海が走るエンドロール(1) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
〇単なる大学生とおばあさんの夢追う物語ではない!ズキンと来るところもあって、きっとあなたものめりこむ 夫が亡くなり四十九日を過ぎたうみ子は、夫と映画館へデートしたときのことを思い出す。ある日友人からのフラダンスの誘いをかわそうとして映画を見に行くと言い出すが、そこで美大生の海(カイ)とぶつかる。 海にビデオデッキを直してもらうように依頼し、修理が終わった後一緒に映画を見るが、ふとやはり夫と一緒に映画を見ていたときのことを思い出す。 海が帰る際、海に「映画を撮りたいんじゃない?」と掻き立てられる。 転がっていくうみ子の人生は、いったいどうなるのか。 出会いはTwitterの筆者アカウント(だったと思う)。 僕が最初に感じたのは、「65歳が映画を撮るなんて」「よもやそれを主題に設定しようとは」という驚きであった。 しかも調べてみたらミステリーボニータは、中高生中心の青年誌らしい。なぜこれがマンガ化できたのか? この疑問は読んでみたらすぐに吹っ飛んだ。大学生とおばあさんの単なる交流ではない、それぞれの夢と思い出を交錯させ、またえぐられながら、一緒に歩もうとする青春マンガだった。ズキンと来る場面も多いのはなぜだろう。 映画というロマン詰まった文化を、65歳でも19歳(?)でも夢として将来の生業として語り合う、目指すことができる、というのがなんと素晴らしいことではないか!と、もうすでにわたしはこのマンガにのめりこんでしまっている。 勝手に盛り上がってしまって書評的ライティングではないのが心苦しいですが、長く続くマンガとして期待したいところです! 秋田書店・月刊ミステリーボニータにて連載。 2020年11月号~2021年7月号まで分を収録。
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いろんな書店回ったのにどこにも置いてなくて結局Amazonで購入。とても面白かったです。なんかゾクゾクしました。続き気になる。
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すごく良い。まだ一巻だけど胸が熱くなる感じ。 続きが楽しみ! 作る人と作らない人の境界線てなんだろう。 船を出すかどうか。
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最高。「作る人と作らな人の境界線はなにか」「船を出すかどうか」「船は誰でも出せる」。 傑作のかおり。一巻の引きが最高。早く続きがよみたい。読むこちらも、ワクワクさせられる。
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高齢者は心落ち着き、短い余生を閑暇と共に過ごす。 そんな当たり前をぶち壊してくれるセカンドライフ作品です。夫に先立たれた妻、うみ子が、創作活動に目覚める。その心の機敏にこちらの気持ちも揺さぶられます。 特に印象的なのは、したいことを口にする時、ではありません。 年寄りだから...
高齢者は心落ち着き、短い余生を閑暇と共に過ごす。 そんな当たり前をぶち壊してくれるセカンドライフ作品です。夫に先立たれた妻、うみ子が、創作活動に目覚める。その心の機敏にこちらの気持ちも揺さぶられます。 特に印象的なのは、したいことを口にする時、ではありません。 年寄りだから、いまさら、、、と『心にもないこと』を言うときの葛藤。その仕草と描き方に胸が締め付けられます。 主人公は65才。それでも、この気持ちは40代でも共有できます。 もの作りへの勇気にエールを!二巻が楽しみです。
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夫をなくし無為に日々を過ごすだけだった65歳の女性が、映画館で出会った映像作家志望の青年と出会うことで自身も映像作家を目指すようになるという話。 アイデアが良いし、主人公と青年の関係性も良い、そして漫画が巧い! たらちねジョンという人の漫画は初めて読んだけど、世の中には自分の知ら...
夫をなくし無為に日々を過ごすだけだった65歳の女性が、映画館で出会った映像作家志望の青年と出会うことで自身も映像作家を目指すようになるという話。 アイデアが良いし、主人公と青年の関係性も良い、そして漫画が巧い! たらちねジョンという人の漫画は初めて読んだけど、世の中には自分の知らない巧い漫画家がまだまだいるんだなぁ。 続刊に期待。
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「そんな人間はさ 今からだって死ぬ気で 映画作ったほうがいいよ」 という「メタモルフォーゼの縁側」×「ブルーピリオド」なおばあちゃん漫画です。 夫に先立たれ呆然とする、うみ子(65歳)が、ふと入った映画館で美大(映像学科)生の海(かい)に出会って映画が好きだったことを思い出し...
「そんな人間はさ 今からだって死ぬ気で 映画作ったほうがいいよ」 という「メタモルフォーゼの縁側」×「ブルーピリオド」なおばあちゃん漫画です。 夫に先立たれ呆然とする、うみ子(65歳)が、ふと入った映画館で美大(映像学科)生の海(かい)に出会って映画が好きだったことを思い出し、美大に入学してしまうお話。 おばあちゃんが時々ものすごく可愛くなる。 そして他の登場人物はみんな男か女か分からないのが画風的に素敵。 ついつい自分を卑下してしまううみ子と、そうして欲しくない海が不器用に距離を縮めていく姿がほほえましい。 そして漫画としての印象が強烈。なんだろうレイアウトとかそういうのが上手なんでしょうか。 これはルックバック(藤本タツキ)を読んだ時の印象にとっても良く似ている。あと「マイ・ブロークン・マリコ(平庫ワカ)」とも。つまりこの作者は天才かな…と思ったのです。 続き楽しみ。ミステリー・ボニータって本屋さんのどの棚に置いてあるんだろう。 「けれど 映像は自由で 走り出したら とまらない 私が映像を撮るならば」
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