嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか の商品レビュー

鈴木忠平(著者)

2021/12/18

川崎憲次郎をはじめ中日の各選手と落合監督の関わりにスポットを当てながら、監督像を明らかしていく一冊。落合監督のプロフェッショナルとしての意識の高さが凄く伝わってきた。著者の文章も秀逸。

2023/07/05

力作。
選手としての成績、監督しての成績どちらもプロ野球史上最高クラスであるにも関わらず、メディアやファンから嫌われた落合監督の8年間を追っている。
心にガツンとくるものはないが、全ページを通して息を呑むような迫力に包み込まれながら読み終えた名作。

2021/12/18

中日ドラゴンズを変え全盛期をもたらした監督、落合の8年間を描く。契約を履行し勝つことだけを考える…、語らず心開かない異端の将は、理解されず認められず怖れられ遠ざけられる。孤高の人は己の価値観を貫くにはそうするしかなかったのだろう。中日は確かに強く個を確立した集団に変貌した！

2021/12/17

プロとして結果だけを追い求めた軌跡。
正しいのかもしれないけど、この本が在任中に出ていたらと思う。結果の追求とエンターテイメントは両立できないのか。勝てば喜ぶという単純なものでは無いと思う。勝ちに加えてドラマがあるとファンは喜ぶ。落合監督の考えをもっと知った上で中日の野球を見たかった。

2021/12/17

落合博満は多くを語らず、不遜な態度で記者会見をする。しかし、類稀な実績を残し、多くの人を惹きつける。私もその惹きつけられた1人である。その落合を題材にした本が売れているということで、興味深く手に取った。落合語録や落合の取材集と思いきや、彼に関わる人を主役にした、いろんな視点からの落合。何年も、何人も取材をして見えてきた落合像、それを表すために出版されたのだろう。落合に興味がある人は絶対、落合が何であんな行動とったのかと思う人もご一読いただきたい。

2021/12/17

評判通り、最高の一冊だった。珠玉のストーリーテリング。最高の物語は、ひとりの人物に宿る。構成も面白く、各章にひとりの人物にスポットライトが当たる。突き抜けた合理は非合理に到達してしまい、孤独が個を覆い隠してしまう。本物のプロの生き様。

2021/12/16

( オンラインコミュニティ「Book Bar for Leaders」内で紹介 https://www.bizmentor.jp/bookbar )

2021/12/11

「冷徹非情」。自分が知っている落合監督のイメージはそれだけだった。
勝つためなら非情な采配でも何でもやる。そうして常勝中日を作り上げた代償としてつまらないとメディアから揶揄されたり、ナゴヤドームにお客さんが入らなくなったりした。

でも、この本を読むとプロ野球の監督で最も合理的で論理的にチームを見つめていて、それを実行に移せる落合監督の凄さを感じた。
いつもうつむき加減でベンチから戦況を見つめる理由、それにも納得させられるものがあった。

自分の仕事では「心は技術で補える」この言葉を自分の仕事でも生かして、確固たる技術を身に着けていきたいなと思った。

2022/03/21

2022年1月1日読了。

Ｐ９８
「試合中、俺がどこに座っているかわかるか？」
「俺が座っているところからはな、
三遊間がよく見えるんだよ」
「これまで抜けなかった打球がな、
年々そこを抜けていくようになってきたんだ」

Ｐ１５１
「スポーツは強いものが勝つんじゃない。
勝った者が強いんだ。三年間で負けないチームは　
できたがー勝てるチームじゃなかったってことだ」

Ｐ１６１
「打つことはよくても三割だ。
でも、守りは十割を目指せる。
勝つためにはいかに点をやらないかだ」

Ｐ４２７
落合は自らの言動の裏にある真意を説明しなかった。
そもそも理解されることを求めていなかった。
だから落合の内面に迫ろうとしない者にとっては、
落合の価値観も決断も常識外れで不気味なものに
映る。人は自分が理解できない物事を怖れ、
遠ざけるものだ。落合は勝ち過ぎたのだ。
勝者と敗者、プロフェッショナルとそうでないも
真実と欺瞞、あらゆるものの輪郭を
鮮明にし過ぎたのだ。

2021/12/10

プロフェッショナルとは孤独なもの。悲壮感はなく、寧ろ自分を肯定されているような読後感。経営者にも読んで貰いたい一冊。