ただしい人類滅亡計画 の商品レビュー
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うーん⋯⋯という感じ。面白くはなかった。 10人のいろいろな「○○主義者」が出てきて議論をするが、どれも極論過ぎてイマイチ共感できなかった。 そもそも(ほぼ主人公と言える)ブラックが唱える反出生主義は「すべての意識ある生物が存在しないこと」を望んでいるが、世間一般の反出生主義者たちはそこまで考えているのか。せいぜいブルーが言う「自分が不幸な世の中は消えてしまえ」程度の人が大半だと思う。 もちろん、なんの主義主張もない人にとっては、ブラックの反出生主義が極論過ぎることなんて問題ではないかもしれないが、この本を読み始めた人の多くが、反出生主義に対して肯定否定を問わず意見を持っていると思う。その中で、ブラックの意見にどれだけ“ついて来られるか”はとても重要ではないか。正直、(やんわりとした反出生主義である)私は「こいつにはついて行けない」と感じた。 また、結末や隠されていたキャラクターの属性も「え、それだけ?」という印象。わざわざ隠す必要はなかったと思う。 とはいえ、結末は(意外性はなくつまらないが)悪くはなかった。
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色んな価値観のキャラクターが対話する形式で物語が進む。 自分で思考する時に頭の中でそんなキャラクターを作って会話させれば、結構面白い結論に至るかも。 反出生主義は考え方としては誰でも苦しい辛いことがあった時思い浮かぶものだろうけど、人生は苦であるって言うのは仏陀が言ってるし、...
色んな価値観のキャラクターが対話する形式で物語が進む。 自分で思考する時に頭の中でそんなキャラクターを作って会話させれば、結構面白い結論に至るかも。 反出生主義は考え方としては誰でも苦しい辛いことがあった時思い浮かぶものだろうけど、人生は苦であるって言うのは仏陀が言ってるし、人にはネガティヴな情報を過剰に印象に残るバイアスもある。 けれども、苦を減らして楽を増やす方法は先人達が色々発見してくれてるからそれをとにかく試してみて、なるべく楽しく生きる方向が良いと思う。 究極は生まれようが生まれまいがどっちでもいいんだけど、まあ、せっかく生まれたし、それをどう捉えるかは自分次第。なるべく楽しみたい。胡蝶の夢って言葉があるけど、どんな夢でも楽しめた方が良いから。
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装丁は良かった。 作者の反出生主義に対する理解が浅いため、作中でこの主義を主張するブラックなる人物の説明が無理筋で、作中ですら論破されている始末。これをタイトルにするのは詐欺ではなかろうか。あらゆる主張の底が浅いので、執筆当初20代後半の作者には荷が重かったとしか言いようがない...
装丁は良かった。 作者の反出生主義に対する理解が浅いため、作中でこの主義を主張するブラックなる人物の説明が無理筋で、作中ですら論破されている始末。これをタイトルにするのは詐欺ではなかろうか。あらゆる主張の底が浅いので、執筆当初20代後半の作者には荷が重かったとしか言いようがない。
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「人類を存続させるべきか否か」というめちゃめちゃ壮大かつ複雑な問題について、10人の人間が話し合うというスタイルでお話が進んでいくのがとっても読みやすかった。 普通のお堅い本だったら絶対途中で投げ出してるようなトピックなのに、こんなにスルスル読めるように書かれた品田先生は流石。
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感想 自分の中に眠る反出生主義的思考に気づかされる。遺伝子を繋ぐことを幸福と思う人もそうでない人もいる。当たり前だが共存のために覚えておきたい。
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「論理としての道徳の正しさ」も結局「人間であること」には勝てない。あまりにも”正しすぎて”気持ち悪い。反出生主義とはそういう思想なのだなと思った。ブラックさん生きづらそう。白か黒かじゃなくてグレーなバランス感覚を持ちたい。
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この世界に突如生まれた魔王は、非常に理屈っぽかった。"人間を滅ぼさなければいけない"という使命に納得できず、10人の人間を集めて、人類を滅ぼすべきかどうか議論をさせて決めることにする。 主義主張の違う人間たちの会話劇のような、絵本のような雰囲気のお話だった。...
この世界に突如生まれた魔王は、非常に理屈っぽかった。"人間を滅ぼさなければいけない"という使命に納得できず、10人の人間を集めて、人類を滅ぼすべきかどうか議論をさせて決めることにする。 主義主張の違う人間たちの会話劇のような、絵本のような雰囲気のお話だった。 平易な言葉で分かりやすく、なるほど、と思いつつ、でもどこか詭弁で誤魔化されているような感覚にもなった。 これだけ色んな立場のキャラクターを書き分けて議論させられるの、すごいな。
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今ある書物の中で最も反出生主義について理解しやすい本だった。ブラックの他の主義にズバッと切り込んでいく話し方が清々しくて良かった。中でも“俺が口を出すのはあくまでも「出生」という規格外に特別な事象についてだけで、すでに生まれてしまった個人がどう生きるべきかについては特に言うことが...
今ある書物の中で最も反出生主義について理解しやすい本だった。ブラックの他の主義にズバッと切り込んでいく話し方が清々しくて良かった。中でも“俺が口を出すのはあくまでも「出生」という規格外に特別な事象についてだけで、すでに生まれてしまった個人がどう生きるべきかについては特に言うことがない。”や“「子供を生まない人生」は人生の中で起こる出来事だが「親から生まれてこない人生」は人生の中で起きる出来事じゃない”が印象的だった。
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それぞれ違う価値観や考えを持つ10人がディスカッションしながら展開する物語。個々を書き分けるのは大変だったのではないでしょうか。分かりやすく〜でござるなどの不自然な語尾を付けて楽をしていないところが良いです。
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