と苦しくなる場面もあった。人は間違える生き物だけど、絶対に間違えてはいけないことが世の中にはあるのだ。 あまり好きな系統の本ではなかったし序盤は苦手だったけど、終盤は一気に読んでしまった。
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