常設展示室 Permanent Collection の商品レビュー
行き詰まった時、辛い時に気付かされたり癒やしてくれたりする絵、人生を変えてくれた絵、遠い昔の記憶を思い起こしてくれる絵、何故だかまた会いに行きたくなる絵。人の数だけ人生があり、関わる絵や思いを寄せる絵も人それぞれ。 常設展示は、いつでもそこに行けばあの絵に会える、あの絵が待ってい...
行き詰まった時、辛い時に気付かされたり癒やしてくれたりする絵、人生を変えてくれた絵、遠い昔の記憶を思い起こしてくれる絵、何故だかまた会いに行きたくなる絵。人の数だけ人生があり、関わる絵や思いを寄せる絵も人それぞれ。 常設展示は、いつでもそこに行けばあの絵に会える、あの絵が待っていてくれる幸せな空間だなぁと言う事を改めて噛み締めた。 ストーリーとしては、『群青』(ピカソ)と『道』(東山魁夷)が良かったですね。 『薔薇色の人生』(ゴッホ)と『豪奢』(マティス)については主人公が受けた仕打ち?の様なものが心痛く共感し難いものあれど、求める人、必要とする人(しない人にも)全てにアートの力が等しく発揮され、作用するのだと言う著者の強い思いとして受け止めたい。
Posted by
企画展ではなく常設展示。誰にとっても人生を変えるような作品には、いつ出会うかわからないというお話が詰まった短編集。原田マハ先生の文章は心にめちゃくちゃ響きます。 どの話も良かったのですが、最後の『道』が1番でした。切ないお話でしたが、道は途切れてなかった繋がっていたと思えば希望も...
企画展ではなく常設展示。誰にとっても人生を変えるような作品には、いつ出会うかわからないというお話が詰まった短編集。原田マハ先生の文章は心にめちゃくちゃ響きます。 どの話も良かったのですが、最後の『道』が1番でした。切ないお話でしたが、道は途切れてなかった繋がっていたと思えば希望も感じられました。構成が本当に素晴らしかったです。 作品中に良いアートは観た後に家に帰って寝るまでの間を幸せにしてくれる。とありましたが、原田先生のこの作品も間違いなく幸せにしてくれると思います。 あとがきを書いていた上白石萌音さんの文章もとても素晴らしかったです。
Posted by
「紗季は、毅然と立ち上がった女神の前に佇んで。いつまでも彼女の姿をみつめていた。そして、画家がこの絵に〈豪奢〉と名付けた真意を思った。」 初原田マハ作品。 本屋で一押しされていたので購入してみました。 6編からなる短編集で、一部がリンクしていますが基本読み切り。 最初は「これは...
「紗季は、毅然と立ち上がった女神の前に佇んで。いつまでも彼女の姿をみつめていた。そして、画家がこの絵に〈豪奢〉と名付けた真意を思った。」 初原田マハ作品。 本屋で一押しされていたので購入してみました。 6編からなる短編集で、一部がリンクしていますが基本読み切り。 最初は「これは外したかな?」と思いつつ読み進めたところ、最後はハマっていました。 徐々に染み込んでくるような流れでした。 短編集といえど、順番は大事だわ、と思わせてくれる一冊。 アートの部分は知識がなくても大丈夫。主人公たちを語る上で必要なものですが、知らなくても躓きません。 静かな冬のような空気感のある作品です。 映像が目に浮かび、オムニバスとして市川実日子や江口のり子とか主演のオムニバス作品ですがハマりそうです(笑)
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
―― 御仕着せの魔法。 良くまとまっている、と頷くこともできるし、小綺麗なんだよな、と頭を振ることもできる。 なんだろなぁ。技術的には確かで、とても綺麗な絵を描く、でもだからどうというわけではないひと、みたいな。 そのあたり、長編のときは構成力も伴ってばっちりはまるんだけれど…短時間で読み切ってしまったのが良くなかったのかなぁ。食中りみたいになりました。 なんか最後の「道 La Strada」での主人公の審査基準が、痛烈な自己批判のように読めたのは穿ち過ぎだろうけど。 にしても全てにおいて説明過多というか、固有名詞過多というか。実在する作品を扱っているわけだから、その作品そのもの、に関してはそんなに言葉にしなくてもいいんじゃない? というところもちらほら。なんつーか現代的な、踏み込まない読者を相手にし過ぎてるんじゃないかという感じがして、すごく俯瞰してしまった。 あるいは具体的ではない表現だけで、もっと展開に面白みを持たせることもできたんじゃないだろうか。 ただそれが、この短編集の趣向に即しているのかというとまた違うのかもしれない。 そのへん商業作品としてのジレンマもあるのかもしれません。 ひとつひとつの短編としては完成度は高いし、たとえばそれぞれが美術関連のアンソロジーにひとつ収められていたら、もっと違って読めるとは思います。 ☆2.5。
Posted by
この物語は、絵がある人生/生活を描いている。自分にとっての名画との出会いを思い出す、あるいは想像するきっかけとなる。最後の「道」は特に、凄かった。
Posted by