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ただしい人類滅亡計画 の商品レビュー

3.7

70件のお客様レビュー

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2024/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

少し前に「ただしい人類滅亡計画」という本を読んだ。小説のようなストーリーを持ちながら、「反出生主義」という比較的新しい思想の成り立ちを解説した意欲作である。非常に面白かったし、この本をきっかけに哲学への興味が湧き立った。反出生主義に興味あってもなくても、次々展開される議論が面白いので、オススメです。 反出生主義によると、人が生まれることは必ずしもいいことではない。というか悪いことである。人は産み落とされると同時に苦しみを経験することが決定づけられ、それならいっそ産まれない方が苦しみは少なくて済むからだ。 「人生には苦しみだけじゃなく喜びもあるんだから、苦しみだけに注目するのはおかしい」と反論したいところだと思うが、ひとまず聞いてほしい。なお気になったら、この本を読んで見てほしい。およそ聞きたい答えは書いてあると思う。 反出生主義の考え方は、一見非常識なように見えるが、実はごく自然な考え方のように思える。皆さんは学生の頃、明日のテストが嫌で「台風でも来てテスト中止になってくれないかな…」などと空想したことはないだろうか。この気持ちは、「苦しむくらいなら、元々ない方がいい」という点で、反出生主義と共通している。反出生主義が「人が産まれる・産まれない」という大層な問題を扱っているために分かりにくいが、「テストが中止になってほしい」という考え方の延長線上に、反出生主義はあるのだ。 私はこの本で初めて反出生主義という考え方を知り、他人事とは思えなかった。望んでもいないのに (喜びもあるけれど) 苦しみの多い世界に産み落とされる。かと言って自殺して生きることをやめるのにも苦しみを伴う。こんなの、目的のない謎の試練を与えられたようなものである。こんなことなら産まれない方がよかったと、私は思ったことがあるし、そう思うのは必然ではなかろうか。 一般的に考えて、私はこれから「子供を作る」世代である。しかしその決定権が100%私にある以上、決心する前によく考えなければならない。生を受けた瞬間に苦しみを宿命づけられるにもかかわらず産まれるに値する理由はあるのか、子が経験する苦しみ以上に幸せを与えられるのか、繁殖することが必ずしも優先されない今の時代に、子を設ける意味は何なのか…。 反出生主義を他人事と思えない私は、現時点で「子供を作る」という選択に足る理由を見つけられない。理由を見つけるどころか、「子供を作る」ということに対する凄まじい恐怖を感じる。私は、人間一人を産み出すという、1度始めたら取り返しのつかない事象に責任を持てるかどうかが、怖くて仕方ないのだ。

Posted byブクログ

2024/10/20

異なる思想を持つ10人の考え方にどれも共感する部分があり、読む前に漠然とあった自分の考えが何度も揺さぶられるような思いで一瞬で読み終わってしまいました。 自分の考えが誰に近いかポジション取りしながら読み進めると、その考えを強固にする例えが出てきたり 途中で思わぬカウンターパンチを...

異なる思想を持つ10人の考え方にどれも共感する部分があり、読む前に漠然とあった自分の考えが何度も揺さぶられるような思いで一瞬で読み終わってしまいました。 自分の考えが誰に近いかポジション取りしながら読み進めると、その考えを強固にする例えが出てきたり 途中で思わぬカウンターパンチをくらったりと、どこまでも主体的な哲学書のようで面白かったです。 広く色んな方にオススメ出来る本です。 ライター、ラジオMC、youtube企画等で元々ファンだった者で品田遊名義の作品は今回初めて触れましたが、別の作品にも触れたくなりました。端々に本人の色が出ているような、書いている本人にも10人それぞれの主張を肯定する部分があるのではと想像しながら読ませて頂きました。

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2024/08/13

私は反出生主義なのでブラックの言葉に賛同できる部分が多くありました。 イエローのようなタイプの人は、ブラックの論理的な意見をいくら聞いても考えが変わることはないのだなーと思いました。 色々な価値観の人がいて面白かったです。

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2024/07/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あとがきの、反出生主義は大きく分けて2つあって、合流地点で絡み合って、ネット上で議論が巻き起こった、みたいなこと言ってて好きだった たまになんかうっすら思ったりしてしまう、人類もう滅べや、ってことを、こんな深ぼって書籍にしたのってないんじゃないんだろうか 結局のところ、利己的な欲求を満たすために道徳はあるのだから 白黒付けないグレーありがとう

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2024/06/24

超入門哲学書といった雰囲気。会話形式で「人類滅亡の是非」を語るテーマになっている。タイトルにもある通り「反出生主義」という考え方が主軸に物語が進行するが、他の哲学・倫理的テーマも散りばめられている。ラストは好き嫌いな分かれそうな印象。

Posted byブクログ

2024/05/28

反出生主義と他計10つの主義による仮想討議会という小説 哲学的な内容を楽しく読める。キャラクターが色分けされていてわかりやすい。 内容は、反出生主義をはじめしっかりまとまっていて、どの考え方もわかるような、それでいてどれにも組みしたくないような、でも自分の考えは分からずといった...

反出生主義と他計10つの主義による仮想討議会という小説 哲学的な内容を楽しく読める。キャラクターが色分けされていてわかりやすい。 内容は、反出生主義をはじめしっかりまとまっていて、どの考え方もわかるような、それでいてどれにも組みしたくないような、でも自分の考えは分からずといったような、小説のように感情移入?しながら哲学が学べる構成が面白い。

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2024/05/09

反出生主義、または現実主義、悲観論者等、曲者たちを集めて魔王に人類滅亡をする意味を巡る物語。 ただ反出生主義を語るのではなく、反出生主義の落ち目や他の意見を交えて反出生主義を分かりやすく書いてて入門としては良かった!

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2024/05/03

物語というより、寓話仕立ての哲学入門書というほうが近いかもしれない。小説として読むとソリッドに過ぎるかもしれないが、センセーショナルで魅力的な題材で、刺激的な議論が楽しめる。

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2024/03/28

道徳とはなにか 幸せとはなにか 人に説明するには難しいこれらを上手く言語化してある本 子供が出来たら読ませたい(聞かせたい) 反出生主義がテーマだけど一周まわって子供が欲しくなる 「ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語(品田遊/コルシカ)」 https://www.am...

道徳とはなにか 幸せとはなにか 人に説明するには難しいこれらを上手く言語化してある本 子供が出来たら読ませたい(聞かせたい) 反出生主義がテーマだけど一周まわって子供が欲しくなる 「ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語(品田遊/コルシカ)」 https://www.amazon.co.jp/dp/4781620043/ #読書管理ビブリア

Posted byブクログ

2024/03/27

題材が題材なので堅苦しい雰囲気かと思ったが、それとは真逆のコミカルな雰囲気の作品。 さまざまな思想が色分けされてわかりやすくされており、ライト層向けの思想小説だなと感じる。

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