常設展示室 Permanent Collection の商品レビュー
この本を読んでいる時、私の頭の中にはたくさんの色と人の声が浮かんできた。そして読み終わった時、美術館に行きたい。私も物語の主人公のように作品を自由に鑑賞したい。と感じた。全ての章に出てくる絵画作品の描写がどれもとても丁寧で、きれいだ。美術館は、人と人を繋げるだけでなく、過去の自分...
この本を読んでいる時、私の頭の中にはたくさんの色と人の声が浮かんできた。そして読み終わった時、美術館に行きたい。私も物語の主人公のように作品を自由に鑑賞したい。と感じた。全ての章に出てくる絵画作品の描写がどれもとても丁寧で、きれいだ。美術館は、人と人を繋げるだけでなく、過去の自分と出会う場であることに気付くことができる作品だと思う。 また、最後に書かれた解説を読んで、心がすごく温かくなった。
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長らく「今読んでいる」になっていたほん。 やっと読み終えた。ラストに向けて心じんわり。 短編なので一つ一つが終わっていくたびに。 そして、巻末の上白石萌音の解説もまたよい。 フーテンのマハさんも読もうと思った。
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人生それぞれに傑作が存在するなんて、何て素晴らしいことだろうと思います。 ①ピカソの「盲人の食事」には、「どんな障害があろうと、かすかな光を求めて生きようとする人間の力」、②フェルメールの「デルフトの眺望」には、「きのうの続きの今日がこの街にはある。今日の続きの明日が、またき...
人生それぞれに傑作が存在するなんて、何て素晴らしいことだろうと思います。 ①ピカソの「盲人の食事」には、「どんな障害があろうと、かすかな光を求めて生きようとする人間の力」、②フェルメールの「デルフトの眺望」には、「きのうの続きの今日がこの街にはある。今日の続きの明日が、またきっとくる喜び」、③ラファエロの「大公の聖母」には、「母と子の愛」、④ゴッホの「ばら」には、「ラヴィアンローズの薔薇色の人生を夢見る女性の姿」、⑤マティスの「豪奢」には、「豪華なものを身にまとうことではなく、それを脱ぎ捨てること、自分自身を磨くこと大切さ」、⑤「道」には、「人生それぞれに傑作があること」を深く感じました。 本書を美術館への招待状として、身近な常設展示室へ足を運び、自分の人生を振り返りたいと思います。何かシンパシーを感じる絵画に会えることを信じて。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
しょっぱなから通勤電車の中で涙を堪えるのに必死になってしまった。 美術は詳しくないから原田マハさんの美術関連の小説に二の足を踏んでいたけど、短編集なら私でも読めるかなとこの本を選んでみた。 結果は美術の知識に関係なくそれぞれの人生を垣間見ることができ、かつ今後の美術への触れ方に変化をもたらせてくれるであろう一冊になった。 群青The Color of Life デルフトの眺望A View of Delft この二篇は涙腺がすぐにゆるんでしまった。 群青はなんとも残酷なお話ではあったけど、一枚の絵から膨らむ想像力が優しさや希望に満ち溢れ、人の幸せを感じる瞬間が印象的だった。 マドンナMadonna 私も先延ばしにしたり忘れてる約束があるんじゃないかと反省しながら読んだ。 薔薇色の人生La vie en rose 豪奢Luxe はドラマだなぁと思いながら淡々と読んでいたけど、 結局色紙は同僚の書いたもので何がホントかウソかわからない真理のようなだったし、 豪奢は対峙するときの極意のようだった。 道La Stradaもドラマだなぁと思いつつ、また涙を堪えるのに必死になった。 "第一印象が決まるのには三秒"(道La Strada) なぜかはわからないけどずっと記憶に残っている作品や、(どのお話だったか)作品を見終えてから徐々に膨らむ理解に、色々な経験が人の感情の器を深く大きくしているんだなと思いながら読んでいた。 それぞれ主人公が自立した中年女性というのも、無意識に感情がコントロールされたところもあったのだろうか(豪奢はちがうけど)。
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2023/8/9読了 原田マハのアート短編集。 短編集はあまり好きではないが、特に最後の話は印象に残った。 週末に近代美術館に行こう。 「美術館への招待状」とはうまくいったもの。
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原田さんらしく、絵画を物語に織り込んだ素敵な短編集でした。 ピカソ 盲人の食事 フェルメール デルフトの眺望 ラファエロ 太公の聖母 ゴッホ 薔薇色の人生 マティス 豪奢 東山魁夷 道 タイトル常設展示室そのものは、最後の「道」で魅力的に描かれています。そして、この短編6編は、...
原田さんらしく、絵画を物語に織り込んだ素敵な短編集でした。 ピカソ 盲人の食事 フェルメール デルフトの眺望 ラファエロ 太公の聖母 ゴッホ 薔薇色の人生 マティス 豪奢 東山魁夷 道 タイトル常設展示室そのものは、最後の「道」で魅力的に描かれています。そして、この短編6編は、絵画に関わって生活する女性達の仕事以外の物語。日常というには、特殊ですが、彼女らの人生を絵画を軸とした短編にしっかりおさめたなあと思いました。
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2023.8.6 読了 ☆8.2/10.0 舞台は、企画展ではなく、常設展示室。つまり、その美術館が誇る宝物の数々が眠る部屋、いつでも私たちを待っていてくれる部屋のお話 原田マハさんの描くアート作品をテーマにした小説は、今までたくさん読んできたけど、どれにも共通するのが、「作...
2023.8.6 読了 ☆8.2/10.0 舞台は、企画展ではなく、常設展示室。つまり、その美術館が誇る宝物の数々が眠る部屋、いつでも私たちを待っていてくれる部屋のお話 原田マハさんの描くアート作品をテーマにした小説は、今までたくさん読んできたけど、どれにも共通するのが、「作者以外のその絵に関わる人全ての描写の丁寧さ」ではないかと思います。 絵を見つける人、所有する人、売る人、手に入れようとする人、その絵を見る人、人々に紹介する人など、一枚の絵を取り巻く環境全ての人を丁寧に描いている。
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マハさんと作品は、美術知識がない私でも、 わかりやすく、そして,昔から知っていたかのような懐かしい絵画の絵が脳内に再生される。 短編集それぞれとても感慨深く、 私も近く美術館鑑賞に行きたいと思います。
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短編集で読みやすい。 作品のタイトルの真意や、画家が何を思い絵を描いたか。そんなことを想像しながら作品を眺めてみたいと思った。 美術館へ行きたくなった本。
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美術館で勤務する人、画廊に勤務していて作品を売る人、作品を買う人、所持している作品を売る人、美術作品の審査をする人、色んな目線で書かれている6つから成る短編集。 印象に残ったのは最後の短編『道』 幼い頃に生き別れた兄妹と絵画を通して再開する奇跡と感動しました。2人ともなんとなく繋...
美術館で勤務する人、画廊に勤務していて作品を売る人、作品を買う人、所持している作品を売る人、美術作品の審査をする人、色んな目線で書かれている6つから成る短編集。 印象に残ったのは最後の短編『道』 幼い頃に生き別れた兄妹と絵画を通して再開する奇跡と感動しました。2人ともなんとなく繋がりを感じていたんだろうなと思うと心が温まりました。 全体を通して絵画の力みたいなものを感じ、美術館へ行ってみたくなったので、マティス展へ行ってみようと思います。
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